カタクリの花に逢うのは難しい。丁度サクラの季節と重なる。サクラに魅了されて名所を彷徨い歩くうちにカタクリの花の季節はもはや終わっている。カタクリの花はサクラと対照的に地べたに咲き、地味で、質素で、華やかさに欠ける。回りに香りを振り撒き、人を惹きつけるような花ではけしてない。花が散ると何処に消えるのか、存在さえ怪しくなる。咲く前も存在は見えない。例えれば野に咲くスミレのような花。野山に群生し高貴な紫色の花を一面に開花させ、存在を誇示するが、地上に現れるのは春の2カ月間しかなく、後は地下に潜む。儚い花だ。私が鈴鹿七山や八ヶ岳で見たことはあったが、それほど記憶に残っていないのはこの訳だ。しかし、サクラ以上に大事にされてきた花かもしれない。昔から根が下痢止めや片栗粉として利用されてきたからだ。良質なでんぷんを我々に提供してくれていた。だから忘れられることはなかった。今の片栗粉はほぼイモからだが、カタクリと違い薬成分はない。
やっと今年逢えることができた。武蔵村山のHPで開花状況を逐次配信しており、みごろ情報から早速自転車で向かった。群生地は空堀川の源流、野山北公園の中、かたくりの湯のすぐ近く。群生と言ってもそれほど仰々しい訳でもない。こじんまりが正確な言い方かもしれない。年寄りは時期を外さないというが、将に多くの老人が見に来ていた。次の日は天気も悪く、この日が将にベストであった。
小平からは狭山・境緑道を多摩湖へ遡る。途中サクラを愛でて、春の雰囲気を満喫。多摩湖からは北側を走り、半周して野山北公園へ下りて行く。帰りは空堀川に沿ってのんびりゆっくり。サクラは多摩湖近辺は満開にはなっていない。これからだろう。東村山、小平は満開だ。いい写真が撮れた。久米川駅のパン屋さんで一休みして帰る。
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