雨天と晴天の境目

ぼくは雨天が嫌いではありません。
なので、行動に支障をきたすほどの荒天なら別ですが、
ちょっと天気が悪くてもお山を歩きます。

霞んだ空気の中に佇む草樹は、
彩りは淡くも人目に晒されることが少ないからなのか、
晴天の時より生命力に溢れる気がします。
山々は、包まれた霞の中で毅然と屹立し、
たまにやってくる人々の、
ささやかな道標になってくれます。

そして、時には晴天につながる境目に出会うことがあります。
雨天からいのちの雫を受けた草樹は陽光を浴びて輝き、
陽光は霞を吸い込みように筋を伸ばして、
山々の輪郭線を顕していきます。

そのような変化は、霞があるからこそ引き立ち、
より美しく映えると思うのです。

昨日、わが家の近くではひどい雨が降りました。
前もほとんど見えなくなるほどの、
いわゆる「ゲリラ豪雨」です。
そのしばし後、ぼくは晴天につながる境目に出会うことができました。

雨だったからこそ出会うことができた変化です。