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私は登山を小学生の頃から始め、早20年近く経つが、未だに山について知らないことが山ほどある。そこで、浅学を少しでも改めようと思い、背表紙の帯に「目で見る山の小辞典」と記された本書を拝読することにした。
本書には、美しい写真とともに、山に関する一般的な言葉から隠語まで、さまざまな単語が登場する。
ただし、単語の意味を解説するだけの小辞書では決してない。著者である田部井淳子さんの体験談や世界観が、読者に語りかけるような柔らかい文体で綴られていて、それぞれの単語にまつわる山の楽しみ方についても知ることができる。
ページをめくる度に、登山経験者も未経験者も、山に行きたいという意欲が湧いてくるのではないかと思う。
田部井さんといえば、女性初のエベレスト登頂や七大大陸最高峰完登などの功績があることはいうまでもない。
しかし、それだけでなく、私には山に親しみ楽しむ達人であったという印象が強い。テレビでしか拝見したことがなかったが、田部井さんの目を通すと、山の様々な魅力が見つけ出されるように感じていた。
本書は、山に親しみ楽しむ達人が、さまざまな単語を通じて山の魅力を伝える感慨深い一冊であると思う。
<出版社ウェブページ>
http://www.sekaibunka.com/book/exec/cs/12220.html
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