実録北岳
- GPS
- 48:35
- 距離
- 29.9km
- 登り
- 3,173m
- 下り
- 3,187m
コースタイム
- 山行
- 4:10
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 4:49
- 山行
- 7:40
- 休憩
- 3:18
- 合計
- 10:58
- 山行
- 2:59
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 3:25
そのようなルートを2泊3日費やして歩いたのは、体に何らかの異常があったためと考えられます。
天候 | 【7/22】晴後時々曇夕方一時にわか雨 【7/23】晴後ガス夕方一時雨で雷を伴う 【7/24】晴時々曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
2.バス停:「甲府駅南口バスターミナル1番のりば」〜「広河原」 3.時刻表のリンク:http://yamanashikotsu.co.jp/route_bus/route_sp_info/hirogawara/ 4.駐車場情報:南アルプス市営芦安駐車場(無料、約600台駐車可能):https://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/docs/mycar_bus_taxi_tozan.html |
コース状況/ 危険箇所等 |
1.道の状況(危険箇所など) (1)北岳〜吊尾根分岐点:ザレていて滑る。 (2)八本歯のコル周辺のハシゴ:雨等で濡れていると滑る。 (3)八本歯のコル〜大樺沢二俣:ガレ場で浮石多く、滑りやすい。 2.登山ポストの有無:広河原山荘に有ります。 |
その他周辺情報 | 「登山後の温泉、飲食店情報、宿泊施設」:薬石の湯 瑰泉(かいせん):https://www.yu-kaisen.jp/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
コロナ感染対策セット(マスク・消毒液・体温計)
|
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備考 | 【持っていればいいもの】テント装備一式、夏用シュラフ |
感想
今回は感想ではなく、記録として記載します。個人山行としての反省点が多くなってしまいましたが、反面教師として参照頂ければと思います。
【7/22 01:45】自宅から集合場所(JR甲府駅南口バスターミナル1番のりば)に近いビジネスホテルにチェックインしました。その後、バス停集合が04:00のため、携帯の目覚し時計を03:30にセットし、就寝しました。
【04:00】携帯が鳴り、慌てて起きました。山行メンバーからの電話でしたが、受話ボタンが何故か表示されず、電話に出られませんでした。その直後、SMSに「バス停に居るが、何処にいる?」というメッセージが入りました。「寝起きで、04:35のバスには乗れないため、先にバスで登山口まで行って登って頂き、今日泊まる肩の小屋で合流しましょう。」とSMSを返したところ、「了解。」との返事を頂きました。アラームは設定しましたが鳴った形跡がなく、よく見てみたら、木曜日ではなく土曜日に鳴る設定になっていました。ショックでした。
【06:25】ビジネスホテルをチェックアウトし、06:55発広河原行きバスに乗りました。
【08:58】08:50に広河原に着き、08:58に歩き始めました。
【09:02】広河原山荘で朝食をとりました。
【09:28】白根御池分岐に到着。ここから白根御池方面は急登になるため、大樺沢二俣方面に行く道を選択しました。大樺沢登山道は傾斜は緩いですが、息切れが酷くなかなかペースが上がらず、何度も休憩し、大量に水分補給をしました。水分補給後も歩き始めると、体が火照ってやはりペースアップができませんでした。休憩中に沢山の登山者に抜かれましたが、逆に追い越すことができませんでした。二俣まであと10分の場所で休憩していると、後から来た女性の単独行の方に声を掛けられました。「今日はどこまで行くの?」と聞かれ、「肩の小屋まで行きたいが、時間がかかり過ぎているので、御池小屋までで止めます。」と答えると、「時間的にまだ大丈夫だから、肩の小屋まで上がったほうが良いですよ。では、お先します。」と言い、二俣方面に軽快に歩いて行ってしまいました。あの女性のように軽快に歩ければなぁと思いつつ、肩の小屋で待っているメンバーに、今日は肩の小屋まで上がれない事を連絡したくて、携帯を取り出しましたが、圏外のため、連絡がつきませんでした。また、ショックを受けました。
【12:56】大樺沢二俣に何とか到着しました。二俣では数名の登山者が休んでいましたが、皆、広河原へ下山する方ばかりで北岳山荘、肩の小屋、そして御池小屋に行く人は一人もいませんでした。時間が13:00過ぎで、今のペースで右俣コースを使って肩の小屋に行ったとしても18:00くらいに肩の小屋に着けるか着けないかといったところ。この間に雷雨に遭ったらそれはそれで大変な事になりそうな予想がついたので、ここは無理せず、二俣から御池小屋に行くトラバースルートを使用して御池小屋に泊まろうと決めました。
二俣から御池小屋までは30分程かかりましたが、無事到着しました。
【13:47】御池小屋の方に、「今日は肩の小屋を予約していたが、体力の低下のため上がれないので、こちらに泊めてほしい。先行して肩の小屋にメンバー2名が居るので、私のみ肩の小屋予約キャンセルをお願いしたい。」旨伝えたところ、「分かりました。」とお返事を頂き、「御池小屋」→「肩の小屋」の無線でその旨の連絡をして頂きました。本当にありがたかったです。ただ、御池小屋でも携帯が圏外のため、肩の小屋で待っているメンバーと連絡が取れないことが唯一、歯がゆい思いでした。
【18:20】御池小屋の携帯電話に、南アルプス警察署から私宛に電話があるということで電話を受けました。警察は「肩の小屋に居るメンバーから警察に遭難したかもという連絡があった。遭難していないか?怪我は無いか?」など聞かれましたが、「怪我はなく、遭難もしていない。今は小屋で静養している。」旨を答えました。小屋の方も「私の状況は14時頃聞いていて、肩の小屋に連絡もしている。」旨を答えていました。確かに状況は、そのとおりでした。
【19:20】御池小屋の携帯電話に、メンバーから私宛に電話があり、電話を受けました。
20分程話し、(1)計画の急な変更の連絡が全くつかなかったこと、(2)明日以降、肩の小屋に居るメンバーは当初の山行計画通りに山行をし、私は体力面を考え、早めに下山することを確認し合いました。小屋の方やメンバーの方々にご迷惑、ご心配をお掛けしてしまったことを伝えました。
【20:30】就寝しました。
【7/23 05:40】朝食を済ませ、体の様子も昨日よりも改善した感じでしたので、北岳山頂には行きたいと思い、出発しました。
【08:33】草スベリ分岐に到着しました。だいぶ時間がかかりました。
【09:27】小太郎尾根分岐に到着しました。草スベリ分岐からはバテバテでかなり遅いペースになりました。この時点で、北岳山頂に10時頃に着くのはほぼ不可能になりました。
【10:44】肩の小屋に到着。本当は昨日泊まる予定だったと思うと、何故到着出来なかったのか自問自答しながらも悔しい気持ちになりました。20分程休憩し、水分補給をしました。
【12:11】稜線上でも歩くペースが改善することはなく、この時間に山頂へ到達しました。山頂到着が12時を過ぎたため、今のペースでは広河原の最終バスに間に合わないことが確実だということがこの時分かりました。山頂で、また御池小屋にお世話になるのにどのルートを行こうか考えましたが、意を決して、八本歯のコルから二俣に抜け、昨日使用したトラバースルートを通って御池小屋に向うルートを選択しました。
【13:34】八本歯のコルに着く直前のハシゴを下っている所で濃いガスに包まれ、間ノ岳方面と鳳凰三山方面から雷鳴が聞こえ、この時、本当に遭難の恐怖を感じました。もしここで、雷に打たれたとしたらそれはそれでどうしようもないと思いながら、慎重にハシゴを下りました。
【13:37〜14:15】八本歯のコルに荷物を全く持っていない山岳ガイド風の女性が一人居ました。話しを聞くと、これから私が下ろうとしているハシゴから団体さんが登って来るので、「すれ違いに気を付けて。」というものでした。「分かりました。」と伝え、ハシゴを2〜3本下りると、確かに10人程の老若男女のパーティがゆっくり登っていきました。ガスが濃く雷鳴が轟いているのに皆笑顔で登っているので、凄い精神力だなと思いました。パーティの一番最後を歩いていた山岳ガイド風の男性と挨拶を交わした後、下山を開始しました。再びハシゴを4〜5本下った所でまたバテてきたので、休んでいたところ、10分前にすれ違った山岳ガイド風の男性が一人だけ下りてきて、私を見るや声を掛けられ、「16時くらいから夕立があるから早く下りたほうが良い。ただ慌てると大怪我をするから慎重に。広河原まで行くにはまだ時間がかかるから、無理そうなら二俣から白根御池小屋に向かって行ってね。」と言い、足早に去っていきました。その男性に促され、直ぐ行動を開始しましたが、男性の姿は既にありませんでした。
【〜15:54】濃いガスが晴れ、視界が得られましたが、今度は北岳の西側で雷鳴が聞こえてきました。ガレ場でペースが上がらず、何度か滑りましたが、何とか二俣のトイレまで辿り着きました。二俣に着いた時点でもう広河原に下るという選択肢はありませんでした。
【16:05〜16:38】もう足が限界でしたが気力と集中力を持って歩き続け、16:15くらいから歩いている場所が夕立になりました。男性の言ったとおりでした。しかし、空が明るく、小屋に着くまでに止むだろうと思い、雨具は出さず、そのまま歩き、小屋に着いた所でやはり雨が止みました。
【16:40】御池小屋の受付で、「広河原の最終バスに間に合わなかったので、今日もお願いできますか?」と言ったところ、「無事(北岳から)下りてこられましたね。泊まりは大丈夫ですよ。」とのお返事を頂き、安堵しました。
【7/24 06:07〜09:32】コースタイムは完全に無視して、自分のペースでゆっくり広河原まで下山しました。
【7/25 AM】当初の山行にご一緒する予定のメンバーの方々も計画どおり白峰三山縦走を完遂されたとのことで、安心しました。
今回の山行はこれまでになく、色々な意味で考えさせられました。そして、様々な人に助けられました。
山は過去に登ったことがあるからという理由は通用せず、必ず初心に戻って登らなければならないと改めて思いました。登ったことがあるから今度も大丈夫だと思って登っていると遭難に繫がるのではないかと考えています。
「初心忘るべからず!」ですね!
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