兵庫県宍粟市 河久保山〜おごしき山〜後山〜板馬見渓谷



- GPS
- 06:26
- 距離
- 10.8km
- 登り
- 1,176m
- 下り
- 1,171m
コースタイム
- 山行
- 5:43
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 6:21
歩行距離11km、歩行時間5時間40分、歩行数21,300歩
天候 | 曇り一時晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
最初の取り付き点(登り口)から不明瞭ですが、鳥居をくぐってすぐ右側の斜面上部に見える古びた小さい休憩舎を目印に向かって進むと、ジグザグのルートに乗っかることができます。朝来電力所の発電用水路の上に出てからは踏み跡は不明瞭になり、最初のうちは「境界明確化」と書かれた白い棒状のプレートやピンク色のテープ、その後は黄色いプラスチックの杭を参考に、メインの尾根から外れないように注意して、しっかりとルートファインディングしながら進む必要があります。標高700m辺りからおごしき山コース合流点<写真10>付近までヒメスズメバチ?1匹がついてきましたが、たまに頭やお腹の周辺を一回りするだけでした。巣に近づかないように見張っていただけかもしれません。スズメバチと間違われやすいアカウシアブはいませんでした。 おごしき山コース合流点<写真10>辺りからは道がはっきりとしていますので、歩きやすくなります。連れはおごしき山をスルーして戻る羽目になり、数分ロスしましたが(コースタイムはこのロスタイムを含んでいます)、レアケースだと思います。 松の木公園下山コース<写真17>から板馬見渓谷へ下りる道は急傾斜ですが、道がジグザグになっているので、足の負担は軽減されます。ただし、道幅が細く、少し道が不明瞭な所もいくつかあるので、コースアウトしないように注意が必要です。 板馬見渓谷沿いの道は原則渓谷沿い(主に左岸)を進むのですが、谷の中の道を歩いて左岸に戻って歩くポイントで何か所か迷いやすい所があります。目印となるテープを確認したり、歩きやすい道を探したりしながら進めば大丈夫です。石がゴロゴロしている所、丸太を束ねた小橋や梯子状の階段なども転んだり落ちたりする心配はまずないでしょう。 |
写真
板馬見渓谷を通るなら、出発点はここがお薦めです。鳥居や看板には“西大峰”と書かれています。これは行場(西の大峰)を意味します。さらに、行者霊水とかかれた給水場があり、30〜40ℓ100円で最高の名水が得られます。
多年生のキノコで年々大きくなっていきます。一番外側の白い部分が成長しているところです。成長の軌跡は年輪のようになり、径は最大50センチ程度となるようです。アカマツの倒木に生えていました。
この辺り一帯が岩場となっていました。だんだん尾根上が行場のような雰囲気になってきました。動画にも撮ってみました。標高660〜720m辺りは予定よりも少し南西を進みましたが、踏み跡がある手入れされた植林帯でした。標高700m辺りからおごしき山コース合流点<写真10>付近までヒメスズメバチ?1匹がついてきましたが、たまに頭やお腹の周辺を一回りするだけでした。巣に近づかないように見張っていただけかもしれません。
平野部ではニホンアカガエルと混生することもありますが、山地にも生息することが和名の由来となっています。背側線が鼓膜の背側で曲がるのでニホンアカガエルと区別できます。足元を跳ねて逃げるのを何度か見ました。
地形図上で822.3mと表記された三角点がある山です。展望は効きませんが、少し開けており休憩できます。ここから南西尾根に入ってしまい、崩れやすい土の斜面をスライドするように進みましたが、細い踏み跡がありました。
アカマツが立派に育っていました。これだけ樹齢を経ていると秋の味覚を代表するあのキノコはもう無理かも…アカマツはこのコース上いくつも見られたので、9、10月は立ち入り禁止かもしれません。
下草がほとんどないところをずっと歩いてきましたが、この手前から足元に植物が増えて傾斜がきつくなってきました。地形図上にも載っているピークです。展望はありませんが、河久保山三角点<写真06>よりも広く、団体でも休憩できる所です。ここからは植物で歩きにくい所が何ヶ所かありましたが、どこも2,3歩でまた歩きやすくなりました。
大岩が増えてきたので、巻きながら進むと、急にここに出てきました。尾根上の道とおごしき山から板馬見渓谷に下りる道との分岐です。連れはなぜかおごしき山をスルーしてしまい、標高1120m大岩<写真13>の所でGPSを確認してやっと気づいて引き返してきました。数分のロスタイムでした。
標高1,095mのおごしき山の頂上です。この頂上には平成之大馬鹿門が設置されています。その由来は2016年06月20日のヤマレコに記載しています。千種町にある千個のブロックのうち、おごしき山頂上に一から五までが積まれています。ここから360度動画を撮りました。
この時期はアキアカネは平野部から山に移動します。アキアカネが夏を高い山で過ごすのは、避暑だというのが定説になっていますが、本当のところはよく分っていません。体が黄色っぽいので、未熟なオスだと思います。オスはこれからもっと腹部が赤くなります。
テーブル状の平たい岩が幾重にも重なっていました。ここから岩を巻く細道を進みます。アキアカネがたくさん飛んでいました。いつもは根曲がり竹(チシマザサ)が道にかぶさってくる所も邪魔にならないように刈ってあり、歩きやすく感じました。
標高1,344.4mの後山ピークと三角点です。兵庫県宍粟(しそう)市では板馬見(いたばみ)山と呼び、岡山県側の後山とは区別しているようです。標高も後山が1,344mに対し、板馬見山は1,345mと1m高いようです(*_*;残念ながらガスってきて、景色は見えませんでした。根曲がり竹がかぶさり気味の道はすぐに終わり、歩きやすくなります。
後山の南尾根から、東に下りる一般コース(行者コースに平行して下るコース)の分岐です。道標がないので、これが見えたら曲がるポイントとなります。ここで地形図のコピーを落としたことに気づいて取りに戻りました。
地形図には記載されていませんが、ここをそのまま東南東に進む笛石山コースがあります。道標に従って、下山コースに進みました。ジグザグの細道はたまに小石がゴロゴロしていますが、歩きにくくはありません。
一般コース分岐
板馬見渓谷沿いに登って、おごしき山経由で後山に登るには、道標に従って、ここを右に進みます。ここからしばらくは小石がゴロゴロしたわかりやすい細道でした。たまにコースアウトして沢をのぞいてみました。
「鐘掛の行者天保四年」と表記されています。なんと江戸時代の渡辺崋山が幕政改革を行った年号です。この年号は何を意味しているのか!ここが開かれた年でしょうか?ここまで上る踏み跡がありますが、今回は行かず、下からズームしてみました。
周辺の岩と少し異なり、鋭利な岩です。同じような大きさの大岩が2つ並んでいました。たまに石段の跡のようなものがあり、苔が生えていますが、滑らずにすみました。梯子を下りて橋を渡ります。
滝の規模は小さいですが、滝を左右に従えた洞窟内の不動尊は全国的も珍しいのではないかと思われます。不動明王は真言宗をはじめ、天台宗、禅宗、日蓮宗等の日本仏教の諸派および修験道で幅広く信仰されています。梯子状の橋の上から動画を撮りました。
標高690mに林道終点があり、後山やおごしき山に登る人は自動車でここまでアプローチができます。西の大峰と言われる行場ですが、ここからのアプローチは女人禁制ではありません。標高680mの丸太を束ねた橋を渡った所で10分程休憩し、転がる石の間を流れる沢を動画に撮りました。
<写真31>の向かいを見ると、同じように丸太の断面に“板”という文字が刻まれているのに気が付きました。これでようやく“板馬”という言葉であることが分かりました。“見”はいずこ?
遊歩道に入るとすぐにあります。まっすぐに流れる水と横から落ちてくる水の合流ポイントに迫力があります。動画に撮っても見事でした。今回は水量が多く、滝はみな落差1m未満ながら見応えがありました。
枝垂れ状に落ちてくる滝に赴きがあります。側にある丸太のベンチに座って靴ひもを結び直していると、土台が倒れて座席が転がり落ちました。載せてあるだけのようだったので、すぐに元に戻せましたが、大丈夫でしょうか。遊歩道沿いにいくつかあるベンチはみな同じ状態のようでした。
この淵の周辺で鉈(なた)を手離すと、鉈は生物のように淵に滑り込み、やがて「鉈をかえせ、鉈をかえしてくれ」と訴え、 次に「違う、違う、これではない」と泣き叫ぶ声が聞こえると伝えられ、今でもここで鉈を手離すことを禁じているそうです。動画の最後はこの滝です。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
アタックザック
ザックカバー
地形図
コンパス
ファスナー付クリアーファイル
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
今回のコースで出発点となった松の木公園は標高380m、最高点の後山ピークは標高1,344mでその高度差は964mもあります。これは中国地方最高峰の大山(だいせん)夏山登山口<標高780m>から弥山(みせん)ピーク<標高1,729m>の高度差949mをも上回るものです。アルプスに例えるなら、南アルプス仙丈岳<標高3.033m>と北沢峠の高度差993mと大きな差がありません。したがって、標高1,000m台前半の山としては格好のトレーニング場所となります。尾根上のルートは地形図で見ると、比較的緩やかな傾斜のように感じるのですが、実際には直登が多く、想像以上に急登で、太ももやふくらはぎにかなり負担がかかります。
この夏は頚城(くびき)山系の高度差1,150mある黒姫山を1日で往復しようと考えています。そのため、どうしても高度差1,000m前後ある“ヤマ場”が必要でした。結果的には程よいトレーニングになったと思います。即日に生じた太ももとふくらはぎの筋肉痛がそのことを物語っていました。
もちろん、ただ単なるトレーニング場だけでなく、行場にふさわしく、巨岩が多いスポットがいくつかあったり、生物、特にアキアカネなどを観察できるスポットがいくつもあります。
コースの最後に板馬見(いたばみ)渓谷沿いのルートを設定しました。気温が高い中での山行では熱中症の危険が伴います。この日の前半3時間以上に及ぶ尾根歩きは幸いほとんど直射日光もなく、涼風が時折吹いていたので、1ℓ程度の水分補給で済みました。下山時の標高900m辺りから松の木公園にかけて、板馬見渓谷の水量が段階的に増えてきます。道が谷沿いについているので、打ち水効果もあり、高度が下がっても気分的には涼しく、しかも美しい渓谷美が断続的に視界に飛び込んできますので、まったく疲れを感じません。さらに、谷の水で喉を潤すこともできます。気が付けば、上りと下りの時間数がほとんど同じぐらいになるくらい、板馬見渓谷美を楽しみながら進んでいました。ただし、この渓谷沿いの道は上りより下りの方が迷いやすいので、下る際は進行方向に向かって常に左側(左岸)を意識しながら、正確にルートファインディングする必要があります。
岩と滝を楽しみ、トレーニングもでき、一石二鳥の山行でした。黒姫山登山の前にもう1回くらいこの程度の山行をしておけば大丈夫でしょうか。次のコースを思案中です。
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