平出和也さん講演会〜たつのパークホテル〜

平出和也さん講演会　〜辰野町・パークホテル〜

平出和也さんの講演会が10/20（土）に辰野町で行われました。

平出さんと言えば、三浦雄一郎さんのエベレスト登頂や、
田中陽希さんのグレートトラバース撮影班として同行された事で
お名前は存じていましたが、NHKで放送された
ＢＳ１スペシャル「銀嶺の空白地帯に挑む〜カラコルム・シスパーレ〜」
を拝見して、想像を遥かに超えるクライマーだと知りました。

テレビを拝見した印象では、いかつい風貌で、無口に見えましたが
実際は講演開始前に、ごった返す会場内にふらっと現れて、
ピオレドール賞のトロフィーを地元のおっちゃん達に見せて
ふつうに話をしていました。

イカツイオーラ一切なし！ごくごく普通の人でした。

講演開始直後、
「僕を見た方は皆さん、”意外と普通なんですね”と言われるんですよ〜。」
だそうです。（＾＾；）

平出さん、物凄く気さくな方です。
場の空気を読むのが上手く
聴きやすい良いお声にびっくりでした！
まるでアナウンサーさんのようでしたよ。

両小野小・中の友人とも未だに仲が良くて、
聴講に来られたご友人にさりげなく話題を振ったり
途中で退席したかった方が、人が多すぎて出られないでいると
「前からさっと通っていいよ！」と言って手招きされて
気まずくならないようさりげなく、その方が経営しているカレー屋を紹介。
笑いを誘っていました。

学校の恩師も来ていて、「話がうまくなった！」と褒められていました。
（この恩師がまたテナーのすこぶる良いお声。）

会場内、実は狭くて暑くて快適とは言い難かったのですが、
みんなが応援しているのがすごく伝わったし、
平出さんのあったかいお人柄のおかげで
アットホームな雰囲気の講演会になっていました。


この講演の後に、私は槍ヶ岳に向かったのですが、
質疑応答の時に「山をやる上で必要な能力は何か？」という質問に対し

「ストレスに強いこと。
山は気象条件が過酷ですし簡単に思い通りにはならない。
若い頃から先輩の登攀についていって、
最後頂上には登れなくても、じっと待っていた経験などが
今のストレス耐性に繋がっていると思う。」

というお話されていました。

どこまで我慢できるか。
そして我慢しなくても快適と思える程の経験を積めているだろうか。
寒いのは嫌だし、
汚いトイレは嫌いだし。。。
全然足りてないなぁ。

平出さんは若い頃は前に人が居たら、
勝ちたい、抜きたいと思っていたそうで
それはもうイケイケだったそうです。

それが様々な経験を重ねるうちにイケイケの部分が減って
かつてのパートナーだった谷口けいさんが言っていたように
40代からは伝えていく、つまり後輩を育てていくことを
意識するようになったそうです。

様々なご経験、については号泣するエピソードを話されていましたが
メディアでも出ているようですので、それについては端折ります。

私の尊敬するアスリートの皆さんの特徴としては、
俺、凄いんだぜオーラは微塵も無く、
考え方や生き方がものすごくシンプルです。
平出さんもそうでした。
そういう人だからこそ、周りの人も協力したくなるのでしょう。

本当に、久々に良い講演会でした。

講演の後
「この後、私は時間たっぷりありますから、写真撮影できますよ♪」
と平出さん。何というサービス精神！

本当は一緒にお写真撮りたかったのですが、
槍ヶ岳に向けて出発があったので、後ろ髪引かれながらも
そそくさと会場を出ました。

その翌日、日帰り槍ヶ岳登山を行い、
無事に家に帰ることが出来ました。
講演会ともども楽しすぎる充実した2日間でした。
ありがとうございました！