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この標高は、山頂道標の肩の小屋側にある「白峰岳」の三等三角点の標石であり、現在もそのまま残っている。
しかし、三角点から南南西(北岳山荘側)約30mの位置により高い場所がある、と登山者から指摘があり、国土地理院が測量したところ、3,193.2mであることが判明したので、北岳の標高がそれに変更された。
尚、現在の地理院地図で北岳の三等三角点の標高は3,192.5mで、約20年前より0.1m高くなっている。この経緯については不明だが、地質学的には年間に数ミリずつ隆起しているので、その関係なのかもしれない。
その証に、隣の間ノ岳については約8年前に再測量された結果、3,189.13mから3,189.87mになり、四捨五入で奥穂高岳と同じ標高3,190mとなった。
山の歴史は、こういうところから紐解いてみてもなかなか奥深い。長らく縁遠かったものの、ここ数年で急に縁深くなった北岳エリアのことを改めて知るいいきっかけとなった。
写真1:1996年9月5日の北岳山頂道標(左)と、2022年9月4日の北岳山頂道標(右)を並べたもの。前者は3,192.4mとなっている。また、看板の向きは現在とは逆さで、広河原を背にした位置である。後者は3,193mの看板になっている。2014年頃までは、3,192.4mの文字の上に3,193mと記した板が貼り付けられていたが、その後新しく建て替えられた。
写真2:白峰岳三等三角点。「北岳山頂の三等三角点『白峰岳』は、明治37年(1904年)7月に設置されましたが、百余年の風雪による浸食作用により、柱石が露出、転倒したため、南アルプス市とNPO法人芦安ファンクラブの協力を得て、柱石及び盤石を交換するとともに低下改埋を行いました。北岳山頂に百余年間置かれていた旧柱石及び盤石は、南アルプス芦安山岳館に保管されています。平成18年(2006年)7月 国土交通省国土地理院」
写真3:1990年(平成2年)修正測量した地理院25000分の1地形図「仙丈ヶ岳」(手元に所持)のスキャンデータ(左)と、最新の国土地理院GSI Mapsのスクリーンショット(右)を並べたもの。前者は北岳の三等三角点標高=最高標高点扱いであり、3,192.4m。後者は北岳の三等三角点標高は3,192.5m、最高標高点は3,193m。
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