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2020年10月26日 21:12未分類全体に公開

登山道のテープの取付について。

レコにも書きましたが、先日大峰の弥山川コース(双門コース)に行きました。
訪れるのはかれこれ7回目になりますが、何度来ても楽しいコースです。

このコースは中間のハイライトである双門の滝を超えたあとは、河原歩き、高巻き、渡渉を繰り返しながら進むことになります。そして河原には当然踏み跡はありませんので、高巻く場所や渡渉する場所はすべてテープや鎖・はしご等の人工物を目標に進むことになります。ただ、このコースに従来ついていたテープや木の枝にぶら下げたひもは非常に精度の高いもので、テープの見落としさえなければ比較的安全に狼平までたどり着けるものでした。

しかし。
先日行ったときに明らかにおかしいテープ(というかリボン)がついていることに気づきました。去年はなかったので最近のものです。
なぜあんな変なところにテープがあるんだろう?と思いながら進んでいましたが、さすがにおかしいので少したどってみると・・・。
どうやら
1.高巻きしなければならないところを間違えて直進し、途中で気が付いて無理やり急斜面をショートカットしてコースに戻る。
2.渡渉する必要のないところで渡渉し結局行き詰ってまた渡渉して戻ってくる。
3.行き詰ったので無理やり横の斜面を危険な高巻きをして乗り越える。
というようなことを繰り返し、そのすべてにテープをつけていたのです。
このコースは高巻きや渡渉の位置を間違えると滝や淵にぶち当たって進めなくなります。そこを無理やり進もうとすると危険な渡渉や岩登り、高巻きをする必要が出てきます。それを回避するためにテープをつけてくれていたのですが・・・。

なぜこんなことをするのでしょう。

そもそも山は誰のものかということです。
山の所有者は登記を見ればわかりますが、私有か近隣自治体の財産区となっているところが多いはずです。これは近隣市町村の住民は共同利用できるものですが、外部の登山者は何の権限もなく勝手にテープや看板を設置することはできません。国定公園等に指定されている場合も同じ。
たとえば、自治体、それに準じる近隣の方、山小屋の管理者等が登山者のためにテープや案内板を設置する、林業の方がテープをつける、猟師さんがテープをつける。これらは地域のために必要があってしている合法的なことですので何ら問題はありません。
しかし、登山者には何の権限もないのです。
もし、「俺は熟練者だからテープをつけてよいのだ」という輩がいるのならばそれはただの思い上がりです。

登山者がテープをつけるのは言わば人の家の庭にテープを巻くようなもの。もし迷わないようにというのならば、帰りに確実に回収すべきであり、残していくようなものではありません。山頂の看板も同じですね。たまに「〇〇会登頂記念」とかいう山名を書いた看板を設置している輩がいますが、それは公衆トイレに「〇〇参上!」と落書きしている子供と変わらない行為なのです。

最近、登山やキャンプのブームがあり、近隣の方も地域おこしのために黙認している部分もあるかとは思いますが、(私自身を含め)あくまで他人の土地を「山登りさせてもらっている」だけだということを忘れないようにしたいものです。

これは一部のガイド(ガイド風の素人?)にも認識してほしいです。ぞろぞろと多数の高齢者を引き連れて意気揚々と歩いている連中がいますが、人の土地や公共の土地で勝手に商売しているという認識を持ってほしい。近所の公園に無許可で屋台を出しているようなものです。(ちなみに大多数のまともなガイドさんは地域の人や自治体、警察に人脈があって密に連絡をとり、地域おこしや山の保全にも積極的に参加して協力されています。)

この弥山川コースは今年も残念ながら亡くなられた方がいたとおり、近畿でも屈指の事故や遭難の多い危険なコースの一つです。ただし、道さえ間違えなければそれほど危険な思いをすることもなくクリアすることができます(体力は必要ですが)。
そして、岩登り(+梯子)、樹林帯歩き、木登り、沢歩きと多彩な道があり、ルートファインディング力や体力が試される上、非常に美しい渓谷や原生林を見ながら進むことのできる、まれにみる素晴らしいコースでもあります。

あまり遭難者や亡くなられる方が続発するとコース自体を通行禁止とされてしまう可能性もゼロではありません。今後もこのコースを安全に楽しめるようにするため、危険を誘発するような身勝手な行為は本当にやめてほしいです。

長文失礼いたしました。

※写真はコースの一部。川の同じ位置の右岸、左岸両方にピンクテープがついています(赤丸部分)。これではどちらを進むのが正しいのか、ここで渡渉すべきなのかがわかりません。以前はこんなことはありませんでした。
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