焼岳。北ア復帰第一弾。極上の天候なれど、きつかった


- GPS
- 09:00
- 距離
- 7.6km
- 登り
- 918m
- 下り
- 929m
コースタイム
天候 | 素晴らしき快晴。気温高めでほぼ無風 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
2日前に雪が降ったが、しっかり除雪されており、中央道も長野道も問題なかった。松本ICからは158号線をひたすら進むが、こちらも概ね除雪されていた。道の駅「風穴の里」より先はチェーン規制の表示が出ていたが、結局、中の湯温泉のゲートまでノーマルタイヤで行ってしまった。除雪はされているものの、ところどころ雪が残っており、スタッドレスタイヤは必須 中の湯温泉へは158号線で上高地へ向かうトンネル(通行止め)の前を左へ曲がり、平湯方面へ進む。500mほど先のトンネルの手前の右側に、中の湯温泉への道がある。ゲートは締まっているが、紐を外せば簡単に開けられる。ゲートは自重で締まってしまうので、道路左側の土手の壁に出ている金属製の突起物に紐をひっかけて固定する ノーマルタイヤやFFスタッドレスなどの車はゲートの内側の路肩に駐車する。7台くらいは駐車可能。四駆スタッドレスは中の湯温泉下の駐車場まで上がれる。ゲートから中の湯温泉までは、九十九折の坂道を進むが、歩くと小一時間かかる。宿泊者は宿に電話すると、ワゴン車がピックアップしてくれる。もちろん帰りも送ってくれる |
コース状況/ 危険箇所等 |
2日前に降った雪がトレースを完全に消していた。本日登ったのは6名。広場までトレースをつけてくれたのは、九州から遠征してきた若者だった。朝の5時半に中の湯温泉旅館を出て登り始めたとのこと、私を含めて後続4名は7時半から8時頃に出発して広場のあたりでトップに追いついた。3名の方は広場の先で時間的に断念された。その後は、九州の若者へのお礼を兼ねて、南峰と北峰のコルまでの谷登りは私がトレースを付けた 我々は北峰を目指したが、中の湯温泉旅館のスタッフによると、冬道は南峰を目指すのが正解のようです(感想を参照ください)。南峰は山頂標識はありませんが、標高は南峰の方がやや高く、眺望もほとんど変わらないようです 中の湯温泉から登山道入り口: 中の湯温泉の右横から裏手に回って斜面を上がる。例年よりは格段に雪が少ないそうだが、それでも雪に足を取られる。最初からワカン、スノーシューで上がる。途中で安房山の方に進むトレースが左手にあるが、間違わないように。11号カーブにでると、登山道入り口になる。私は途中でスノーシューを履いたが、この後、広場の先まで履いたままだった 登山道入り口から広場: すぐ火山注意の看板がある。しばらく進むと、トレースが左右に分かれるが、焼岳は右へ曲がるトレースを進む。ここからはかなりの急登が続く。トレースがない場合は、赤リボンやGPSを頼りに進む。急登が終わって先に進むと、比較的緩やかな道になる。やがて平らな道になり開けた場所に出る。ここが広場で、南峰と北峰が前方に、霞沢岳が右に見える 広場から南峰と北峰のコル: 広場から少し進み、左側へ尾根を進む。この尾根は南峰への尾根に続く。尾根は途中で急登になり、斜面上部で突然雪質が変わり、アイゼンに換装した。急斜面を登り切ったあたりで、斜面をトラバースして谷に向かう。ちょっとビビるが、この時期の雪は柔らかく、滑落しても谷のどこかで止まるし怪我もしないだろうから、思い切って自分が進みやすいルートでトラバースすればよい。ここからはピッケルとアイゼン必須 トラバースを終えて谷に出たら、南峰と北峰のコルに向けてひたすらまっすぐ登る。北峰の方から出ている硫黄の噴煙が目印になる。結構な急登だが、雪が柔らかいときは、蹴りこみながら進めばよい。滑ってもすぐ止まるだろう ただし、南峰からの雪崩には念のため注意が必要。また、雪が締まって固いときは、間違っても滑落しないように。止まらない コルから北峰: 硫黄の噴煙と湯の花のような硫黄の岩壁を左に見ながら、岩山のすぐ下をトラバースする。岩の周辺は下が空洞で踏み抜くので要注意。ピッケルをしっかり刺して、足場を確保しながら慎重に進む。登ってきた谷の斜面を下に見ると足がすくむかもしれない 岩山を回り込むと左斜め上にすすむ。左手の斜面の直登ではない。左斜め上の岩を回り込むように上がっていく。ここも岩が多く、踏み抜くので注意。岩を回り込んで上がると、稜線に出てやっと槍穂が見える 北峰へはこの稜線から左手に進み、硫黄の噴き出しの横を上がって雪面を上がっていく。私のように雪面に慣れていない方はやめた方が良い。行きはいいかもしれないが下りは滑落の危険が大きい 北峰からコルへの戻り: 巻いて登った岩には、稜線から見ると「中の湯→」の文字が書かれている。基本的には来た道を下るのだが、踏み抜きに注意しながら慎重にクライムダウンする。その後はトラバースをもどる。行きのトレースがあるので比較的楽なはず コルから広場への戻り: 登ってきたトレースを下る。トラバースへ進むかそのまま谷へ進むかは、雪の状態や個人の好みによる。膝まで雪に埋まりながら、私は谷をそのまま下り、最後に広場への尾根に戻った 広場から中の湯温泉: 下りが長く感じる。登りのトレースがしっかりしていたので、アイゼンのまま下りた。 |
その他周辺情報 | 日帰り温泉: 中の湯温泉旅館。700円。12−17時。 0263-95-2407 http://www.nakanoyu-onsen.jp/spa/ 坂巻温泉。500円。11−16時。0263-95-2453 http://sakamaki.yumori.jp/kannai.htm コンビニ: 松本ICを下りて158号線にセブンやファミマ、ローソンがある。早めに調達が必要。 |
写真
感想
今年は北アに復帰すると誓い、ちょうど30年ぶりに北アを訪れた。最後に登ったのは29歳の時だった。あの頃は焼岳をどこかバカにしていたように思う。最南部に位置した北アのおまけのような山、そんな印象だっただろうか
今回、北アの復帰戦はその焼岳から。結局、本当の頂上には立てなかった。舐めていたしっぺ返しか。夏道のコースタイムなら3時間ちょっとのところが、5時間半かかっている。途中からトレースを付けながら登ったとはいえ、力のなさにがっくり
九州から遠征してきた若者は、朝の5時半に宿を出てヘッデンをつけて登り始めたとか。広場の先で追いついたが、ここまでトレースを付けてきた彼の努力に頭が下がる。コルへ向けた谷の登りは、ささやかな恩返しで私がトレースを付けながら登り、頂上直下のトラバースも先行した。最後の稜線へ出るところは彼に先を行ってもらった
稜線からは槍穂の神々しき姿を見ることができ、ここまで踏ん張った甲斐があった。二人で喜び合ったものの、そこから先の頂上へは二人とも断念。夏に来ますか・・
帰りに中の湯の旅館の車でゲートまで送ってもらった際に、前日ピックアップに来てくれた同じお兄さんが、「どのルートで登ったんですか?」と聞く。夏道で北峰を目指したが、頂上直下のあと少しのところで断念して下りたと話すと、冬道は広場からの尾根をそのまま南峰への尾根へ進み、南峰を登って下りるのが正解とのこと
「南峰は登ってはいけないのでは?」と聞くと、「一応そうなってますが、冬道はそちらなんです」という。思わず心の中で「お兄さん、それ早く言ってよ〜」とつぶやく。ピックアップの時に教えてくれたら、難なく南峰に登ってもっと早く下りてこられたのに・・
確かに何で南峰が入山禁止なのか不可解だ。北峰はいたる所から硫黄が噴出している。どう見てもこちらの方がヤバそうなのに。雪山の初級レベルに毛が生えた程度の私には、あの北峰の最後の登りをやって下りてくる自信がない
まぁ、いいか。あそこまで行って槍穂の稜線を眺められたし。これで復帰戦は良しとしよう。無事に行ってこられたことに感謝感謝
焼岳でのラッセル、お疲れ様でした。かなりの積雪のようですが、穂高や槍の絶景ですね。
BSの山番組で冬の焼岳登山をやっていたのを思い出しました。私も今年か来年か行ってみたいと思います。南峰を目指すべきとのこと、覚えておきます。
日本の名峰で谷川真理さんが登ってましたよね。昨シーズンはガスの中を南峰へ、今回は北峰で360度の大展望。あれを見て行きたくなって出かけました(笑)
帰ってから録画を見直したのですが、あの番組だけでは直下のトラバース後に、どこを登って行ったのか分かりません。今回手探りで探して登った道は正しいルートでした
録画を見ると、やはり辿り着いた稜線から左手にある硫黄の吹き出しの横を通って山頂へ登ってますね。下りでは雪がついていない岩場を谷川さんもクライムダウンしています。雪がしっかりついたあの斜面を無理して登らなくて正解だったと思います
クライムダウンの苦手な私は、滑落の恐怖に怯えながら下りることになったと思います。トレースがあれば恐怖心も和らいだと思いますが、私の技術では限界でした。西穂まで行かれているeurekapapaさんなら大丈夫だと思います
雪の状態や天候の具合で、南北どちらに行くか決めればよいと思いますので、ぜひ行ってみてください。中の湯温泉もなかなか良いですよ
Pinballさん、こんばんは
久しぶりの北アルプス、お疲れ様でした。
槍穂が見える北アルプスの1峰、焼岳を予想していましたが、乗鞍もでしたか。
冬季焼岳、いいですね。まさに北アルプスの展望台。
焼岳と中の湯、久しぶりに行きたくなりました。でも残雪期かな。
参考にさせていただきます
乗鞍の天気は残念でしたが、判断力はさすがです。
谷川真理さんは昨年縞枯山で撮影クルーと会いました。私は映っていませんでしたが(笑)
私は年末の谷川岳へリベンジしてきました
Jimnyさん、谷川岳でしたか
焼岳は初めてでしたが、なかなか良い山で、お気に入りに加えました
残雪期はコルへ向かう谷登りが緊張しそうです。五色沼の避難小屋からアクセスする奥白根の急登斜面に少し似ています。一昨年の三月末に奥白根に行ったときは、雪面が固くてアイゼンはよく効くものの、滑ったら真っ逆さまという恐怖に怯えました。多分同じように緊張すると思います。残雪期に行かれる時はぜひご注意を!
ピンさんこんにちは!
30年振りの北ア解禁に相応しいキラキラの焼岳ですね。眼福でした。
焼岳を北アの中でなんとなくバカにしてた・・・今の自分です。
そっか!雪ある時に行けばいいんじゃないか!と安易に思い至ってしまいました。雪量少ない今年にはうってつけかもしれません。
とは言え、やはり残雪期の5末あたりが狙いですかね。
こりゃあ楽しみが一つ増えました!ありがとうございます!
普段は中の湯の旅館も3階建ての真中である1階部分まで雪で埋まってしまうそうですが、今年は1階どころか地下1階も埋もれていません
雪の少ない今年は狙い目かも。ただ、この暖かさで雪が緩み、谷登りでは雪崩の危険が高そうです。私が登った時も、ピッケルを指すと40センチくらいで固い雪面にあたりました。これだけ暖かいとその上の柔らかい層は、どどっとずれ落ちるかもしれません
カッパさんは川流れは得意でしょうが、雪崩もうまく流れられるんでしょうか?
そんなわけないっすよね。行かれる際は尾根通しで南峰に向かった方が良さそうですよ
それにしても、北温泉から三本槍へ向かう尾根も、今年は雪が少なく見えますね
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