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両親が家の中を片付けていたところ、
旧いゲーム機が出てきたという連絡がありました。
棄てていいかどうか訊いてきたので、
ぼくは逡巡せずに、棄ててほしいと回答しました。
こういうとき、10年近く前にある人から贈られたことばを、
鮮明に思い出します。
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人生において「時間」と「空間」はとても大切です。
この先の人生において
「昔使っていたものを手に取って思いに耽る」ような時間は、
一体どれくらい訪れるのでしょうか。
昔使っていたものも、確かに大切でしょう。
でも、「昔使っていたものを手に取って思いに耽る時間」があったなら、
これからは、今いる人たちを想い、手紙を書き、
今使っているものを手に取ることに時間を使うような人生を選びたい。
この先、どんな生活をクリエイトしていきたいのか。
それをよく考えてください。
そして、そのために、必要なものだけを選びとってください。
それ以外は、ガラクタのようなものです。
「これはいつか、使える」という考えを、まず捨ててください。
「いつか」という日は、永遠にやってきませんし、
万が一やってきたとしても、そのとき「それ」は見つかりません。
ものを処分していく作業は、自分を見つめ直すのに一番適しているのです。
捨てる痛みを身に刻めば、ムダなものも買わなくなってくるし。
それでも捨てられないものを並べれば、
自分にとって本当に必要なものが分かってくるのです。
そうしてゆくと、空間は
「自分にとって、なくてはならないもの」だけしか無くなります。
そこは、とても、居心地がいいはず。
思い切って手放してみると、
それよりももっと良い「もの」が手に入る、
という法則があります。
それは「物」でも「者」でも、同じこと。
不思議なことですが。
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名残惜しさが全くないわけではありません。
しかし、これを使う日は永遠にやってこないと分かっていたので、
ぼくは棄てることを即断しました。
四半世紀も前、少年のぼくが大切にしていたもの。
それらは、今のぼくに通じる何かをもたらしたかも知れませんが、
この先クリエイトしていく自分の人生にとって、
無くてはならないものでは決してありません。
名残惜しさに身を浸すよりも、
明日自分がどのように生きるかについて考えたほうが、
ずっとクリエイティヴです。
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