https://www.shigei.or.jp/herbgarden/album/gagabuta/album_gagabuta.html
岡山市北区等に群生があったという過去の記録も見つかるが,県RDBでは存続が危惧される植物。8月に岡山県自然保護センターで所在を尋ねたときは「無くなったようです...」と。ちなみに開園50周年を迎えた県自然保護センターでは,設立時に県内各地から移植された多くの植物の中にその姿があったらしい(重井薬用植物園からも移植されている)。
解説をしてくださったのは片岡園長。「浮葉植物のガガブタはアメリカザリガニが池に入ると,根を切られ簡単に消える」と教えていただく。ガガブタは水底に根を張る。自分のえさ場を整理するため水草の根をちょん切って回るザリガニの習性に抗えず枯れてしまうということだ。
また,「園には柱頭の短い短花柱花しかないため,種子を作ることができない(上記URL解説参照)。」とも伺った。目の前でガガブタの花を摘んで柱頭(写真2)を見せていただくと,確かに柱頭が短い。長花柱花タイプは柱頭が長く,長いのと短いのが受粉し合って,初めて長花柱花だけに種子ができるという。かなりややこしい受粉だ。
通常は水中の殖芽で株を増やすが,池の水を抜かれたりして乾燥が続くと存続できず枯死!と,どこから見ても非常にデリケートな植物だと分かりました。
片岡園長曰く「かつて倉敷市内に存在した長花柱花タイプのガガブタを何とか探し出して種子を残したい。」と尽力されているそうです(随所でフィールドワークをされている)。
園内は季節ごとに豊富な山野草を見ることができます。植物トークがユニーク過ぎて,植物への情熱と知識は桁外れでした(写真3,解説中の園長,RDB2020ホソバヤマジソ,ミズアオイ,ヒオウギの実「ぬばたま」,盛りのミズトンボ,ミズトラノオ)。興味のある方,訪問されるとおもしろいこと間違いなしです。
重井薬用植物園HP↓
https://www.shigei.or.jp/herbgarden/
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する