涸沢〜北穂高岳
- GPS
- 32:00
- 距離
- 29.9km
- 登り
- 1,579m
- 下り
- 1,577m
天候 | 1日目:曇り時々雪のち晴れ 2日目:晴れのち曇天午後から雹まじりの雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
横尾までは雪なし 横尾〜本谷橋まで基本雪道で、所々土が出ている そこから先は雪のみ 涸沢までは普通の道 涸沢から北穂間は所々アイスバーン気味で要注意 |
写真
感想
GW連休明けから映画「岳」が公開されることもあり、涸沢や穂高が騒がしくなってしまう前に行こうと思っていましたが、4月26日夕方に涸沢岳方向から幅50m、長さ1kmもの大規模雪崩が涸沢で発生、ヒュッテの売店を全壊させるという事件が起きたことを知りました。入山規制が長引くのかどうか、いつ解除されるのか、行っても涸沢へ行けないのかという不安な数日を過ごしていました(仕事そっちのけで涸沢小屋のHPやツイッターで情報収集していました 笑)。
とりあえず29日朝には解除予定という情報を出発日の28日夕方に得て、最悪横尾へ行っても規制がかかったままで撤退しなければならない覚悟も持ちつつ、予定通り28日の勤務終了後に自宅を出発、山仲間と合流して梓川SAにて車中泊。
仮に規制が解除されてても29日は涸沢までの予定なので、翌朝はゆっくり起きて現地へ向かい、上高地を経て横尾に着いたのは12時前でした。
心配していた入山規制は・・・ 見事に規制は解除されておりました。ただ予報では29日も30日も長野県中部&岐阜県飛騨ともに「晴れ」だったのに今ひとつの天気です。
ここから横尾大橋を渡って涸沢方面へ向かいます。横尾までの道には雪もなかったですが、横尾大橋を渡ったとたん雪道のようで、スパッツを履いて出発します。
本谷橋までは雪道の夏道を行き、本谷橋手前からは夏道を外れて沢沿いの道となります。
川がまだ雪の下にあるので本谷橋にはまだかかっておらず、ここでアイゼンをつけ登り始めますが、冬山装備&テント泊装備ですからザックの重量も重く(18kgあった)、さらに夏道と違ってこの時期は沢を直登するので傾斜もキツく、かなり疲れます。
ようやく15時すぎに涸沢へ到着。周囲は当然一面銀世界。
噂通り、パノラマ売店は跡形もなく消えていました・・・ 水場とトイレが稼動しているのか心配でしたが、トイレは雪崩れ避けの下にあるので無事でしたが、水場はありませんでした。
テントを置くスペースを決め、ショベルで雪を掘り、風除けを作り、テント面を足で均します。設営を終えたのは16時半ごろ。小屋泊まりならロビーや談話室でくつろぐこともできたのですが、テント泊だとそうもいきません。雪の降りしきる寒い外で団欒するわけにもいかず、ヒュッテで飲み物を買って天気予報を見ます。どうも出かける前の予報から変化しているようで、明日も曇りがちの天気みたいでした。
17時ごろからパスタを作り、明日は一応4時に起きて天候次第で5時出発で予定通り北穂へ向かうということにし、19時半ごろにはダウンを着込んで眠りにつきました。
夜は風が強くなり、また雪がテントを叩きつけるので数時間おきに目覚める感じでした。翌朝は4時に目覚ましで起きましたが、ウトウトしてたら30分寝過ごしてしまいました。慌てて起きましたが、外を見ると誰も北穂&奥穂に向かっていません。当然昨日の朝に横尾から先は規制解除になったばかりであり、昨日は誰も上には行っておらず、要はトレースが全くついていません。天気はまずまずのようです。とりあえずマルタイラーメンを食べ、他の人が停滞するのか行くのかを見極めます。この時期に北穂へ行ったことがないあたいらは、ルートが今ひとつわからないことと、ラッセルをする体力もないので他人の後を追わせてもらおうと考えていたへタレ山ノボラーなので・・・(笑)
すると5時ぐらいになってようやく奥穂方面に向かう人が出始めました。けど我々が目指す北穂には誰も向かいません。やがて1人、2人とやっと北穂にとりつきました。朝食を済ませて出発準備をし、我々もようやく6時半ごろ出発。
最初から結構な傾斜のある雪面をアイゼンを効かせて登ります。昨年の奥穂もそうでしたが、北穂にも夏は登ったことはあるけど雪がある時期には登ったことがありません。夏道と違って一面雪に覆われているので短い距離で登れますが、その分傾斜はきつく楽ではない道が続きます。ただ先行者がいるのでトレースはなんとかついており、その跡を忠実に辿ります。
ところどころアイスバーンになって危険なところもありますが、奥穂の穂高岳山荘までと同様に体力的にキツイだけでアブナイ箇所はそうありません。ただ閉口するのはまだ人があまり通っていないので、先行者の足跡の部分に足を置いてもズボッと雪を踏み抜くことで次のワンステップがキツクなることです。とにかく体力的に大変キツく、「あそこまで行けば頂上が見えるのでは・・・」という期待を何度裏切られたことか・・・(笑)
なんとかかんとか先行者を追って稜線の山頂とおぼしき場所に10時前にたどり着きました。しかし稜線上はこれまで体験したこともないものすごい風で、写真だけ撮ってとっとと降ります。けど後続の人たちは風に恐れをなしたのか、引き返す人も少なくありませんでした。また半分はその稜線直下から右に回りこむように行くと北穂高小屋に行けるようで、そちらに行く人もいたようです。
ココからどんどん涸沢まで戻りますが、雪山での下りは2月の西穂・独標直下での滑落という苦い経験を2ヶ月前にしているので、やたら慎重となり、慣れないうちは後ろ向きに下り、慣れてくると普通に下ることができましたが、そうこうしているうちに雪面上の風によってトレースも消え、時には膝まで雪に埋まりながら道なみ道を下ってヒイヒイ言いながら11時半すぎに涸沢小屋まで戻りました。
恒例の?涸沢小屋でソフトクリームを食べてテント場へ戻り、テント撤収。しかしこの頃から突風とともに雹が降り始めて撤収に時間がかかり、涸沢を出たのは13時前でした。
涸沢を下り始めると雹はだんだん雨に変わり、結構な雨の中での山行に・・・ 社会人になってこんな雨の中の山は始めてです。北穂の上り下りでカラダも疲れ果て、上は自分の汗で、下はファスナーの縫目から下着が濡れ、かなりブルーになりながら横尾へ・・・
雨の中では休憩もままならず、とっとと上高地へガンガン下って17時には釜トンネルの出口に着き、そのまま駐車場まで行って車に積み込み、23時ごろに自宅へ帰り着きました。
コメント
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BIMOTA さんこんにちわ
大雪崩があったなんて知るよしも無かったですが
一先ず規制解除になっていて良かったですね。
稜線上の風は想像を絶する強風だったのですね。
他の登山者が中々テントを出発しないのもうなずけます。
「あそこまで行けば頂上が見えるのでは・・・」
そうなんですよね!自分も同じ様に期待しちゃってます。
下山も大変だったようですが無事な下山お疲れ様でした。
こんにちは。
大雪崩で規制がかかったと聞いた時は「今年もか・・・」と思いましたが、日ごろの行いが良いせい?か、行ったら解除されていました。
けど今年はデブリがすごかったです。
本格的な夏山シーズン前にどこかもう1ヶ所ぐらいは行ってみたいと思っています。
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