焼岳−親子で火山と森と北アの眺望を楽しむ−(新中ノ湯→上高地)
- GPS
- 06:26
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 996m
- 下り
- 1,084m
コースタイム
- 山行
- 5:18
- 休憩
- 1:03
- 合計
- 6:21
天候 | 曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
中の湯温泉旅館を過ぎて10号カーブの案内を過ぎたところに登山口がある。 登山口付近には駐車スペースあるが、午前6時時点でほぼ満車。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
○登山ポスト:新中の湯ルート登山口付近に登山ポストはないようなので、ネット(コンパス等)で登山届を提出しておく必要があります。 ○コース状況 ※主に子連れ登山の観点から ◆新中ノ湯ルート登山口〜広場 危険個所なし。ただし、この時期、大量に寄ってくる虫がひどい。黒い服、帽子は避けた方が良いかも・・・。 ◆広場〜火口縁 特段危険個所はないが、山頂に近づくにつれガレ場となるので浮石に注意。 ◆火口縁〜焼岳(北峰) 小学生低学年の場合は補助が必要となるかも。慎重に行けば問題ないが、滑落や落石の危険はあるので注意しながら登る事。なお、噴気孔が近いので子供が近づきすぎないように指示が必要。 ◆焼岳(北峰)〜焼岳小屋 浮石もあり、落石が起こる、起こしてしまう危険があるので慎重に。 ◆焼岳小屋〜上高地 大半は整備された道であるが、一部、鎖場、ハシゴがあり注意が必要。特にハシゴが2本かかっている場所は高度感があり、登りの時は良くても、下りは子供が怖がる可能性が大きいので、子どもが小さい場合は下りにこのルートは使わない方が良いと感じた。 ○山行計画 ・マイカーの場合、新中ノ湯ルートで頂上ピストンが最短コースであるが、早朝から登山すると時間に余裕が生まれる。 ・今回は焼岳への最短コースである新中ノ湯ルートで北峰に登頂し、下りは北側の焼岳小屋へと下り、焼岳小屋から上高地へと降りるというぐるっと焼岳を満喫するコースとした。 ・中尾峠から中尾温泉(岐阜県側)へ下るコースもあるが、以前このコースを使った時に樹林帯の長い下りが精神的、体力的にきつかったこと、車を回収するのにバスの乗り換えが必要となることから上高地へ下るコースとした。 |
その他周辺情報 | ◆登山バッジ ・焼岳小屋:500円 ◆温泉 ・中ノ湯温泉旅館:大人700円、小人350円 ◆食事 ・上高地帝国ホテル レストラン「アルペンローゼ」 帝国ホテル伝統のビーフカレー2,600円 信州産地卵のオムライスとハッシュドビーフ2,950円 ※お値段分の価値がある!(と思う)。ちなみに、生ビール(アサヒドライプレミアム)は1,200円!? |
写真
感想
【山行計画】
先々週、南アルプスに行った後、梅雨入りとなり、しばらく登山はできないかなと考えていると、13日(土)は天気、14日(日)も天気が持ちそうという予報となる。来週以降、毎週末、仕事など予定が入っているため、登山に行きたいと考えていたが、土曜日は息子が習い事などの予定が入っていることから、日曜日に登山に行くことに。事前に今週登山に行くことを息子に伝えていなかったので、あまり乗り気じゃない返事。じゃぁ、一人で北アルプス弾丸登山にしようかなと思いつつ、再度、「どうする?」と聞くと「行く」との返事。土曜日も夜までテニスの練習があったことから、あまりハードじゃない山行にしようと考える。登山口までのアクセスの時間も考え、天気が持ちそうな北アルプスで息子が行ったことがない「焼岳」をチョイス。自分にとっては登山を始めた年に初めて登った百名山である。その時は足を攣ってしまい、山頂もガスで景色が楽しめなかったので、今度は親子で楽しめるようにと新中ノ湯ルートから上高地へと下ることとした。
【アクセス】
早朝3時30分起床(予定より1時間寝坊)。寝ている息子を無理やり起こしてパジャマのまま、とりあえず車に乗せて4時に自宅出発。息子は車でぐっすり。高山市内のコンビニによると息子が起きたので着替えさせる。平湯に抜け、安房トンネルを通って新中ノ湯ルート登山口に6時到着。駐車スペースはほぼいっぱいであった。
【登山記録】
登山口前の駐車スペースはほぼ埋まっていたが、一番端になんとか止めることができた。車を降りると、いきなり大量の虫が寄ってくる。この後、登りの約2時間、虫と格闘しながらの登山となってしまう・・・。
登山口では何組かの登山者が準備をしている。この時期、5時には明るいので、もっと先に出発した登山者も多いだろう。さて、我々も出発の準備をして出発!の写真を撮ろうと一眼レフの電源を入れると「カードが挿入されていません」のマーク。なんてことだ、カードを忘れるなんて・・・と思いつつ、息子用のデジカメからカードを抜いて一眼レフに差し込む。息子のデジカメは置いていくことにした。息子よ、すまん。
登山口は申し訳程度の看板しかないが、道がしっかりと整備されているようで迷うことなく出発する。
しばらくは整備された平坦な広葉樹の樹林帯を進む。空は雲で覆われているようで日差しはそれほど差し込んでこない。ほどなくして、ヤマレコなどで良く出ている車の残骸の脇を通って先へと進む。
整備された林道のような道が終わると、登山道は狭くなり、急登となる。周りは針葉樹が多くなり、ねばっこい土と石の登山道へと変わる。先々週の鳳凰山とは違う北アルプスの樹林帯らしい、何か懐かしいような道であった。
しかし、針葉樹の樹林帯で眺望がないのに加えて、とにかく寄ってくる大量の虫がひどくて気分は盛り上がらない。息子も顔を何度も何度も払うが、虫たちは何度も襲ってくる・・・。立ち止まっては顔を払うので息子もペースが上がってこない。
そんな虫と格闘しつつ登っていくと、登りが緩やかになってきた。木々の間から焼岳の姿がちらちらと見え始める。
登り始めて1時間を過ぎたころ、視界が開けて来て「広場」と呼ばれる場所へと出る。ここからは真正面に焼岳が望める。青い空のもと、双耳峰に見える北峰と南峰、その間から昇る噴気。荒々しさのある山肌。活火山の迫力のある姿が眼前に広がっている。息子も「焼岳って大きい!」と思わず口にした。
空は青いが、これから気温が上昇してくるとガスがあがってくる可能性もある。やはり、一時間早く登っておくんだった(寝坊するんじゃなかった)と思いつつ、何とか天気が持ってくれればと祈る。
ここから先は、しばらく熊笹に囲まれた道を登る。右手には雪渓の長い斜面があり、落石が見られるが、夏道では通らないルートなので問題ない。
熊笹の道が終わるとガレた斜面を登ることとなる。ここまでくると焼岳山頂の溶岩ドームがずいぶん近くに見えるが、実際に大きいためであり、まだまだ登らなくてはならない。このあたりから虫はいなくなり、登ることに集中できる。高度をあげてきたので後ろに乗鞍が見える。さらに高度を上げていくと火口縁へと辿りついた。
火口縁からは火口湖の正賀池が眺めることができた。池の周りにはまだ雪がたくさん残っている。
火口縁から噴気孔の近くをトラバースする。滑落の危険もあるので、息子には「慎重に」と声をかけて進む。ほどなくして、焼岳小屋からのルートと合流。ここで、ようやく穂高の山並みが視界に見えた。だいぶ曇が出てきているが、高層雲のため、視界はある。さぁ早く山頂へと気分は高まる。
ここからは北峰への直登である。レベル的には息子のこれまで経験してきたルートと大差はないが、「一歩一歩、三点保持でゆっくり!」と声をかける。もっとも急な場所を登り切るところで片足を滑らせて少しひやっとしたが、何とか登りおえて山頂へ。
霞がかってはいるものの山頂からは穂高から槍ヶ岳、笠ヶ岳から双六、鷲羽岳など大展望が望める。焼岳から西穂、奥穂へと続く縦走路の稜線、東側に広がる上高地。うっすらと西穂山荘、新穂高ロープウェイの鉄塔、帝国ホテルの赤い屋根も見える。息子とあれは何、これは何、と話を楽しむ。
考えてみると登山口から2時間ちょっとで登頂してしまっている。朝、コンビニで買ったサンドウィッチを頬張ってから、下山を開始することとした。登頂時間によっては、焼岳小屋で昼食にしようと思ったが、時間もあるので目標を「上高地帝国ホテルで豪華ランチにしよう!」と息子と決めた。
山頂から中尾峠分岐まではガレ場が続く。浮石もあり、慎重に下っていく。しかし、北アルプスの山々を眺めながら下ることができるのが良い。後ろを振り返ると要塞のような焼岳北峰が聳えている。飽きることのない道である。
中尾峠からはいったん登り返す。ここで外国人と一緒のパーティの日本人男性と少し話しながら焼岳小屋に向かう。
「僕、山登りは好き?」と聞かれた息子は「う〜ん・・・」と言葉を濁す。父、少しショック・・・。後から聞くと、その時は下りが長いことが憂鬱だったのでそう答えたみたいだった。
焼岳小屋に到着し、登山バッジを購入。息子も体力的にはまだまだ余裕とのことで、水分補給をするぐらいにして休憩もそこそこに下ることとする。
焼岳小屋からしばらくは熊笹の道を歩く。右手には焼岳の姿が眺めることができ、涼やかな風も吹いているので気持ちよく降りていくことできる。
しばらくすると針葉樹の樹林帯へと入る。いきなり鎖場が登場。この下りはそれほど問題なくクリア。すると、今度は長い下りのハシゴが登場する。しかもほぼ垂直の下りで、二脚が連結してある。事前に調べた際にこのハシゴの存在は知っていたが、目の当りにするとかなり高度感がある。まずは自分が降りてみる。一眼レフはザックにしまい、トレッキングポールもザックに取り付けて下ってみる。ハシゴはしっかりと固定されてあり、それほど危険な箇所もない。息子に降りてくるように指示。「一歩、一歩、片足ずつ!」と声をかける。下から息子を見ていると、一歩一歩下した足が小刻みに震えている。これまでの山行では見なかった光景だ。やはりよほどの恐怖感があるのだろう。「一歩、一歩、いけば大丈夫だよ」と励ます。そして、無事にハシゴを降り切った。「よし、やった!」と親子でハイタッチ!恐怖心に打ち克った息子に感動。三歩風に「良く頑張った!」と言うと息子が笑顔で返してくれた。
その後も急な坂が続き、ハシゴがかかっている箇所がいくつもあったが、最初のものに比べれば余裕で降りることができた。しかし、途中、外国人の親子との擦れ違いの際、相手が待ってくださったので、息子が慌てて降りようとして転び、滑落しかけてしまう。外国人の父親が「OK?」と心配してくださったが、息子も大丈夫そうだったので「OK!thank you」と答えた。
しばらくすると道が緩やかとなり、針葉樹から広葉樹へと変わる。広葉樹の森には小鳥や虫たちの声がこだまして心地よい。息子は、このあたりから上高地までの距離が長いことが億劫だったようであるが、それほど疲れた様子もなく歩いていく。
林道まで出て、林道歩きをして、田代橋に到着。息子に河童橋まで行きたいか聞いてみると「前に行ったからいい。それに林道に出てからの倍ぐらいの距離があるから」とのこと。そのまま上高地帝国ホテルへと向かう。
上高地帝国ホテルは以前、バスの中から見ただけだったが、実際に見てみると山岳ホテルらしい趣がある。レストラン「アルペンローザ」の前に着き、メニューを見てみる。息子と目がテンになる。さすが帝国ホテル・・・。でも、まぁ、ここまで来たんだから、ご褒美にね!ということで中に入る。息子はビーフカレー、自分はハッシュドビーフを注文。値段にふさわしい美味しさ!息子もあまりの美味しさに思わず目を丸くしていた。
食事後は帝国ホテル前のバス停にてバスを待つ。ちょうどタイミングが良く、待って数分でバスが来た。釜トンネルの出口にある「中の湯」で下車し、車まで戻る。中の湯温泉旅館にてお風呂につかりさっぱり。
【感想】
新中ノ湯ルートから上高地に降りるというコースで色んな角度からの焼岳の姿、北アルプスの山並み、バリエーションに富んだ森、そして長ハシゴと登山の要素が凝縮されたような山行となりました。
下山後、息子に「長ハシゴ、怖かっただろうけど、がんばったね」と話をすると、「剱岳とか槍ヶ岳だと、あれぐらい普通だろうから」との回答。行く気マンマンなのか!
自分にとって、焼岳は最初に登った百名山。登山を始めたころのことを思い出しました。
それにしても、帝国ホテルでの昼食、美味しかった!!
自分:焼岳(5年目ぶり2回目)、長男(小5):百名山41座目
中の湯から歩き、虫がうっとうしいので気分も落ち込みました。しかし焼岳は姿を見せてくれました。すると大きな山にくぎ付けとなりました。噴煙を上げる活火山。活動を経て今に至る歴史を伝えてくれます。
そして山頂からは、北アルプス一の高峰 奥穂が正面に映り、後ろには噴煙と乗鞍。笠が岳の模様も拝めました。さて赤屋根の帝国ホテルが遥か下に小さく見えます。そこを目指して下ります。
そして小屋を越えると当コースの難関、ハシゴがありました。おりるときも手足を意識していきました。そして樹林帯を経て帝国ホテルに到着しました。このホテルのビーフカレーは豪華でご褒美となりました。うまかった!
このコースは樹林帯・火山・ハシゴと山歩きの王道を楽しめます。(もちろん景色も)満足だったし、昨年上高地から見た焼岳を制覇したのが一番達成感を味わえました。
このコースでうちも小4の子どもと行こうと考えてます。参考になりました。
釜トンネルから駐車場所までの登りはキツかったですか?タクシーで直接、駐車場所まで行こうかと思ってたので。
百名山もすごいですね。
piroyanさん、こんにちは!
釜トンネルから駐車場所まで1時間弱の登りですので結構キツイです。
我々親子は自宅も近いので時間的にも余裕がありましたから良かったですが、できればタクシーで時間と体力を温存したいところですね。
あと、考え方によっては、朝、新中ノ湯に駐車して釜トンネルまでくだり、上高地へバスで入って逆周りで周回し、新中ノ湯に下る方がよいかもしれません。すぐにお風呂に入れますし。
その方が登りが長くなりますが上高地〜焼岳小屋間のハシゴを登りで使えるので子供の危険度も少ないのではと感じました。
お気を付けて楽しんでくださいね!
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