剱岳 -平蔵谷を往復-
- GPS
- 13:55
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 2,485m
- 下り
- 2,489m
コースタイム
- 山行
- 2:56
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 3:27
天候 | 18日:晴れ、19日:曇り一時晴れ後雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
雷鳥沢はほぼ夏道沿いとなっているが、下部では雪が残り、複数トレースが出来ており、スリップ注意個所もある。 別山乗越から剱沢野営場までは90%雪上歩き、要所にボール立てられているが、倒れているところも多い。 野営場での水確保は、別山側の雪渓末端から得られた。水の出は気温で変わる。 剱沢野営場から平蔵出合までは100%雪上で、沢割れもなし。 平蔵雪渓は取り付き直ぐに左岸からの岩崩れがあるが、問題なく避けられる。コルまで100%雪が繋がっていて、クラックも殆どなし。コル直下は40度の壁。 平蔵コルから山頂は100%夏道。 室堂登山ポストの指導員からは、平蔵雪渓の下部に岩崩れあるが全体に通過可能と情報を受けた。 |
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
装備
個人装備 |
(常識的なものは省略)
アイゼン
ピッケル
ビーコン
サングラス
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
補助ロープ
スリング
カラビナ
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感想
会議出張の予定が変更になり、週末2日出かけられることになった。北陸も梅雨入りしたがこの2日は悪くなさそう。そうだ、剣岳に行こう、と思い立った。これまで7月に下ったことはあるが登ったことのない平蔵谷を往復する計画とした。周辺の山小屋は営業しておらず、剱沢野営場でテン泊となる。
1日目は室堂から剱沢の野営場まで真っすぐ行けば3時間位なので余裕だ。それも勝手知ったる道、の筈だが雷鳥沢の登りは完全に夏道になる前の過渡期で、部分的に雪が残ってルートが複数出来る。実際登りと翌日の下りで違う道を辿ることになった。
もうすぐ別山乗越の剣御前小屋が見えて来そうな所で、上の方にスキーを担いで歩く人が見えた。今時スキーを持ってくる人はあの人位しかいないのではなかろうか。乗越でその人が休んでいるところに追いついた。尋ねてみると案の定、日本中の山を少しでも雪があれば滑りまくっているshibayan88さんだった。僕はNishidenだと言うと彼も知っててくれて嬉しかった。
僕は別山乗越に荷物をデポして別山をピストンしてから剱沢の野営場に下った。shibayanさんは剱御前方面に登って行くのが見えた。野営場には僕の方が先に着いて、テントを設営していると滑って下りてきた。午後も天気が良く、剣岳を目前にした絶景の地で日暮れまでまったり過ごし、shibayanさんとも話が出来た。
2日目、夜半は月が輝いていたが明け方は鰯雲がびっしりの空だった。午後は天気が崩れるとの予報で早めの行動が良さそうだと、4時に出発、shibayanさんも同時だった。
剱沢小屋から少し下が夏早くから流れが出るところだが、今はびっしり雪で埋まっている。アイゼンを利かして、大岩のある平蔵の出合へ。さてこれからが本日の核心部。平蔵谷は長次郎谷と比べて距離は短い。と言うことは平均斜度がきつい。出会いからコルまで標高差740m、ほぼ直線状で直線水平距離で1300mと地図から読み取った。この全体の平均斜度で29.6度となる。一番上の方はもっとあるだろうと、標高2680mから2830mまでの区間で水平距離190m、これで斜度38.2度だ。登った自分の感覚でも、取り付き下部は20〜25度だが、30度の斜面が延々と続き、最後の詰めが40度、計算と合ってて概ね間違いないだろう。今の雪面は凸凹がまだ少なく、緩いところに足を置いていけないのと、足元が滑ったら即座に止めないと長く滑落することになり兼ねない。下部ではアイゼンがしっかり効いたが、陽が当たるようになった上部では雪が緩んで来て、油断すると足元を崩しそうで気が抜けなかった。
平蔵のコルでアイゼン、ピッケルを仕舞う。タテバイでも雪は付いていないので登れるのだが、他に誰もいないこういう時の特典として、下りルートとなっているヨコバイを登る。とても新鮮な感覚。岩場を抜け、岩ゴロ帯となってほどなく山頂。祠も健全で様子は変わっていない。「剣岳2999m」の手持ち看板は新しいのが一つ増えていた。薬師岳から白馬岳までの範囲の山はよく見えていて、それらより遠いと霞んでいる。
山頂には2人PTが先着していた。クマの岩でテン泊、長次郎を詰めて来たそうだ。スキーの人が後から、なかなかのスピードで来てたと言う。それじゃshibayanさん間もなく来るかなと思ったが、僕の休憩中には現れなかった。しばらく孤独の山頂を過ごし、北方稜線を覗きに少し下りて見たが、shibayanさんが来る気配もないので下山することにした。
下りもヨコバイを使い、平蔵のコルで再びピッケル、アイゼン装着。40度の壁は足を踏み外すとやばい、ピッケルをがっしり突き刺して慎重に下る。標高2600m位まで普通に歩き、その先はヒップスライダー使用のシリセードでスピードアップ、出合まで都合35分ほどで下りてきた。
ここからが登り返し地獄、先ずはテン場までの標高差約400m、4月にsanchan33と、真砂沢下からスキーで登り返した辛さが脳裏によみがえる。が、今日は荷物も軽く、かなり楽勝でテン場に戻れた。shibayanさんがもし山頂まで来ずに長次郎のコルから滑り降りたとすれば先に帰っているのではないかと思ったが、彼のテントはまだそこにあり、主は戻っていなかった。お湯を沸かして食事、テント撤収まで1時間強滞在した間誰も現れなかった。
だんだん雲が厚くなり、剣岳も見え隠れするようになり、別山乗越へと登り返す途中でポツポツと雨が降り出し、乗越から本降りになって御前小屋の軒で雨宿りとなった。以後は休憩を入れずに雷鳥沢を下り、雪の上は靴スキー滑りで雷鳥平へ、最後の辛抱登り返して室堂へ戻ってきた。ターミナル内では濡れ物を仕舞う登山者が大勢だった。
雪渓を登っての剱というせっかくのチャンスだったのに土曜日は予定が入っており残念でした。雪渓を登り詰めてというのは毛勝谷の経験くらいしかないのですが、平蔵谷はもっとタフですか?
個人的には長次郎谷を登りたいと思っているのですが(地図上こちらの方が緩やかで登りやすそうなので)いつになることやら。先延ばしにしていると体力が追い付かなくなりそうで若干焦ってます(汗)
毛勝谷とだと、最上部の急峻さはいい勝負でしょうね。平蔵谷は下から上まで平均して急で、滑落したらきちんと止めないとどこまででも滑っていきそうです。長次郎の方が全体は長く緩いので登り易いのは間違いないです。谷の景観も長次郎の方が綺麗です。僕は長次郎からは3度ほど登ったので今回は平蔵を選びましたが。
長次郎にしろ、1泊で室堂から帰るなら時間内に登り返す体力的余裕は必要ですね。剱沢辺りで2泊して中日に登頂するならやり易いでしょう。
えー?
ニシデンさんが、ヒップそり?
似合わね〜!
いくら下部とは言え、
ヘーゾータンでヒップそり使うのは
なかなかなもんですね。
そもそも、ニシデンさん、
下りは、快足じゃねーですか。
クマ
アイゼン外しても大丈夫な所なら靴スキーが速いんですけどね。雷鳥沢ではそうしてました。平蔵谷位の所でヒップそり使うときは、そりは首からひもで吊って両手が使えるようにし、ピッケルとアイゼンの2段ブレーキでスピードコントロールしてます。
Nishidenさん、こんばんは。
剱岳お疲れ様でした。
計画を見てご一緒したいなーと思いつつ、tekapoさんとkazumiさんと火打ちの約束しているし今回は無理だなーとあきらめました。
さすがにこの時期でもスキー担いでいるのは彼しかいませんね。
行くなら長次郎だと思っていましたがそれも当たり。
僕も来年こそは剱山頂からの滑降を狙いたいと思います。
この時期、平蔵谷を登り詰めるとそのままタテバイに取り付けるんですね。
知らなかったです。
お疲れ様でした。
さんちゃんゴメン、
僕にも火打合流の選択肢はあったんだけど、さんちゃんの白山愛に触れた影響もあって剱岳に行きたくなったんですよ。
スキーを持ってけば長次郎ならまともに滑れるとの案も、ちらっとは浮かんだんですけどね。板担いでの前後の苦労などと天秤にかけた結果選ばなかったですね。
剱岳に突き上げるこのルート、行ってみたいんですよね。
カニのタテバイから降りる行く時の斜度はかなりの高度感でしょう。
2年前、長次郎谷を登った時はガスガスでなにも見えなかったので、
#23の景色ももう一度見たい・・・
tekapoさん長次郎登った時は不運の天候だったのですね。じゃまた行かないといけないですよ。関西からでもまた来てください。
とりあえず北陸出張お疲れ様です。
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