山形神室・高沢よりピストン
- GPS
- 06:28
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 949m
- 下り
- 952m
コースタイム
- 山行
- 6:03
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 6:30
天候 | 高曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■標高850〜950の100mは急斜面が続く。 ■雪の状態で要注意箇所。 |
写真
感想
山形に転居して2年半になるが、初めて山形神室に登ってから、積雪期にこのピークを踏んでみたいと思っていた。オーソドックスなルートは笹谷からピストンということになるが、何か違うルートはないものかと地形図を広げてみた。すると山頂から北へ辿るとP1272があり、そのさらに北側にP1240のなだらかなピークを確認できる。この無名ピークから西へ広い尾根を辿り、歩けそうな枝尾根を拾って行くと高沢林道に出ることができそうだ。昨年晩秋、小雪がちらつくとある日曜日にこの林道は下見をしておいた。あとは林道のどの地点から尾根に取りつくか・・・ネットで調べてみると高沢集落から山形神室の山行記録は少ないながらヒットする。どうやら山スキーのルートとして紹介されているらしい。とは言ってもほとんど人は入らないだろうし、トレースは期待できない。深いラッセルでは山頂まで届かないだろう。ある程度雪が落ち着くこの時期に実行に移すことにした。
この日は高曇り。日中の気温はこの時期としては異常に高くなる予報だ。高沢集落の除雪の最終地点に車を停め、アイゼン、ピッケル、スノーシューをザックに着けて出発した。ワカンにするかスノーシューにするか悩んだが、結局スノーシューを持った。歩きだすとすぐに比較的新しいスノーシューのトレースを確認。朝のうちは雪が固く締まり歩き易かった。高沢林道を辿り、中沢林道を左に分け橋を渡ってさらに奥へ進む。やがて尾根地形を回り林道が左へ大きくカーブする地点を通過。スノーシューのトレースは林道をさらに先へと向かっていたが、入れそうな場所から斜面に取り付いた。
ちょっと登るとすぐに作業用道路に出合い、しばしこの路を辿る。だんだん雪が深くなりスノーシューを装着。適当なところで目的の尾根へと歩を進め、左手に谷地形を確認して登っていく。標高850m辺りから急登となりピッケルを持った。900mで一旦緩むがさらに950mまで急な登りが続く。斜度が緩むと後は急な斜面はない。シラビソかコメツガか針葉樹林の林間を行く。気温の上昇とともに融けた雪が雨となって降り注ぐ。この密林帯を抜けると、明るいブナの林に飛び出した。右手には木々の陰から山形神室の姿も確認できるようになった。1240mの無名ピークに向かい黙々と登る。このピークは巻きつつ進路を南へ取り、県境のP1272を目指す。ピークに上がると予想だにしない雲海が待っていた。宮城側に滑らかな白いベールの様な雲海が広がり、P1239の向こうに大東岳・小東岳・南面白山・北面白山がその頂を見せている。さらに後方には雲の上に舟形山塊が浮かぶ。快晴ではないけどこれはこれで素晴らしい。来て良かった〜。さあここまで来れば山形神室まではあと一登り。県境の稜線を進むと仙台神室との分岐に立つ標柱が見えた。標柱から西へ進路を変え、この日のものと思われるトレースを辿るとついに山形神室の山頂に着いた。歩き始めて3時間50分だった。
山頂からは蔵王方面の眺望が良い。手前からトンガリ山〜ハマグリ山〜笹谷峠は雲の中か・・・カケスガ峰〜前山〜雁戸山〜熊野へと続く稜線。。。ここで・・・ん!神室とトンガリ山の鞍部に単独行発見!笹谷方面に向かっている。神室をピストンしたのかな・・・この日目撃した唯一の登山者だ。山頂でお昼にして、ちょっと休憩。月山と葉山が霞んでいる。大朝日もかろうじて確認できる。ふと気付くと雲海が県境の稜線に迫ってきている気がして、ガスに包まれては大変と撤収することに。(でも迫ってきたと思ったのはやっぱり気のせいで、よ〜く見ると無風のこの日雲は微動だにしていなかった)
下山は早い。自分のトレースを追いつつ下って行く。950mからの急斜面はスノーシューを外しアイゼンを装着、ピッケルを持った。アイゼン無しでも下れそうだったが、単独行は安全第一ということで。高い気温に雪が腐り足元が崩れるので、ピッケルの効きを確認しつつ1歩づつヒールで下る。20mほど下ってカメラがないことに気付いた。アイゼンを装着した際に木の枝にぶら下げてそのままにしてしまったようだ。慌てて上り返しカメラを回収。すぐに気づいたので事なきを得たが、急斜面を全部下ってからだったら大変だった。傾斜が緩んでからアイゼン・ピッケルはザックしまってドンドン下る。ツボ足の下りでもさほど沈まないし、結果的にはスノーシューではなくワカンで良かったかな・・・と思いつつ林道に下り立った。
今回一年越しの計画を実行できたが、木々がもっと白を纏った世界を歩いてみたいものだ。となるとやはり次は厳冬期に行ける所までトライか。(TONO)
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