和名倉山を秩父湖から目指すも序盤でリタイア(涙)


- GPS
- 06:57
- 距離
- 14.3km
- 登り
- 1,891m
- 下り
- 1,894m
コースタイム
09:10 西武秩父駅<西武乗合バス・中津川行き>
10:10 秩父湖バス停着(予定より10分遅れ)
10:25 バス停を出発し登山開始
10:43 埼玉大学山寮〜吊橋
11:59 登尾沢ノ頭の標識
12:13 1,350m水平道の途中、赤テープを右手山側に急登(ここからルート間違い)
12:33 新・電波反射板の展望台〜藪漕ぎ〜道迷い(動揺しまくる)
15:15 激しい藪漕ぎ下りの後、赤テープを発見
→方角は東。沢に下っている様子だったので、途中で引き返し赤テープを辿って登ると、、、
15:32 新・電波反射板に到着。既に心が折れていて、秩父湖への撤退下山確定。その前に遅ランチ(おにぎり)
15:50 ランチを終え下山開始(往路をそのまま戻る)
16:15 携帯(docomo)の電波がビンビンに入るので、西武鉄道秩父営業所に電話して、秩父湖発最終バスの時刻を尋ねる=17:05発
16:30頃 ヘッドランプ点灯
16:55 山道を下り終え、吊橋に(残り10分)→超ダッシュ
17:04 秩父湖バス停着(しかしバスが見当たらない!)
17:06 焦って西武鉄道に再度電話している間に、、、
17:07 最終バスが2分遅れで到着
18:05 西武秩父駅
18:25 西武特急ちちぶ42号で秩父を発つ
天候 | うす曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
■下山後も同じ |
コース状況/ 危険箇所等 |
・人があまり入っていないため落葉が大量に登山道を埋めていて、かつ湿り気がなく乾いているので、歩いていて滑りやすいと思った(グリップがきかない)。 ・その他詳細は感想にて・・・ |
写真
感想
きっかけは1冊の本でした。
古本で買った『ドキュメント道迷い遭難』を読んだら結構面白くて。最終章でとりあげられていたのが、和名倉山での遭難(自力下山もヘリ出動)でした。それまで意識したことがない山だったんですが、頭に残ってしまって、登らねば、と。
そこで事前の情報収集にかなり時間をかけて、またリスクヘッジで発煙筒を買ったり、読図の本を買って勉強したり、1/25,000地形図を買ったり、、、と1週間くらい準備しました。
自分の経験の浅さから、道に迷う確率は50%くらいだろうと考えて、いざとなったらビパークを、と思って出発しました。
この日の天候は薄曇り。雨予報はなかったし、終始同じような空模様でした。
とりあえず秩父湖バス停で降りたのは私1人でした。
バスが予定より10分ほど遅く到着したが、気にせずトイレで用を足し、二瀬ダムへ向かって歩を進めた。
埼玉大学山寮を通過する際、窓から1人こちらを眺めていました。ちょっと不気味だなぁ、それともまた1人遭難しに行くのか、って思って見てるのかなー、なんて思いながら。
今回、国土地理院の1/25,000地形図と、通称エアリア(昭文社「山と高原地図」)を持参しましたが、秩父湖から和名倉山山頂までのルート(1/25,000は破線)が双方で異なっていました。微妙にズレてる、というレベルではないので、更新頻度が多いエアリアのルートを参考にし(ネットでもこちらのルートが主流だったし)、事前に1/25,000図の方にそのルートをエンピツで書き入れておきました。読図の本には「書き込みしてはいけない」とありましたが(汗)。
以下、ルート間違いについての解説は、下山してからネットで見つけた「すうじいさん」作成の二瀬尾根概念図↓を参考にしたいと思います。
http://www.geocities.jp/mtphoto2/mr582map.html
さて、吊橋を渡って左折して、本当は100mくらい行くようでしたが、すぐのところで右手に直登してしまいました。一応、結果オーライでしたが。
その後は割りと急な地味な登りが続くも、赤テープもあるし、上の方が明るいので、尾根までそれほど遠くないな、という感じでした。
尾根に出てから、コンパスと地図をなるべく確認しながら歩を進めます。落葉が乾いた枯葉で結構足を滑らせやすいな、と感じました。
迷いやすい、という情報が強力にインプットされていたので、この辺りは楽だなぁ、と思いながらスタスタ歩きました。
初めての目印らしい箇所として「登尾沢ノ頭の標識」。
記録として写真を撮るだけで素通りし、傾斜のない「1,350m水平道」を歩き続けます。時折、極端に狭くなり足を踏み外すと左手の谷側に落ちそうになりますが、まぁ、大丈夫でしょう。この辺りも前述した「落葉が多すぎる」点が少し危なく感じました。
そして水平道を難なく進んでいると、写真にあるように赤と白のテープでぐるぐる巻きにした目印が視界に。そして視線を右手山側にやると、赤テープが点在しているので、ここは赤テープに従って登っていくところなんだな、と判断。この時、地図とコンパスを確認しなかったのがルート間違いの起点になってしまいました。
ちなみに水平道はその先を数十メートル直進すると右手に折れるようでした。ちょうどその道の真ん中に倒木が横たわっていたこともあり「先は行けないのかな」もしくは「右手に登っていくとショートカットなのかな」とか勝手に思って。
両手両足を使って急斜面を登るのですが、いくら何でもこんな道がないところがルートか?と思いつつも「いや、和名倉山だからあり得る」と打ち消して、張ってあったザイルをつたって登っていくと、少し開けたところに電波反射板が。そういえば電波反射板というワードは事前の情報収集でもよく目にしたし、エアリアにも「電波反射板あり」という文字もあったし、この時点でも何の疑問も感じませんでした。数日後にネットを見ながらハッと気付いたのは「でも電波反射板をコースタイムに書いている人がいないよな」「電波反射板の写真を見ていないような・・・」。
自分では完全にルート通り来ていると思い込んでいるところで、この展望台の西側にうっそうとした藪エリアへの入口があったので進んでみると、これが噂のスズタケ藪漕ぎか、と気持ちを引き締めました。ただこの時点で「あれ、でもまだ藪漕ぎには早くないか?造林小屋跡をまだ見てないし」とやっと不自然な点に気付き始めたものの、ここで「さっきの直登はやっぱりショートカットで、造林小屋跡をすっとばしたんだ」と結論付けてしまいました(汗)。
さて、その間違ったところでのスズタケ藪漕ぎ、初体験なので比べようがないのですが、なかなかしんどかったです。踏み跡は、最初の数分は確かに明確だったのですが、そのうち中途半端になって、誰かが通ったことがあるであろう程度のものが縦横無尽にあり、ワケがわからなくなります。両手を使って必死に漕いでいることもあって、この時コンパスと地図のことは頭からすっかりとんでいました。確認しとけばね・・・。
結局、西へ、西へ進んでいったら、思ったより早くスズタケから脱出でき、少し開けたところに出ました。見た感じ、山道の正規ルートにありがちな雰囲気ではあるものの、赤テープが1つもなく(ちなみにスズタケエリアにもなかった)、この時点で「道間違えたな」と確信しました。
確信したなら、来た道を戻って反射板に行くべきだったのですが、赤テープがないことを除けば、違和感がなかったので、少し考えます。
左手(東側)を南進するも踏み跡はまったくないので違うだろう、と。また東側に下りようものなら沢に行ってしまうので、これはご法度、と。今度は右手(西側)に行くと、テント跡っぽいものがあり、また尾根に行けてるし、踏み跡もあったので、いまだ赤テープはないものの進んでみました。この辺ではわりとコンパスと地図はずっと見ながらだったのですが、現在地を勘違いしていますね(苦笑)。
再度「すうじいさん」作成の二瀬尾根概念図↓ですが、
http://www.geocities.jp/mtphoto2/mr582map.html
赤い点線部分が、私がザイルをつたって直登し電波反射板にたどり着いたところです。その後、やや西に行って尾根に出たので、恐らく二瀬尾根に出たのだと思っています。
その尾根ですが、明確な踏み跡を直進。ところがある地点までいくと、下らなければいけない格好に。自信はないのですが、ここが1,639mピークだったのかな、と。この地点から先が、なぜか急に踏み跡が曖昧、わかりにくくなっていたことと、赤テープもない状態で下りるのが嫌で、引き返すことにしました。引き返す前に、、、途中、尾根左手のスズタケの藪に、踏み跡というか刈り取られたくらいはっきりしたルートがあって、あまりにもはっきりしていたので打診で下りてみたのですが、やはり途中でビビッて戻りました(苦笑)。この時、藪がうっとおしいのでその辺の枝をへし折ってかき分けるのに使っていたのですが、尾根に戻ってふとその枝を見ると、うっすらとですが赤いペイント跡のようなものが。え?まさか、、、。さすがにそれにこだわることはしませんでした。
来た道を戻るのですが、何も印をつけてこなかったので、少し頭が痛いな、と。尾根は問題なかったのですが。まず最初の藪漕ぎを終えて出た開けたところは、特徴ある折れた倒木が目印になるので、そこを目指すのですが、まったく戻れず。時間でみると大したことないのですが、この時間帯が精神的に相当しんどかったです。
難儀しながらも、目印の倒木のあるところにやっとたどり着いて、第一段階終了。あとはスズタケの藪漕ぎで戻るだけだ、、、のはずだったのですが、元々踏み跡が殆どない藪漕ぎ。記憶を呼び戻して慎重に行ったつもりでしたが、エンドレス状態に陥り、またしても迷ってしまったことを確信。この時感じたのは、とにかく下っていくのが怖い。まぁ、迷ったら下るな、というセオリーなので。下りかけては戻り、下りかけては戻りを繰り返していたら、藪から出ることはできたけど、来た道じゃないエリアで、赤テープを発見(写真参照)。来た道とは違うのに、羨望していた赤テープ(笑)を見て、まるで救いの神のように思ってしまい、危うくそれを辿って下ってしまうか、というところで思いとどまりまして。打診で、延々続く赤テープを辿っていくとどんどん下りていくではありませんか。方角は真東。
これは冒頭で触れた『ドキュメント道迷い遭難』でも書かれていた「沢登りする人たちが登山道へのルート目印用につけている赤テープ」であることがほぼ間違いない、と判断。冷静になってその赤テープを逆に登っていきました。最初に赤テープを見つけた地点より更に登っていくと、急に視界が開けて、、、
感動の電波反射板に到着(感涙)
思わず半泣きしてしまいましたw
ちなみに電波反射板展望台の南側から出て行くと、この赤テープがあって、これをたどってしまうと沢に下りてしまうようです。
さて、空腹も忘れるくらい動揺しながらのエスケープもやっと終わったので、とりあえず腹ごしらえと思ってだいぶ遅いランチ(おにぎり)。もう随分前に心が萎えて(苦笑)秩父湖に下山することは決めていたので迷わず下山ですよ。
秩父湖からの最終バスは15時台だと思い込んでいたので、タクシーかよ、高くついちゃったなーと思いつつ、暫くして「一応、最終バスの時刻を確認しよう」とバス会社に電話して尋ねると、17:05秩父湖発が最終だという。その時点で残り50分。そんなに急がなくても間に合うだろう、と思ってしばらく下っていたのですが、秋の日はつるべ落とし、そうでなくても山の日没は早く、急に辺りが暗くなって、ヘッドランプの準備を。そうなると、バスに間に合う間に合わない以前に、暗くなる前に山から脱出せねば、となり、さっきに道迷いとは別の種類の動揺に襲われ、先を急ぎます。
が、暗いからそんなにダッシュできず、慎重にダッシュw
吊橋の入口に着いた時点で残り10分。来る時は20分かかったから半分で行かなければ。もう必死のダッシュ。タクシー代のことを考えたらそうなるでしょう。もうこれ以上はないっていうくらい走って、秩父湖バス停に17:04到着。1分前なのに、バスの姿がない。辺りを見渡すも、行ってしまった後でもなさそう。焦って、再度バス会社に電話して確認し始めたところにバスが2分遅れで到着。
汗だくのなか、やっと最終バスに乗り込み、自力下山完了。
今回、尾根ではdocomoの電波は入りまくりで携帯電話が使えること自体は、心の支えになりました。いざとなったら、みたいな。友人たちに状況を知らせるためにいつも山行ツイートをメールで送っているのですが、今回初めて「道迷いなう」と送信。シャレにならないですね。
下山して4日くらい経ちますが、毎日ネットで情報収集して、何が、どこが間違えたのかを分析していました。現時点での分析はこんな感じで、ひょっとしてまだ正確ではないかもしれませんが、良い勉強になりました。
いつかリベンジを。。。
新反射板を初めて見ました。登尾沢ノ頭からの尾根直登を考えていたので、これも探索の候補にしたいと思います。
コメントありがとうございます。
2回目のリベンジ山行の前に、roadman71さんの記録も拝見しました。川又コース、いつか行ってみたいな、と。
尾根の直登ですが、私が新反射板からずんずん進んでしまった尾根は途中までは踏み跡があり、尾根の背を歩けるのですが途中からあやふや。私はロープを持っていないのでそれ以上行こうとは思いませんでしたが、roadman71さんなら大丈夫そうですね。
レポート楽しみにしています。
余談ですが、次「熊倉山」へ行こうと思っているので、10月の写真・詳細も楽しみに待っています♪
プロフィールのリンクからブログを拝見しました。
なかなか面白いですね。
ウルトラライト〜というコンセプトは気になります。
時間ある時、ゆっくり読みますね。
奥秩父界隈を精力的に歩いてらっしゃいますね。そして2回目の和名倉山のペースが速い!です。
僕のは当初ウルトラライトだったものの幕営装備を持ってるので、どんどんそこから遠ざかり今はライトくらいです。
両神山ですが、記事にしていないものの2009年の11月に歩いた尾之内沢道は面白いですよ。
両神山の情報、ありがとうございます。
幕営といえば年末になけなしの金で思い切ってテント&55Lのザックを買ったはいいのですが、休みがとれずいまだ日帰りばかり。もう十数年テン泊してないので感覚が鈍ってる。。。
ウルトラライトは今日立ち読みしたヤマケイにちょっと特集があって興味をもった次第です。
奥秩父は、その魅力に覚醒して、自然と足がそちらの方に向いた、、、といった具合です。roadman71さんも非マイカー・ハイカーでしょうか。目下、最適なアプローチを考える(計画)ことが趣味です、みたな(笑)。千葉からだと、奥多摩も奥秩父も甲府も、かかる時間があまり変わらないみたい(涙)。
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