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私も40年前になりますが、鉄砲水に遭遇し、九死に一生を得た事がありました。皆様の参考になれば幸いと思い、その時の事をお話しさせてもらいます。
1971年の夏に、新潟県と福島県の県境にある下越の谷川岳と言われる御神楽岳に登った時です。5人パーティで、ム沢や湯沢のスラブ状の岩壁を登るため、ベースキャンプとなる湯沢の出合いに設営しました。全員で一般ルート(一般ルートと言っても岩稜の険しい道)を利用し、偵察に行き、その湯沢にダム湖があるのを発見しました。以前来た時には有りませんでしたので不思議に思い、少し一般ルートから離れて見に行くと、ダム湖は雪崩の影響でしょうか、雪の大きなブロックで堰き止められていました。
そのうちに雷雨が強くなり、偵察を打ち切りベースキャンプに戻りましたが、1時間以上続いた強い雷雨が収まったので、テントより少し下がった沢の河原で夕食の用意を始めました。｢こんなに降ったのに沢の水位が同じだね｣と思ってはいましたが気にはしていませんでした。食事か出来たころです。突然に沢の上部からドドドーンと言う大音響がして一気に1ｍ程度水位が上がり、激流が押し寄せてきました。堰き止めていた雪のブロックが崩壊したのでしょう。｢逃げろ｣との掛け声とともに一目散で小高いテントの所まで駆けあがりました。幸いにそれ以上の増水もなく10分位続いた鉄砲水は収まりました。一部食料と装備は流されましたが、なんと炊事当番の私は、作っていたスイトン鍋を片手にもって避難していたのです。これには皆から感謝されるは、食い意地が張っているやらと、後の笑い話の種になりましたが、笑い話ですんで幸運な出来事になりました。
次の日に湯沢を遡上しましたが、ダム湖の影も形もありませんでした。
沢の中で大雨にもかかわらず水位が上がらないのは鉄砲水の警戒信号だと、この時初めて思い知らされました。
(その時の湯沢の写真がありましたので貼り付けます)
kazuhi49さん、こんにちは。
川の突然の増水はニュース等でもよく注意されますが、雪渓ではそういう前兆もあるのですね。
それを感じ取るのは余程の経験と注意力が無いと難し様な気もしますが、とにかく雨天時の沢ルートは要注意ということですね。
登山道が小さな砂防ダムを渡るルートも多いですが、強雨時は注意したいと思います。
こんにちは。
いつも興味深いお話しありがとうございます。
ダム湖と見間違う水量の堰き止めの決壊、ご無事で何よりでした。
鉄砲水・増水の原因として雪のブロックで流れが堰き止められる、というのは
実体験は元より、想定すらしていなかったケースなので勉強になりました。
また、�猝燭亡悗錣蕕覆ぞ�況ならスイトン鍋は持って逃げる��
というのも勉強になりましたので常日頃から心がけたいと思います。
最後になってしまいましたが、
東京理科大ワンゲル部の件は大変痛ましい事故でした。
この場をお借りして犠牲者の方のご冥福をお祈りしたいと思います。
kazuhi49さん、こんにちは。
報道を詳しく聞いてないのですが、中の川奥二股の天場なら、泊まった記憶があります。けど夏道ルートじゃなかったので違うのかもしれませんが・・・。
それはさておき、takecさんはじめ皆さん、鉄砲水は昔から良く知られていて、僕も山登りを始めた頃に勉強しました。詳しいことは書きませんので、自分で調べて下さい。
近年では、１０年前の８月に谷川岳で『少年団の親子ら流され１人死亡』という事故がありました。
[谷川岳 鉄砲水]で検索するといろいろ出てきます
経験で補えない部分は、勉強するしかないです
貴重な体験談、ありがとうございます。
雪崩によるダム湖の出現と決壊を目の当たりにされたんですね…。
すいとんは、皆を生きた心地を取り戻すようなすばらしい味になったのではないでしょうか。
首都圏近傍の丹沢山系玄倉川でも、約10年前に中州で沢山の方が鉄砲水により命を落とされました。
沢登りに限らず、山に入るからには得なければいけない知識ですね。
つい、一般ルートだけだとたかをくくりがちになりますが…
今回の理科大の方のご冥福を祈ると共に、そこから教訓を得たいと思います。
玄倉川の事故は中継もされ痛ましかったですね。
とはいえ、鉄砲水ではなく、集中豪雨による増水だったと思います。
●wiki 玄倉川水難事故
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%84%E5%80%89%E5%B7%9D%E6%B0%B4%E9%9B%A3%E4%BA%8B%E6%95%85
ついでなので
●ACHP 谷川岳湯桧曽川鉄砲水事故
http://www.big.or.jp/~arimochi/info.00.08.18.03.html
昔から鉄砲水の前には、『水量が急に減る』『雨でもないのに水が濁っている』という兆候が伝えられています。僕は見たこと無いですが。
具体的には、植生や河原岩場の濡れ具合とかに注意を払うのが大切とのこと。とはいえ、ダム湖の形成〜決壊までには時間がかかるので、水量が減っていることに気付くのは結構難しいかも知れないです。
また、集中豪雨が終わって数日たってから鉄砲水発生ということもあるそうです。
今回の日高や谷川では、雪渓の崩壊によるダム湖の形成が主な原因のようですが、自然崩壊が進む山域では岩屑や土砂が崩落しダム湖をつくる場合もあります。また風倒木が多い地域では、倒木や土砂がダム湖を作る場合もあります。
先日訪れた奥秩父・笛吹川上流域では、笹の立ち枯れ等植生の減少もありましたので、崩壊や流出がしやすい状況でした。丹沢あたりも鹿の食害が進めば土石流や鉄砲水の危険性は増えるかと思います。
いずれにしても、沢沿いを行動するときは、目視と地形図で上流の地形や植生を確認すること、逃げ場の有無を確認する事は、とても大切なことです。
kazuhi49さん
私的な場である日記をお借りして、
いろいろ記述してしまいましたが、
ご容赦頂ければ幸いです。
ihara1990
追記
そういえば去年だったか、中国で大規模地滑り〜ダム湖の形成というのありました。水が溜まる前に人工的に決壊させる措置をとるとかなんとかいってたような・・・。
地震の後も、数週間は注意が必要ですね。
MATSUさんこんにちは。
良くあなたは道に迷ったら沢か尾根どちら派ですか？
という設問があり、それいケースバイケースですが、強雨時は、沢筋は避けるのがベーターでしょうね。
takecさんこんにちは。
なかなか出来ない体験を20歳台の前半にしてしまいましたが、それはごく少数でしようね。何も体験しなくても鉄砲水の怖さの認識があれば、荒天時沢筋でのビバークはしていなかったと思いますので、非常に残念な結果になってしまいました。
ihara1990さんこんにちは。
とんでもありません。私も読ませて頂きました。
山で経験できない事はたくさんありますので、今までの事例を学習する事も大切ですね。
komadoriさんコメントありがとうございます。
よく山を愛する者は山で死んでも本望だなんて、バカ事を言う人もいますが、絶対に避けなければならないと思います。ですからこの遭難事故を教訓に生かさなければならないと私もそう思います。
丹沢の事故は局所的な集中豪雨による増水でしたね。
鉄砲水は急激な増水を指すもので原因は問わないものと思ってました。
認識違いだったようで申し訳ないです。
どちらも自然の脅威ですが、原因と対策が違ってきますね。
MATSUさんも勘違いしておられるようですが、
鉄砲水が怖いのは、降雨・強雨時以外でも発生することですね。
雪渓は毎日溶けているし、ダム湖は雨があがった後も貯水し続けます。
決壊の原因は降雨ではなく、溜まった水による応力とダムの耐力の力比べになります。
また、単なる増水とは違い、倒木や土石、巨岩等が水流と共にどばーっと来る場合もあるそうです。
医療と同じで、認識の違いは早めに指摘し合うことも大切ですね。
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