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前穂高北尾根
1日目は涸沢から八→六峰、5-6のコル、一度涸沢に下山し2日目は5-6のコルから五→二峰、前穂山頂まで。2日とも天気まずまず。
今はユーチューブなどでもいくつも記録を見ることができるが、引いたところからのカメラアングルなどは出版物ならではだろう(ただしこのDVDも12年前のものであり、現在の状況などは新しい映像のほうが参考になる)。また、核心部である四峰や、三峰は特に時間がとられており、興味深く観ることができる。
自分は10年くらい前に1日で通して(つれられて)登ったことがあるが、高度感はあるが手がかりは多く、思いのほかテクニカルではない印象であった。ただ当時から四峰の崩壊・浮石やルート選択、三峰の長い登攀とルート選択は良くも悪くも特徴的であると感じていた。
今回DVDであたらめて思ったのはやはり三峰の存在感で、ⅢーⅣ級くらいではあるが4ピッチにわたる急傾斜の登攀は見ごたえがあった。二峰の懸垂下降もポイントであるがここは軽く流されていた。
北穂東稜
ゴジラの背が核心部であるが、取り付きから丁寧に収録されている。とはいえ、30分中17分くらいがゴジラの通過に充てられており、充分楽しめる。ゴジラの頭は横尾谷側を巻いているため、懸垂下降は行っていない。
アドバンス登山ガイドの中でも120分は長い方で、見ごたえはある。使用ルートも軽く説明されており(とはいえ複数あるルートの1つに過ぎないが)、登攀の雰囲気はよく捉えられている。
なお、出演は女性クライマーの故谷口けいさんと穂高岳山荘の今田恵さん。
2009年の作品であり、撮影機材も大変だったのではないかと思う。
展望も適度に収められていて、穂高が好きな方であればおすすめしたい1本である。