10回目 正常性バイアス 〜きっと大丈夫!〜
今回もバイアスのよくあるパターンを1つを見ていきたいと思います。
今回は、正常性バイアスについてです。
正常性バイアスとは、警報を誤警報と決めつけることです。
いい例が、津波警報ではないでしょうか。
3.11まで、地震発生時に発せられる津波警報でどれだけの人が避難していたでしょうか。
津波警報は出ているが、今までも来なかったから、また今度もどうせ大丈夫と考えていたのではないでしょうか?もちろん私もその一人です。
この正常性バイアスは、警報がなってもあわてないために必要な措置ですが、度が過ぎると「本当の危険」に対しても、「どうせ誤警報だ」「煙はやがて収まるだろう」「今の小さな地震は本震であって、もっと大きな地震への予震ではない」というように、暴風雨被害や津波、テロなどのあらゆる事態に対して、「きっと大丈夫」という判断をしてしまいかねない。
正常性バイアスが原因で被害が甚大化することもあるのです。
山行でもたくさんの警報がありますね。
「落石注意」「クマに注意」「道迷い注意」「雷警報」「雪崩に注意」といった看板やWEBの情報に加え、
他にも、山小屋の人から「○○は気をつけてねぇ」などの口頭による警報もあるはずです。
しかし、一般的にこれらの警報が的中することはめったにありません。めったにないから事故なんです。
だけど、そこにはその警報が発するリスクが確実に存在するのです。
例えば、落石の危険がない道を上を見ながら歩く必要はありませんが、「落石注意」という警報があるとこでは、落石に対するリスクに備えましょう。(例えば、常に上方に気を付ける、緊急時の回避場所を常に探す・・・)
この正常性バイアスは、誤警報が多いほど陥りやすくなります。
100回警報がなっても99回が誤警報ではだれも信用しないですよね。
警報を発する方やその仕組みを作る方は、誤警報が極力少なくなるように気をつけてください。(例えば、看板の定期的な見直し、警報装置の適切な閾値の設定等です)
このバイアスの一番怖いところは、本当の危険が存在するところでも「きっと大丈夫」と考えてしまうところです。
警報をみつけたら、「きっと大丈夫」と決めつけずにそのリスクに備えましょう。
特に誤警報が多いときが要注意です!!
うーん、なるほど、なるほど。
似た道標が多いルートで「山頂行き」を見逃して、心ならずも巻いちまった経験があります。
地震とか、天気とか、誤警報が多いですよね。警報が出ていなくて何か起こるとマスコミなどに叩かれるが、警報出して何も起こらなくても叩かれないせいですかねぇ。
そういえば、身の回りの電気器具なども取説にやたら注意書きが多くて、だれも読まなくなってるような気がしますね。(「ぬれた猫を電子レンジで乾かすな」と書いてなくて訴訟になると困るから、いちいち書くんでしょうかね。)
次回も楽しみです。
※ ご連絡遅くなりましたが、弊レコにてこの日記を参照させていただいております。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-318828.html
ttmhajimeさん、こんにちは。
「正常性バイアス」ですか?確かにその様な事例は数多くありますね。
人は慣れに弱い生き物ですね。誤報でも再確認は必要ですね。
ところで、「多数派同調バイアス」と「正常性バイアス」は何処が違うのですか?
(旧cprrescueより)
>tatsucaさん
そうですね、警告文ばっかりあっても結局読まないですよね。警告文の目的は、危険なことをユーザーに認知させることなのに本末転倒ですね。
私の拙文をtatsucaさんの日記で参照いただきありがとうございます。
>nonkibouさん
多数派同調バイアスは、自分では違うんじゃないかなと思いつつも周りの人の行動に合わせてしまうことです。
いい例が、2003年に韓国でおきた地下鉄放火事件です。
多数派同調バイアスは集団の中にいないと発生しないですが、正常性バイアスは一人で行動していても発生することではないでしょうか。
多数派同調バイアスの対策は、声に出してみるということではないでしょうか。「煙出てますよね、大丈夫ですかね」と誰かが隣の人に声をかければ韓国の事故では被害が拡大しなかったかもしれません。
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