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何事かと窓から外を覗くと、飼い犬が暗闇の裏山に向かって激しく吠え立てていた。
畜舎では牛馬が立ち上がり、身体をブルブルと振るわせ何かに怯えていた。
暗闇に姿は見えないが、尋常ではない飼い犬の吠え方からして正体は熊(ヒグマ)である。集落では、既に乳牛が熊に襲われる被害が出ていた。
その夜は畜舎の電灯を付け、戸口を固く締めて怯える牛馬に寄り添いながら夜を明かした。
・・・・これは私が子供の頃生前の父から聞かされた実話である。
我が家は北海道の山村の隣家も見えない一軒家で、農耕馬2頭と乳牛4頭を飼っていた。犬はシェパード1頭がいた。当時は何処の家も熊除けに犬を飼っていた。犬の名はテルと呼んで、子供の頃はいつも山に連れ出し一緒に遊んで、狩りにも連れて歩いた。
先週栃木の今住む隣町に熊が出た。
熊と言えば、ツキノワグマも稀に登山者を襲撃することがあるようだが、日頃の藪山歩きでは差程恐怖を感じていない。
私にとっての熊の恐怖はやはり子供の頃父から聞かされたヒグマの恐ろしさである。更に小学生の頃村人が狩ったヒグマが校庭の鉄棒に仁王立ちに吊り下げられ、皆で恐る恐る見上げた記憶が残っている。
夢にまで出てきた熊の恐怖はヒグマの恐怖である。
(画像左)H22.5 隣町の山にあった熊棚
(画像中)栃木日留賀岳の出没警戒標識
(画像右)藪山の友 熊鈴
(追:東北の今年のブナの実は豊作らしい/ラジオ)
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