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長文です。山に全く関係ないので興味のある方だけどうぞ。
20歳で独学で始めたピアノも、下手の横好き。もう13年。
山登りよりもずっと長い。
駅前のある音楽教室に通い始めてから7年目になる。
現在の先生は2人目。
私のヤマレコを毎回、読んでくれているので多くは語れないが（笑）、
大変、美人で優しい先生である。
この音楽教室には一年に一度、全国の生徒さんが集い、東京六本木の
（超）有名な音楽ホールで演奏会を開いている。
6年前の夏、この演奏会に
入会一年めの私はなんと先生の勧めで参加することになった。
人生初のピアノの演奏会（教室内での）から3カ月後のことだった。
目立つことが大嫌い。人前に出ることが苦手の私が数百人の前で
ピアノを演奏する。考えられない。
ただ、自分の意思で決めたことは必ずやる。
途中で逃げたり、諦めたりするなら最初からやるなと
常日頃「心ひそかに」思っている私は教室に通い練習をした。
曲はベートーヴェンの悲愴ソナタ第2楽章。以前から好きな曲だった。
http://www.youtube.com/watch?v=bE2Zok2eL1Q（YouTubeより）
熱心に教えてくれる先生とはまるで、
ヤマレコでコラボするような友情関係ができていた。
当時、まだ楽譜の読めなかった！私は一音一音暗譜していった。
譜読みのできる子供の何十倍の時間をかけて、少しずつ音を重ねていった。
富士山を一合目から這って頂上に登るよりも時間のかかるような、
この作業を先生は穏やかに見守ってくれた。
難しいところもたくさんあったが、順調だったと思う。
本番では楽譜を置かないで、最後まで弾ける自信もついていた。
本番もいよいよ一ヶ月後となったとき、
実家のピアノで少し弾こうと思い、久々に帰った。
中華料理店をやっている実家の誰もいない店で一人、親父が飲んでいた。
いつになく穏やかな顔だった。
25歳で店を開き、40年仕事一筋だった親父は55歳を過ぎたころ、
胃がんになり、胃をほぼ全摘した。
転移はその後もなかったが、食事をとると、嗚咽を繰り返す。
気がつけば、酒以外口にしないようになっていった。
アルコールを脱するために一度入院したが、病院嫌いの親父は、
病院では控え、退院するとまた飲みだすという離れ業をやってのけた。
しかし、身体は既に限界を越え、人生そのものだった商売もできなくなった。
そして若い頃、スキー選手だった親父は既に歩くこともできなくなっていった。
我々家族は店を閉め、この家で親父を看取る覚悟を決めていた。
その日、親父の顔を見たときのことを今でもはっきり思い出せる。
「今夜が親父の最期の日になる」
霊感のようなものは小さいころからあったが、オカルト的なことは
全く信じていない。しかし、その時ははっきりそう思った。
酒があれば俺は幸せだと言ってた親父はその夜、一杯で酒を止め、
介護用にと付けた階段の手すりを自力で上がり我々を驚かせ、
自分の部屋に入るとそのまま静かに眠りに入った。
そして、数時間後そのまま息を引き取った。
小笠原に嫁に行った妹、その子供たち2人も夏休みで帰っており、
久しぶりに家族が全員そろった夜のことだった。
それから約3週間後、東京の大きなホールで本番を迎えた。
直前に！言うつもりでなかったが、
親父の遺品をひとつ身につけてきたことを先生に告げた。
御守りではなく、見てろよーという気持ちだった。
今考えると本当にひどい演奏だったに違いない。
ただ、
今までの練習の中でも感じたことのなかった初めて満足のいく演奏だった。
演奏後、舞台から降りると先生はぽろぽろと涙をこぼし、
かなり焦ったのを覚えている。
それから2年続けてこの演奏会に出た。
このとき同様、最後まで冷静に落ち着いて演奏ができた。
（教室内での身内だけライブでは、一度も成功したことがない。なんでかなー）
3回目で満足のいく演奏ができたのを最後に止めようと思っていたこの演奏会だが、
今年3年ぶりに出ることを決めた。
今年も、今の先生と共に絶対に成功させたいと思っている。
ちなみに親父が死んで一年後母はひとりで店を再開させた。
これだけ閉めていて誰が来るかよと本当に思った。
後で聞いたことだが数人の顔なじみの客がいつものようにいつもの、
メニューを頼んでいたようだ。感謝！
（読んでくれた方、ありがとうございました。親父の看とりのことはいろいろと意見があると思います。それぞれの家族、本人にとって一番良い方法がベストだと私は思っています。）
人間、かくありたい、という見本のようなお父様ですね。
私も人生の最期の日は酒を一杯だけ飲んで、静かに息を引き取りたい。
病院のベッドの上で生命維持装置と、親類縁者一同に囲まれて死ぬなどまっぴらです。
「若い頃はスキー選手。中華料理店を開く。家にピアノ。・・」どんな波乱に満ちた人生だったことでしょう。
オヤジと息子。つながりたいのになかなかつながれない。難しいです。
私のオヤジも肝臓癌で後数週間です。病院に行くと「あとは頼む。」と。
でも「何、頼まれてるの？」と思う。
子供に後を託すなどするもんじゃありません。自分の人生さえ精一杯過ごせばそれで良いじゃないか、と思います。
だから私は息子にも何も言わない。「期待」なんて重荷になるだけですからね。
「悲愴」は私も大好きな曲です。
クラシックで聞くのもいいけど、ビリー・ジョエルの「This night」として聞くのもいいです。
http://www.youtube.com/watch?v=pINQlt-tIuc
今年の演奏会も成功されることを祈っています。
もうすぐだ。
できれば毎年親父様に聞かせてあげて下さい。
ここにこうして書き綴りたくなった気持ちがわかるような
気がする。
仕事、山、花、料理、ピアノ。
その純粋さが羨ましく、その強い意志に惹き込まれる
ときがある。
やっぱオレ、兄っていうよりオヤジだな。
お疲れ様です
親孝行が趣味の私達。
うちもお親父がアレなんで、言葉なくても根っこの部分は分かり合えますよ
天国の父ちゃんと、その後頑張っている母ちゃんの為にもエエ演奏をせんとね！
エエ演奏は上手く弾くことだけではないと思います。
上手くできなかったとしても、魂がこもっていて聴き手に何かが伝われば、それでエエんだと思います！
小手先も大事だけど魂で勝負して下され
人間というのはそういう「勘」があるものだと思いますよ。特に家族に対しては。
その日の朝、私の母は、小学校低学年の私たち姉妹にそれぞれ１００円を渡し
「万が一のときはこれでバスに乗って２人で病院に向かいなさい。ママは先に行ってるからいいね。」
と学校に送り出しました。
その日の午後、私たちは学校から祖父の入院する病院へ２人で向かうことになりました。
医者も予期していなかった容態の急変でした。
病院に到着していた親族から、なぜ２人で来れたのか、なぜ分かったのかと色々言われたのを覚えています。
その日のお父様は、どんな顔をされてましたか
笑っていましたか
泣いていましたか
私も入院時に経験済みですが
人間は、意識がなくなるとき、まず体が動かなくなり、次に視界が狭まり真っ暗になります
でも、遠のく意識の中、不思議と最後まで耳は聞こえてるんですよ
お父様の最期も、きっと久しぶりに集まった皆さんの声を聞きながら・・・だったのでしょうね
いつまでも忘れないでくださいね
makasioさん こんばんは
美人でやさしいピアノの先生とプライベートレッスン。羨ましい〜
かみさんの最初の発表会も悲愴ソナタ第2楽章でした。
私は毎年発表会の撮影係に駆り出されております。(;´д｀)ﾄﾎﾎ…
かみさんとはますます話が合いそうですねぇ。
演奏会頑張ってくださいね！
かみさん、都合が合えば発表会見に行こうかな〜 なんて言ってますよ！
差し支えなければ詳しい日程、教えて下さいね！
私の親父は私が10歳の時に酒で肝臓壊して逝ってしまいました。
もう30年以上前です。やさしすぎるくらいやさしい親父でした。
makasioさんとこと似たような状況でしたね。
ラーメン屋の親父はあんまり長生きできないんですかね〜
働きすぎですかね。
私も健康には気をつけなくちゃいかんですね。(^^;)
スープの寸胴は親父の形見ですね〜
毎日毎日使っては磨いて、もうすぐ50年ですよ！
おはよう
makasioくんのことだからちゃんとやってるよね。
日記を拝見して、
makasioくんなら本番も大丈夫
ってことは、makasioくんはいざって時の集中力が高い人ってことになります
そうそう、一つアドバイス
本番、行くから頑張って演奏してください
お父様、生きていると色々ありますよ〜
うちも現在進行中で似たような感じです。
まぁ、色々とあるよね(@^^)/~~~
コメントありがとうございます。
個人的なことです。でも、いつか、このことを
日記に書きたいと思い、書かせて頂きました。
pasocomさんのお父様も、そうですか。
今、大変な状況なんですね。
親父のことは一言では言えませんが、
はっきり言って好きではなかった。軽蔑さえしていた。
特に酒しか口にしないようになってからは。
親父は俺のことが誰よりも大事だということは
分かっていました。異常なくらい。
優しい人間だったと思います。
葬儀では、泣いている人も何人か見ました。
知らない人から、親父の話をたくさん聞きました。
一度でも感謝していると言えればよかった。
今はそう思います。
ビリージョエル。中学の時、一番好きなアーティストでした。
「This naight」もちろん知っていますよ。
オヤジ！いや、タカさんはやっぱり兄さんですよ。
個人的なこと。でもいつか書きたいと思っていました。
なんででしょね？
自分の人生の中で（と言ってもまだ34年か）、
忘れられないこと。
ピアノの本番が近付く中で、この6年前のことは、
どうしても思い出す。
俺も親父になったら。いつか親父の気持ち、
分かるようになるだろうか。
ありがとう。本番まであと一ヶ月なんだ。頑張るよー。
小手先でなく魂。
なんで、あっち。分かってんじゃん。
例えば音大の主席で卒業しました。
なんて若手の人のコンサートを聞いたことがあるんだけど、
難しい曲を連発して弾くわけ。
すごいんだけど、あーあ。って感じだった。
なんも伝わってこないんだ、確かにすごいんだけど。
そんで、60過ぎてピアノ始めてさ、一生懸命、演奏会で
奥さんの前で弾くのを聞いたら、
これだよ、これって思ったよ。
こっちの音の方がずっといい音だった。
俺はへたくそです。でも、俺のピアノが好きだって言う人もいる。うれしいね。
山に全く関係ない私の日記、
読んでくれてありがとうございます。
mofmofさんにもありましたか。
なんで、はっきりあの時そう思ったのか。
今でも分からないけど、そういうものかもしれません。
私、霊感とか信じてないんだけど、（怖いから）
人間の第６感とかいうのかな、それはあると思います。
あの日、親父の顔ですか。
澄んでいました。信じられないけど。
まるで苦しみから解放されたような顔でした。
微笑んでいたような気がします。
最後に完全にアルコールの抜けた本当の親父の顔を
見ました。
ただ、最後に二人で何を話したのか、全く覚えていないんです。思い出せません。
mofmofさんのおじい様、きっとmofmofさんに会いたかったんだと思います。
お墓参り、行ってきて良かったですね。
呼んでしまって申し訳ございませんでした。笑。
全く、houraiさんとは他人とは思えません。
でも１０歳で親父さん、亡くなったなんて、
大変でしたね。
親父は６５歳で死にましたが、親父の修行仲間も
（子供頃、遊んでくれた人たち）
皆、がんで、亡くなりました。
親父は異常なほどの働き者でした。そして、
異常なくらい店も忙しかった。
親父が死んだ時、この人は一生分働いたんだなと
本当に思いました。
その親父の凄さを知ったのは、死んでからです。情けない。
奥様も他人とは思えませーん。
メッセージでお知らせいたしますが。
お忙しい中、聞きに来るようなしろものではございません。
でも、一度、お会いしたくなりました。どっかの山で。
なんか、山に行けない腹いせに書いた
日記だったんですけど、
たくさんの方が読んでくれたみたいで（汗）
うれしいな。
親父もこれで浮かばれるでしょう。笑
シュンさん、本当に来てくれるんですか、
ちょっと、まずいなあ、弩緊張するよっ。
たぶん、今回も身内、友人、誰も応援、来ません。涙。
シュンさん、その通りです。
教室のライブハウスで行うコンサートは、
皆の目がぎらぎらと感じる距離。
いつも逃げ出したくなる。
「あ、○○さんよ、」という声も聞こえてくる。
集中させてよ。
一方、あそこの舞台ではピアノと一対一の関係になるんです。
向こうに何百人いようが集中できるんです。
照明の関係もあると思います。
アドバイス、ありがとうございます。
また、よろしくお願いします。
↑気にしないでよいですよ〜。
その何百人の中に紛れておきますので
ただ、１か月前となると、だいぶ練習量が多くなってきますよね。大変ですが頑張ってくださいね。
僕、生演奏
でもね、
ヤマレコの文章同様、みんなにmakasio君の気持ちが伝われば、良い演奏
今日は、お仕事。6：00-夜中12：00まで
まぁ、お互い頑張りましょう(^_^)/~
自分はオヤジ大好きです。
遊んでもらった記憶もそんなにたくさんないし、しばらく姿を見せない時期もあったし・・・あまり世間から褒められた父親じゃないけど、仕事をしてる姿や豪快に酒を飲む多くを語らない背中をみて育って、大人になってから大きさを感じてます。
いつまでも敵わないなぁ・・・。
ピアノ三歳ぐらいから１５〜６年やってました
子供の頃は嫌で嫌でサボってばっかで一向に上達しなかったし、楽譜もじっくりしか読めませんが、大人になってからちゃんとやっておけばよかったと後悔してます。たまに小学生の姪に教えたりするぐらいは弾けるけど今はもう全然ダメです
お仕事、お疲れ様です。すげえ、拘束時間
ピアノ、本番前でも練習時間は変わりません。
むしろ減ることが多いかな。
週平均５時間練習していますが、こちらが全てだと思っています。
本番前の詰め込みはしたくないんです。
でも仕事が忙しいから練習できませんでしたとは、
俺、言ったことないんですよ。
時間は作るものだと思っています。
ちなみに今、１０月の資格の試験勉強もしています。
偉いでしょ？
俺、ミスタッチは多いし、真っ白けになることもある。
ただ、音がいい。他の人と全然違う。
と言ってくれる人がたまにいます。
これを真に受けて（笑）、本番、頑張ります。
まさかのmamepyonさんとピアノの共通点。
マジですか。しかも３歳から。
１９歳までやっていたということは、相当なものだと
思います。俺にも、今度、教えてください。
シュンさん同様、師匠と呼ばせてください。笑
父親のことが、大好きだと言えるmamepyonさんが
羨ましく、素敵だなあと思います。
俺は親父のことが嫌いでした。
俺のことを特別扱いすればするほど。
妹に対しても同様の気持ちをもって欲しかった。
ただ、死んでから俺も歳をとるほど、親父のこと、
考えるようになっています。不思議です。
いいお話しですね。
父の日だった事もあり、自分も親の事をいろいろ考えていた所だったので心に響きました。
自分の所、父ちゃんも母ちゃんも７２歳で健在ですが、父ちゃんは、母ちゃんと真逆の人間で、昔から人や外出が好きでなく、毎日近所の散歩ばかりです。
この歳からでも何か夢中になれるような事を教えてあげたいなぁ〜、と考えてました。
⇒ 山登りなんか、ぴったりなんですけどね
よし今週末は、実家帰ろう！
何も無いけど、話ししに家帰ろう！
makasioさん、久しぶりに（これから毎年？）親父さんにピアノ聞かせてあげてください。
お母さんも、お店がんばれ〜！
コメントありがとうございます。
うちも親父と母親。真逆人間です。
親父は真面目すぎた。
仕事も酒も。
母ちゃんは、お笑い芸人のようです。笑
父は俺が教師とか、そんなになることを望んでいたようです。
母は、勉強しなくてもいい、子供は遊べと言っていた。
俺はどっちも信用しなかった。笑
子供のころは母ちゃんの凄さ（豪快さ）を尊敬したけど。
今、あれだけ憎んでいた、親父の凄さを尊敬する。
母ちゃん、一人で未だにやってます。客も偉い。
実家に帰ってあげて。それだけで喜ぶよ、きっと。
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