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遭難事故に遭わないように備えることが第一ですが、絶対ではありません。もし、ご自身が遭難事故に遭われた場合、あるいは通報者を目撃した場合、その通報先として第一に選択されるのは、所持している携帯電話による110番、ないし119番です(更に効率的な方法もありますが、緻密な計画作成と地形による位置把握が正確にできる方以外はオススメしません)。都道府県ごとに、警察が管轄しているところと消防が管轄しているところがありますが、どちらにかけても最終的には管轄庁間で連携されます。
警察や消防の指令センター側は、通報者が携帯電話から通報した場合、非通知発信していなければ、通報を受信すると同時に位置情報を取得できる仕組みになっています。また、非通知発信「184」を付加して通報した場合、指令センター側へ位置情報は通知されませんが、人命の保護などの事由から必要であると判断した場合は、それを強制取得することがあります(※1)。
しかし、位置情報は受信と同時に即座に取得できるものではありません。携帯電話から通報した場合、携帯電話会社の基地局の配置に基づいた位置を徐々に絞っていく形で取得する仕組みになっています。その精度は、数100mから10キロメートルとかなり大まかであり(※2)、正確な位置を絞り込むためには、通報者による正確な位置情報の提供が必要不可欠です。しかし、事故現場の電波状況が悪ければ、断続的に電話が切れてしまうので、通報し直す度に位置情報の取得が振り出しに戻ってしまいます。かといって、緊急事態時に周囲の風景を見ながら口頭で正確な位置を伝えることも難しいかもしれません。
では、どのように正確な位置情報を伝えるのか。答えは、通報者がGPSの座標を取得することです。
本稿では、6つの代表的な地図アプリでの位置情報の取得方法をご説明します。アプリごとに取得方法は複数ありますが、ここでは「位置情報を最少のアクション数で取得」することに重点を置いています。また、特定のアプリの機能的な優劣を評価するのではなく、GPS機能による位置情報の表記が容易かどうか、という観点のみであることをお含みください。
こうした方法がある、ということだけでも頭の片隅においていただければ幸いです。
確認した端末:iPhone8、iOS16.7.7です。
※画像1と2もご参照ください
・Google Maps
有名な地図アプリですが、位置情報における緯度経度以下の表記が、通常(60進法=分秒表記)とは異なっています(10進法表記)。それをそのまま指令センターに伝えても、通常の表記への変換を考慮するとは限らないため、手段としてはあまりオススメできません。一応通常表記に変換する方法はありますが煩雑なので、別の簡易なアプリを使用したほうが良いでしょう。
・コンパス(iPhone標準アプリ)
iPhoneには標準でコンパスアプリがインストールされています。起動すると、その画面上に緯度経度が表示されています。なお、Androidのスマホには標準でコンパスアプリがインストールされていません。Android向けに緯度経度が起動画面で表示されているアプリもあります。
・YAMAP
緯度経度を表記するには、活動中の画面下部の各種データ部分を上にスワイプすると、小さく緯度経度が表示されています。注視しないと、見逃しがちです。
・ヤマレコ
緯度経度が活動中の画面の左下に表示されていますので、活動中はすぐに現在位置を取得できます。ただ、文字は小さめです。
・Geographica
起動するだけで、ログの取得を開始しなくても、上部に緯度経度が大きく表示されています。地図の閲覧、位置情報の取得、標高の取得が同時にできるので、位置情報に加え、周囲の地名でも情報を得ることができます。
・スーパー地形
起動後の画面で「+」アイコンをタップすると、GPSログを取得中でなくても、上部に緯度経度が表記されます。ただ、文字は小さめです。
※1:緊急通報位置通知 NTT docomo
https://www.docomo.ne.jp/service/position_notification/
※2:緊急通報の機能 総務省
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/net_anzen/hijyo/tuho.html
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