飯豊山 石転び沢〜北股岳南面〜門内沢


- GPS
- 33:35
- 距離
- 39.7km
- 登り
- 3,112m
- 下り
- 3,113m
コースタイム
- 山行
- 8:38
- 休憩
- 4:09
- 合計
- 12:47
- 山行
- 5:37
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 6:51
天候 | 5日:曇りのち晴れ 6日:高曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
ゲート近くの駐車スペースに駐車した。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●梅花皮荘ゲート前〜飯豊山荘 飯豊山荘へ続く町道は通行止め。 T字路先に冬季閉鎖のゲートが設置されており、梅花皮荘から飯豊山荘までは徒歩でアプローチとなる。 除雪は倉手山駐車場までしか済んでおらず。 駐車場から先はデブリ帯が続いており、自転車もまだ利用できない。 ●飯豊山荘〜石転び出合 今年は残雪が多く、町道の天狗橋から先は雪道。 早い段階でスキーが使えるので登りは楽できるが、大規模なデブリ帯が複数有るので滑走はあまり快適では無い。 下つぶて石の下流付近から雪渓に乗れるので、婆マクレ等の夏道の難所は回避できる。 雪渓は安定しており石転び出合まで目立った難所は無いが、雪渓に乗った直後のスノーブリッジ通過と、上つぶて石手前のトラバースが危険箇所。 この辺は融雪が進むにつれて悪化してゆき、来週には通れなくなっているかもしれないので、その場合は夏道を利用。 ●石転び沢 雪渓にクラックや縦溝はあまり目立たず、斜面状態良好。 デブリや落石はまだ少ないが、ほん石転び出合から上は谷の半分以上がデブリで埋まっており幅が狭い。 北股岳の雪庇は多数残っており、今後、石転び沢側に落ちてくるので雪塊・落石等、上部からの落下物に注意。 下の雪は柔いザラメだが、上部は固め。 H1550m以降が雪渓の最大傾斜部で雪も固くなり、今の時期は草付きが出ていないので上まで登ってしまうと安全に装備変更できる場所が無い。 スキーで登るのは厳しいと感じたら早めにアイゼンに履き替えた方が良い。 ●門内沢(滑走) 石転び沢と同様に、斜面状態良好。 但し、門内岳山頂下に長いクラックが出来ているので、最初は迂回する必要がある。 ここは毎年クラックが出来る箇所だが、今年のクラックは特に長い。 今後、さらに拡大してゆくと思われ、このクラックは上からは見えないので勢いよくドロップすると落ちる。 最初は慎重に滑り出した方が良い。 最初のクラック処理が面倒だが、石転び沢に比べるとデブリは少なく滑りやすい。 滑走するなら門内沢の方が楽しめそうな印象を受けた。 ●北股岳南面〜洗濯平〜清十郎沢 北股岳直下が急斜面。 場所によっては45°位あるが、すぐに傾斜は緩むのでそれほど怖さは無い。 今はまだ安定してるが、融雪が進むと最大傾斜部にはグライドクラックが出来る。 年によってはクラックを起点に全層雪崩が起きて雪が全部無くなっている事もあるので、斜面状態は確認してから滑走した方が良い。 西側から回り込んで洗濯平へ滑り抜ける事も出来るので、南面状態が悪い場合はこちらルートが推奨。 洗濯平を過ぎて清十郎沢へ向かうと、複数のクラックあり。 左岸側が安定しているので、そちらを滑走すると良い。 今回はH1400m付近までの滑走だが、その後も雪は続いており飯豊川まで滑れそうに見えた。 滑走後は梅花皮小屋へ登り返すことになるが、洗濯平から下は急斜面なので、そこを落としてしまうと小屋まで戻るのは容易ではない。 南面なので比較的遅い時間まで日差しは入るが、どこまで滑るかは残り時間、体力と相談の上で。 ●主稜線(梅花皮小屋〜北股岳〜門内小屋) 北股岳の西側には豊富に雪が残る。 傾斜も急なので、朝夕の雪が硬い時間はアイゼン要。 北股岳から門内方面は夏道が見えているが、夏道東側に雪が堆積しており、スキーならこちらを進むと効率が良い。 但し、所々でクラックが出来ているので、踏み抜かぬよう注意。 ●山小屋状況 梅花皮小屋:水場は夏と同様に治二清水が豊富に出ている。小屋内の冬季用トイレが利用可。 門内小屋:水場はまだ雪の中で某小沢も出ておらず、水は雪を溶かして調達。 小屋外のバイオトイレは男女用共に開放されており利用可。 どちらの小屋も今は無人(週末は管理人が入るかも?) 宿泊料金は各2500円、各小屋の料金箱に納める。 |
写真
感想
初日の朝は雨。
小国町へ向かう途中では時折、激しく雨が降り、今日の行程が危ぶまれた。
しかし、幸い出発時には雨は止み、曇り空ではあるがまずまずの空模様。
梅花皮荘のゲート前の駐車スペースから出発し、飯豊山荘へと向かう。
ゲート先の道路は除雪されていたので自転車で向かったが、倉手山の駐車場の先からはデブリ帯。
自転車は殆ど活用されることなく、駐車場にデポして徒歩で飯豊山荘へ向かう事になった。
今年は例年以上に雪が多く、町道はデブリだらけ。
一体、いくつデブリ帯があることやら。
記録の為に一つ一つ数えながら越えてゆくが、5つを越えたところで面倒くさくなって止めてしまった。
町道はデブリ帯とアスファルト道が交互に出てくるが、飯豊山荘の手前、天狗橋から先は全面雪道。
ここから先はスキーが使えるので、歩みはかなり楽になった。
砂防堰堤の階段で一時、板を担ぐことになるが、その後も雪は続いており夏道は大部分が埋まっている。
早い段階で雪渓に乗る事が出来、婆マクレ等のスキーヤーにとっては天敵と言えるようなヘツリ道はパスする事が可能。
例年であれば苦労させられる石転び出合までのルートだが、今回は豊富な残雪の御蔭でスムーズに通過することが出来た。
石転び沢を登る途中ですれ違った人は、登山者3名、スキーヤー8名ほど。
昨日は風雨の悪天候だったはずだが、ゴールデンウィークの最中とあってか、意外に人は多い。
殆どの方が梅花皮小屋泊りだったようで、皆一様に大きなザックを背負っていた。
雨は止んだとは言え天気は悪く、稜線上は雲で覆われており強風の音が響いている。
標高1500m位まではまだ良かったが、そこから上の石転び沢最大傾斜部はガリガリで、滑り降りてくるスキーヤー達は苦労しているようであった。
先行者は3名ほど居たが、皆日帰り。
早い段階で下山してゆき、最大傾斜部を登る頃には石転び沢に残っているのは私一人だけであった。
石転び沢を登り切り、13時に梅花皮小屋に到着。
小屋には誰も居らず、GWは管理人が入るかと思っていたが、今日は不在の様子。
重い荷物を降ろして一息ついて、さて、これからどうするか。
時刻はまだ早いので洗濯平方面へ滑りに行きたいところだが、天気は相変わらず悪い。
予報ではこれから良くなるはずなのだが、稜線上の視界は白く、まだ強風は続いている。
しばらくは小屋から動けそうに無いので、その間、小屋前に溜まった雪を除雪したりしながら時間を潰す。
その間、小屋を訪れる人は誰もおらず孤独な作業が続いたが、15時半を過ぎると徐々に雲が薄くなってゆき、やがて快晴の空が広がった。
風もすっかり弱くなったので、遅い時間ながらも行動開始、北股岳へと登る。
西の空が少し赤く染まる中での北股岳に登頂、そして滑走スタート。
南面を落とし、洗濯平へと滑り出した。
北股岳南面はウィンドクラストでガリガリだったが、洗濯平まで滑り降りるとザラメに変わり快走。
あまりに雪質が良かったので滑り過ぎてしまい、少し滑るつもりが600mも高度を落としてしまった。
登り返しが大変なので、ここは程々に滑るべきなのだが、滑ってしまったものは仕方ない。
目の前に広がる大斜面にはウンザリさせられるが、渋々登り返す。
夕闇迫る中でので登り返しは中々大変だったが、夕日に照らされる南面や大日岳の光景はとても良い。
何度も足を止め、その夕景を眺めながら梅花皮小屋へと帰った。
18時過ぎに小屋に帰ってくると、出発した時と同じく小屋は無人。
今夜も1人か・・・、と思っていたが、それからしばらくして石転び沢から上がってくる登山者一名。
結果、この日は私を含めて2名が梅花皮小屋泊り。
翌日の天候が優れないとあってか、ゴールデンウィークにも関わらず人が少ない梅花皮小屋であった。
翌日の朝は曇り。
日の出時刻に起きたが、何も見えないので二度寝して7時過ぎに再起床。
予報では午後から雨模様なので当初予定では石転び沢を滑って下山するだけだったが、朝の天気は高曇りで稜線上は視界あり。
風は弱く、思っていたよりも天候は悪くない。
せっかく飯豊稜線に居るのに下山するだけでは勿体ない。
門内岳まで稜線を歩いて門内沢から下山しようと考え、梅花皮小屋を出発。
北股岳までは雪道が続きシートラアイゼンで登るが、その先の門内方面には夏道が見えていた。
この夏道を歩いて門内まで行っても良いが、稜線の東側には豊富に雪稜が残っている。
この雪稜でスキーが使えたので、門内までの稜線歩きは楽なものであった。
しかし、気になるのは稜線上の白い雪。
どうやら、夜間に雪が降ったらしく、稜線上には所々で茶色い雪に混じって白い雪が広がっている。
軽く滑ってみると滑りが悪く、これは間違いなくストップスノー。
この雪では、下山滑走ルートの門内沢が心配である。
とは言え、雪が悪くとも下山するには滑走するしかない。
そこは仕方ないと諦めて、門内岳に到着後はワックスをたんまり塗ってから門内沢へとドロップした。
門内岳直下には毎年クラックが出来るので、最初はゆっくり慎重に。
案の定、いつもの場所にクラックが出来ており、いつもはスキーヤーズレフトから迂回しているのだが、今年は左側が完全にクラックで塞がっている。
左側は抜けられそうにないので、右側を大きく回り込んでクラックを迂回した。
クラックを処理してようやく滑走本番だが、やはり最初はストップスノー。
ワックスの御蔭でそれほど掴む力は強くないが、なかなか足に堪える雪質だった。
しかし、雪が降ったのは稜線付近だけだったようで、少し落とすとストップスノーは無くなり、下は快走。
背負っている荷物が重いので昨日の北股岳南面のように上手くは滑れないが、大回りでノンビリと、ザラメの感触を楽しみながら下へと落とす。
石転び沢出合付近になるとスプーンカットで面は荒れてくるが、まだ窪みは浅く気にならない。
総じて快適な斜面の門内沢であった。
石転び出合まで滑り降りたが、なかなか良い斜面状況だったので、もう1本。
今度は石転び沢を滑ろうと思い登り返すが、本石転び出合まで登り返すと小雨が降りだしたので、2本目はそこまで。
登り返しは本石転び出合までにしておき、あとは下山滑走とした。
石転び出合から下はクラックは少ないものの、デブリ帯が多数あって滑走は面倒。
小石も点在しており、何度か板の下でガリッという音が聞こえたような気がするが・・・
とりあえず何も聞こえなかった事にして、飯豊山荘まで下山。
最後、町道を歩いて下山する際に少しだけ雨に降られたが大きく濡れるまでには至らず。
心穏やかにゲートまで下山した。
鳥海山に始まり、飯豊、飯豊、と続いた今年のゴールデンウィークも、これが最終日。
連休期間はあまり天気に恵まれなかったが、雪質に関しては連日良好。
振り返ってみれば、例年稀に見るような豊作のゴールデンウィークであった。
◆北股岳南面・洗濯平滑走(北股岳〜H1400m)
2025年5月5日16:27撮影
◆門内沢滑走(門内岳〜石転び出合)
2025年5月6日10:30撮影
GWに真っ白な飯豊を麓から眺めてましたが、アニキ達は滑ってるんだろうなぁと想像して見てました。
長年温めてる大計画もあると思うので、天気に恵まれるといいっすね。
これからの記録も楽しみにしておりますぞ😁
毎年5月は飯豊月間になってるねぇ
しばらく飯豊通いが続きそうです。
今年は例年以上に雪が多いので、長く滑れそうで楽しみです!
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