木曽駒ヶ岳より聖職の碑を目指して


- GPS
- 06:10
- 距離
- 8.7km
- 登り
- 715m
- 下り
- 724m
コースタイム
- 山行
- 5:23
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 6:09
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
夏遠征二座目。
念願だった「聖職の碑」遭難碑がある場所まで歩いてきました。
聖職の碑とは、大正2年に起こった学校登山での遭難事件をモチーフにした新田次郎の山岳小説で、映画化もされた作品のタイトルです。
将棊頭山直下の遭難現場には「遭難記念碑」が設置され、「記念」の言葉の中に事故のことを忘れないように念ずるという思いが込められています。
新田次郎の小説は山岳ものも、それ以外も沢山読んでいますが、随分前に読んだ「聖職の碑」は登山に傾倒するにつれ鮮烈な記憶としてずっと残っていました。それだけに、いつしかこの遭難記念碑を訪れてみたいと思う気持ちはやみませんでした。
今回、ようやくそのチャンスに恵まれ、念願の場所へ、晴天の木曽駒ケ岳が見守るその場所へ行くことが叶いました。
長年の思いを果たし、ここ数年にない充実した思いで下山の途につくことが出来たのは言うまでもありません。
加えて、初めてのアルプスデビュー。しかも中央アルプス最高峰の日本百名山じゃないですか。
〇〇名山にはあまり関心が無い自分ですが、アルプス自体はやはり気になっていました。
ロープウェイなどを使って、お金をかければ簡単に山頂に立つことの出来る山の代名詞のような木曽駒ケ岳。
確かにこんなに簡単に登れちゃうの?と肩透かしでしたが、ダイナミックな眺望、山自体の素晴らしさは一流だなと感動しました。
駒ケ岳までは沢山の登山者が溢れていて、山頂も憩う人が沢山。
ところが、馬の背尾根に一歩踏み出すと途端に誰も居なくなり、花崗岩の織りなす稜線がどこまでも続き鳥肌ものです。
実際にはこちら側を歩く人が少ないわけではないのですが、山頂までの登山者比ということで、普通の山域なら珍しくない登山者密度でしょう。
駒ケ岳山頂で引き返してしまうと、この山の素晴らしさの半分しか味わえていないと思うのは自分だけでしょうか。
一流の山を堪能し、念願の場所を訪れることの出来た素晴らしい一日でした。
最後にバスとロープウェイについて少し書きます。
興味の無い方は読み飛ばしてください。
千畳敷駅に至る為には一般車進入不可区間をバスで進み、そこからロープウェイに乗車します。
休日はバスに乗るのに大混雑で二時間待ちもザラだそうです。
今回は平日だからとタカをくくっていましたが、蓋を開ければ菅の台バスセンターに朝5:30着でバスに乗れたのは7:45でした。
7時のバスセンター発臨時便には乗れず、次の駒ヶ根駅始発の臨時便は空席数人。更に次便の駒ヶ根駅発の定時便にようやく乗る事ができました。
いつもなら定時運行以外に臨時便をどんどん出して客を運ぶ体制のようなのですが、不運な事にこの日は中学校の集団登山のようで、観光バスで6~7台もやってきては目の前にずらり並んだ待機中の空バスに乗り継いで先発していきました。
それを目の当たりにして並んでいた登山者の中に不穏な空気が。
自分も少なからず思いましたよ。
「上客優先で一見さんは後廻しかよ」って。
場内整理員に詰め寄る人もちらほら。
ついにバス会社の若い社員が出てきて釈明を始めました。
「事前に解っていてネットなどで告知できてなくて申し訳ありませんが、学生団体予約が入っておりまして臨時便を出す車体が全て出払っています。上から戻り次第出す予定です。次の駒ヶ根駅始発便も乗れるかどうかわかりません。申し訳ありませんが今しばらくお待ちください」
まぁ事情は分かるけど、具体的な時間などの見通しは言って欲しいよね。
あと、「俺も困ってるんだよ」的な釈明っぽさがあって誠意に欠けるものは間違えなくあったよね。
伝え方にもう少し丁寧さがあっても良いと感じました。
早い人は暗いうちから並んでるんだもの。
ロープウェイの最終時間があるから、何時に登山開始できるかはルート内容に関わってくるから気が気じゃないです。
その時、怒りの沸点が低いカスハラオヤジが一言。
「あそこに一台止まってるのを回せよ。既に5台以上行ってるんだから早く降ろせよ」
大人げない発言とは思いながら、延々と並ぶ人たち、中には飽きて騒いでいる子連れなど、心のなかでは皆どこか同調するものがあったのではと。
そのあともカスハラオヤジと社員の間でゴタゴタしてましたが、そうこうしているうちに次のバスがやってきて幸いにして乗車出来ました。
バスセンターからロープウェイ乗り場までの区間はバスでのすれ違いは不可能な急峻林道を30分走ります。途中ですれ違う為には退避エリアで止まるしかないので、やたらと台数を入れられないということが解りました。自分が乗ったバスの後にも団体さんのバスが二台続けて来ましたが、要は一気に上に上がっていけば途中のすれ違いが低減されて効率的なのでしょう。段取りが必要なんですね。
バスからすれば教習所のクランクのような急カーブが連続するこの区間。満員で安全運行するのは正直大変だなと感じました。冬場の積雪期なんかはさぞや苦労が多いことでしょう。
一度はカスハラオヤジの言葉に同調しかけた自分ですが、この厳しい状況を見るにバス会社の苦労を窺えた気がしました。
ロープウェイ乗り場で降車すると今度は、「写真撮影などはお控えいただき直ちに乗り場へお進みください」と案内されます。通勤ラッシュ並みだねこりゃ。ところが、丁度自分の前で出発便は満員😣
9分間隔の最短運転になっていたお陰で、ほどなく次便に乗る事ができました。7分30秒の所要時間だから降車乗車に1分30秒しかないのも安全運行上大変なんじゃないでしょうか。
「大変混雑しております。ザックは足元に置いていただき定員60名すべての方にお乗りいただいております」。乗務員嬢の緊迫した声が響く中ようやく出発。
乗り合わせた沢山の女子中学生達は、出発時に揺れれば、景色が拡がれば、キャーキャーと大騒ぎ。
おじさん、ちょっと肩身が狭かったよ😅
降車時「本日混雑の為、下りロープウェイで一時間待ちの可能性もございます。ご予定のある方は早めの行動をお願いいたします」みたいなアナウンス。
そんな事言われると焦るじゃないですか。自分も無事周回を終えて千畳敷に着きましたが、急がなくっちゃという思いで下り便に駆け込みで乗ってしまったので、千畳敷をゆっくり見なかったのが心残りでした。いやはや、山も素晴らしかったですが、それに見合ったアクセスコストはお金だけじゃないんだなという事を骨身をもって知る事の出来た山行でもありました。
無事駐車場まで戻り、クーラーの効いたバスを降りるとそこは灼熱地獄の下界。
日差しは強かったけど、風吹くそばから汗が乾いて涼しかったあの稜線がもう懐かしい。
次がいつかはわかりませんが、その時は乗り物騒動に翻弄されないような心積もりで訪れたいと思います。
諏訪まで戻り、日帰り温泉で汗を流して今晩は外食。
夜道をひた走り霧ヶ峰の駐車場へ。
携帯電波もバッチリ、涼しい場所で遠征最終夜をゆっくりと過ごすことが出来ました。
最後まで長々とお読みいただきありがとうございました。
本日の天狗岳へのコメントありがとうございます。
私も昨日は木曽駒ヶ岳が候補の一つだったんですが、同僚が天狗岳を選び山行して来ました。
やはり、噂に違わない千畳敷迄の交通戦争ですね。まだ行った事が無いので、頭が痛いです。感想の方は凄く参考になりました。いつか行きたいと思います。平日MUSTですね。
メジャーな山はアプローチが核心部かもしれませんね😅
人気がある故の結果。
さっと登山口に車で付けて、サクサク歩いてさっさと帰宅、なんて登山に慣れていると敷居が高いものですが、山はまごうことのない本物でした。
是非、平日にお越しください。
木曽駒ヶ岳 お疲れ様でした〜♫
長年の懸案の山
思いがあった山だったのですね
その小説は、読んだことはありませんが、もし読んだ小説の中に
山関連で心に響く事例があれば
私も、行ってみたいと思うようになると予測します😊
それはそうと
バスの話からお聞きしたら
やはり、人気の山は大変なんだな〜
と、、、、
移動だけで、疲れてしまいますね(^o^;)
でも、木曽駒ヶ岳
いつか行ってみたいです😍
バスの件は充分に承知していた筈なのですが、いざ体験するとすげぇなぁ・・・
というのが正直な感想です。
山行全体で一番の難所であるバスをクリアすればあとは素晴らしい風景が拡がる木曽駒ヶ岳。
お勧めですよ😉
連日の遠征お疲れ様です。
毎日猛暑が続く中、体力の継続が凄いですね😃
先日の八ヶ岳最高峰「赤岳」に引き続き、
念願の「聖職の碑」と中央アルプス最高峰「木曽駒ケ岳」登頂おめでとうございます🙇
偉業の連続で、充実されてますね😃
凄いです😱😭 我々中高年の鏡でございます✨✨
中央アルプスの景色最高ですね✨✨
素晴らしい景色は人気があるので人が集まり苦労が絶えないようです。
先日僕は北アルプスの沢渡バスターミナル〜上高地バスターミナルで、バス乗車待ちの渋滞を経験しました。
行きが、乗車1時間待ちでしたが、そのさいバスの車内アナウンスで、帰りのバスは待ち時間が長くなる恐れがあるので、必ず午前中に乗車する事をお勧めします。という案内でした。
なので、帰りは、お昼ご飯を食べずに急いで、ぎりぎり午前中にバスターミナルに並べたのですが、待ち時間1時間でした。午後になってしまうと、やはり2〜3時間待ちもあるそうです。
人気のある場所は、仕方がないのかなとも思いました。
いやいや、パワフルなもんぶらんさんに比べれば自分など体力全然ないですよ。
今回も中一日の駒ケ岳はRWで楽してます。
この標高差で帰りの登り返しが辛く感じるくらいなので、とてもとても・・・といった感じです。
有名な山はどこもそれなりに苦労するようですね。
登るだけじゃないコストも登山のうちということを今回痛感しました。
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