8回目 確証バイアス 〜思い込んだら命がけ〜
今回もバイアスのよくあるパターンを1つを見ていきたいと思います。
今回は、確証バイアスについてです。
確証バイアスとは、
ある事象について、自分の考えに当てはまる情報のみを受け入れ、初めは疑問に思っていたことも、やがて確信に変わっていく状態です。
例えば、山行中に道を間違った場合、
本当は、変わった形の岩、ケルン、大きな木、ベンチ、小川
といった目標があったとします。
しかし、道を間違ったあなたは当然これらを見つけられず不安になります。
しばらくして、目の前に大きな木が見えてきました。写真とちょっと違うような気もしましたが、気のせいだろうと考えました。
しかし、ベンチは見つかりません。でも、少し歩くと小川が見えました。
その時あなたは、体力にも、時間にも余裕があれば立ち止まって冷静に判断して、自分の位置を割り出し、道間違いに気付けるはずです。
しかし、日没やバスの時間が迫っているときや、疲労が溜まっているとき。または、単独行で誰にも相談できない時は、バイアスが強く働き、あなたの考えを歪めます。
「岩やケルン、ベンチは見逃したのだろう。大きな木と小川があったからこの道で合ってるハズ」と考えてしまう可能性があります。
※恥ずかしながら、私はこのような経験があります。その時は、もう一度考え直して道間違いに気づけました^^;
このとき、あなたは、大きな木、小川という自分の考えに当てはまる情報から確信を得てしまいました。
冷静に考えれば、木や川はどこにでもあるし、岩、ケルン、ベンチの3つも見逃すこともそうそうないはずです。
なぜ、このような現象が起きるかというと、人間の速やかな意思決定にはバイアスが不可欠だからです。
おそらく、人間の脳に確証バイアスという機能がなかったら、なかなか意思決定ができないのではないでしょうか。
適度なバイアスは好ましい結果を生みますが、強すぎるバイアスはヒューマンエラーの原因になります。
大事なのは、
バイアスの特性を知り、
バイアスがかかりやすい状況を避ける。
次に、
バイアスがかかりやすい状況であることを認識する。
そして、自分の判断にバイアスがかかっていることを認識する。
です。
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