キレットから赤岳へ〜登り応え十分、八ヶ岳核心部
- GPS
- 31:15
- 距離
- 19.8km
- 登り
- 2,018m
- 下り
- 1,869m
コースタイム
【9日】6:15青年小屋-6:43ノロシ場-7:23三ツ頭分岐(休憩5分)〜8:43キレット小屋(休憩10分)〜10:38赤岳山頂(食事、休憩1時間)-11:55赤岳天望荘-12:05地蔵の頭-12:53行者小屋(休憩10分)-13:30赤岳鉱泉(トイレ、休憩20分)-15:03美濃戸-15:50美濃戸口
天候 | 8日=雨、9日=ガスのち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
下山後は、美濃戸口からタクシーで富士見高原ゴルフコースへ |
コース状況/ 危険箇所等 |
【富士見高原ゴルフコース駐車場〜青年小屋】樹林帯の中のしっかりした登山道。不動清水までは林道と登山道を交互に行くが、指導標に従えば問題ない。雨天時は足元に注意を。 【青年小屋〜三ツ頭分岐】ギボシの東斜面のトラバースは高度感がある岩場なので慎重に。 【三ツ頭〜キレット小屋】分岐を過ぎてすぐの長いハシゴに取りつくまでのやせ尾根降下は高度感があるので注意。 【キレット小屋〜赤岳】森林限界を超えると、緊張感を強いられる岩場の連続。壁面の岩はボロボロと風化が進んでいるので、手掛かり足がかりを慎重に選びながら慎重に登っていく。落石には時に注意を。 【赤岳〜地蔵の頭】ガレた登山道。危険を感じるほどではなかったが、登山者が多いので石を落とさないように。 【地蔵の頭〜行者小屋】地蔵の頭直下の階段は幅が狭く滑りやすい。下りや雨天時には注意を。 【行者小屋〜赤岳鉱泉】危険を感じたところはありませんでした。 【赤岳鉱泉〜美濃戸】危険を感じたところはあろませんでした。 【美濃戸〜美濃戸口】背中から追い越してくる車に注意を。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ、懐中電灯
予備電池
1/25,000地形図 八ヶ岳西部
ガイド地図 八ヶ岳
コンパス
山岳保険加入者証
ペン、手帳
保険証
飲料 水、スポーツドリンク、お茶
ティッシュ、ウエットティッシュ
手ぬぐい、タオル
手袋
携帯電話、充電器
熊鈴
雨具
防寒着 フリース
ストック
カメラ、双眼鏡
時計、高度計、温度計
ツエルト
ザックカバー
バーナー、ガスカートリッジ
コッヘル、はし
糧食 昼食2回分、行動食、非常食
帽子
サバイバルシート
サバイバルキット 消毒薬、バンドエイド、虫さされ、整腸薬
ホイッスル
ライター
ナイフ
ヘルメット
下着
靴下
日焼け止め
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感想
9月8、9日。天気が思わしくないが、2日目はまずまずの予報なので、7月の八ヶ岳山行で断念した赤岳山頂へ。
中央道小淵沢ICを降りて富士見高原ゴルフコース駐車場に車を止める。山梨県内に入ってから断続的に降っていた雨がやんで日が差してきた。身支度をして西岳・編笠山方面への登山口へ。最初は林道歩き、5分ほどで登山道に入る。登山道から林道、編笠山字方面への分岐を過ぎ、林道を歩いて不動清水の水場から再び登山道に入る。いつの間にか空は暗くなって雨が降り出す。レインウエアを着込んでザックカバーを装着、樹林帯の中を一直線に西岳山頂に向けて登っていく。
高度を上げるにつれて雨がどんどん強くなっていく。西岳山頂に着いたが展望はない。ここで食事をとるつもりだったが、これでは仕方ない。行動食で腹をごまかし、写真を撮ってさっさと今夜の宿の青年小屋へと向かう。
晴れていればほどのよいアップダウンの尾根道なのだろうが、この雨で上半身はレインウエアの中まで濡れている。寒気こそしないがさすがに冷たい。頭の中は「早く屋根のあるところへ」。青年小屋の水場、乙女の水まで来た。水を補給、今夜の宿まであと少し。樹林帯から出ると、テント場ごしに青年小屋が見えた。
中に入りバーナーを使わせてもらい、遅い昼食はおにぎりと缶詰の焼き鳥、ゆで卵たっぷりの親子雑炊。あったまる〜。
チェックインを済ませ、濡れたウエアを着かえて部屋に案内される。今日の宿泊者はほかに60代とおぼしき5人組だけ。おかげで大広間を仕切ったほぼ個室状態で使わせていただく。
夕食が終わりあたりがすっかり暗くなるとようやく雨がやむ。はるか下に見える街の明かりが美しい。同宿の人によると、韮崎の街らしい。9時に就寝。
2日目は4時過ぎに目が覚める。荷造り・身支度をして外に出てみると、雨はやんでいるがガスが辺りを包んでいる。ご来光は期待できそうにない。
乙女の水で水を汲み、朝食を済ませて権現岳方面へ登山道に入る。ノロシ場まで来ると、ガスが薄れてギボシが姿を現す。ここから岩場。垂直に登り、そしてトラバース。去年ここを通過したときは恐怖感いっぱいだったのだが、今回はそれほどでもない。慣れとはありがたい。
権現小屋を右に見て登り、稜線に出ると三ツ頭方面への分岐。一瞬南アルプス方面のピークが見えるが、山名は分からない。特徴ある権現岳山頂は目の前だけど、先は長い。ここは通過して、分岐をキレット方面に向かう。
やせ尾根が急に落ち込むと、そこに長いハシゴ。慎重に降りてまず旭岳の左を巻いてツルネへ。ガスがとれて西側に昨日歩いた西岳〜編笠山への稜線が見えるが、諏訪側からどんどんガスが上がってきてじきに見えなくなる。ガスが晴れたり曇ったりでアップダウンを繰り返し、キレット小屋の前に出る。一休みしたらいよいよ赤岳南面、今回の核心部だ。
しばらくは樹林帯、抜けるといきなり目の前に赤岳の岩峰群が現れた。高い巨大な壁。怖いけどもう引き返せない、前に進むしかない。自分に言い聞かせながら闘志をかき立たせる。ザレ場をすぎていよいよ壁に取りつく。意外に角度はそれほどでないが、風化が進みもろくて崩れやすい。石を落とさないよう、手掛かり足がかりを確保しながら、下を見ないように登っていく。
あさっての方向に登ってにっちもさっちもいかなくなるのが怖いが、○や⇔のペイントが進行方向を指示してくれるので、初心者でも何とかなる。とはいえ、登り終えたと思えば次の壁、また次の壁が現れ、体力の消耗と緊張の連続でへとへと。
ハシゴ、クサリ場を越え、南から見ると赤岳の前衛をなす竜頭峰の下まで来ると分岐。上か左か。指導標があるが文字が消えている。ここが文三郎尾根方面への分岐で、赤岳山頂へは上に行くのだがこのときは判断がつかずとりあえず左へ行ってみる。しかし登山道は横へ横へ。やがて竜頭峰が真上に見えてきたので違うらしいことに気づき分岐に戻る。
分岐を上に行くとすぐに真教寺尾根からの登山道に合流。ハシゴを上がり稜線に出ると、小さな谷を挟んだ向こうに山頂が見える。稜線を左にトラバース、左下から上がってくるのは文三郎尾根からの登山者か。最後の岩場を越えると人がたくさんいる。ようやく赤岳の山頂だ。
三角点のある南峰から赤岳頂上山荘のある北峰へ。ここで昼食。朝、青年小屋で仕込んだアルファ米の五目御飯とリフィルカップめん。頭の上は晴れているが残念ながらガスは取れず、わずかに西側の西岳から編笠への稜線、阿弥陀岳が見えるのみ。やはり八ヶ岳とは相性が良くないらしい。でも雨が降らないだけまし。贅沢はいえない。
ゆっくり休憩して下山。ガレたクサリ場を降りると赤岳天望荘。そこを過ぎるとほどなく地蔵の頭。3年前、白駒池から天狗岳に登って以来、3年かけて観音平から国道299号線までの八ヶ岳縦走路がつながった。
7月に降りた地蔵尾根を再び降りていく。行者小屋でひと休み。美濃戸まで今度は北沢を通ることにして赤岳鉱泉に向かう。針葉樹林帯の快適な道。天気も晴れてきた。中山乗越を過ぎ、道が下りになって左にヘリポートを見ながら行くと赤岳鉱泉。きれいなトイレを拝借、地下足袋をウォーキングシューズに履き替えて北沢へ。
南沢と同じく沢沿いに降りていくが、谷が広いせいかこちらの方が明るく解放感がある。左岸から右岸、また左岸へと南海は橋を渡って、堰堤を越えて橋を右岸に渡るとそこから林道を30分以上歩く。美濃戸までが長い。
ようやく美濃戸。電話で美濃戸口にタクシーを待機してもらうよう頼んで、林道を美濃戸口に向けて歩き出す。再び単調な砂利道。しかし7月も同じ道を歩いており、あとどのくらいで美濃戸口に着くか分かっているので助かる。
美濃戸口に着き、ほどなく時間通りにタクシーがやってくる。昨日車を置いた富士見高原ゴルフコース駐車場に4時15分に着いた。
1日目は雨の長距離歩きになったが、ザックの中の防水、予備の地下足袋など貴重な教訓を得た。展望こそいまひとつだったけど、念願の赤岳山頂に立てて満足の山行だった。
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