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新宿(23:50)･･･新島々BT(翌4:30-5:00)･･･上高地BT(6:00)
((さわやか信州号))
9月19日(土)
上高地BT(6:00-6:50)→明神(7:45-7:55)→徳沢(8:30-8:50)
→横尾(9:40-10:20)→本谷橋(11:20-11:50)→涸沢(14:50)
9月20日(日)
涸沢(11:00)→屏風ノコル(12:30)→賽の河原(13:00-14:00)
((往路を戻る))
9月21日(月)
涸沢(5:50)→分岐��(7:00-7:15)→[ザイテングラート]鎖場手前
(8:10-8:20)→穂高岳山荘��(9:35-10:20)→涸沢岳▲3,103.1m
(10:40-11:15)→穂高岳山荘��(11:35)→[ザイテングラート]
鎖場下(12:50-13:15)→涸沢(14:40)
9月22日(火)
涸沢(10:00)→本谷橋→横尾(11:55-12:30)→徳沢(13:20-14:00)
→明神→上高地BT(15:50-16:45)･･[松本電鉄バス]･･新島々･･
[松本電鉄]･･松本(19:21)･･[あずさ34号]･･新宿(22:07)
当初の予定と大幅に変わってしまったが、山中での4日間の滞在
で随分とノンビリ出来た。
9月18日(金)〜19日(土)
今夏から再開したテント持参の山行で、14〜15kgを背負うことに
少しずつ慣れて来た気がしていたのだが、重いことに変わりは無
い。横尾までの平坦な道で少しでも時間を稼ごうと足早に！
いつもより30分程短縮して2時間半弱で到着。
途中徳沢で小休止した際、山頂で食べようと信州リンゴを購入。
普段は柑橘系の果物を持参することが多いのだが、ここに来ると
小さいが水分の多い甘いリンゴを入手する。
さらに本谷橋まで一気に歩く。以前来た時は架かっていなかった
小さなもう一つの新しい橋を渡ってみる。こちらは吊り橋ではな
く、谷川の上に渡しただけの木製の橋。直接対岸の休憩場所に陣
取ることが出来た。
少し腹に詰め込み、涸沢までの残り2時間のキツイ登りを前に力
を貯える。
改めて荷を背負うと、ズシリとした重みが肩に直接のしかかる感
じがした。勾配はキツイが、木々のトンネルから漏れて来る日差
しが何とも言えず心地よい。途中、野生のブルーベリーや苺で喉
を潤しつつ無心で頑張る。
一瞬開けて、目指す涸沢ヒュッテの吹流しを仰ぎ見ることが出来
る場所まで来るとちょうど半分くらいか。ここからが実は長いの
だ。程なく、谷川沿いの石段のような道を登る箇所に差し掛かっ
たが、流れが一滴も無い。水の流れが無いのだ。
暫らく登って、左側に雪渓を眺めながら登って行く箇所に来ても
雪が全然残っていない。屏風ノ頭方面とヒュッテとの分岐近くに
少し残るのみだったのには酷く驚いた。
ヒュッテ方面には行かず、少し手前の涸沢小屋への分岐を進む。
こちらはテント場の真ん中を突っ切って小屋方面へ登る道なので
場所取りのためもあってこちらから幕場を探すことにした。
ヒュッテからはちょっと遠いが、石に囲まれた平らな場所を確保。
早速荷を置き、3泊分の幕営手続きを済ます。
テントを張り終えると、一気に登って来た疲れがドッと出たのか
眠気が･･･。それにしても腹も鳴りっぱなし。バスに乗り込む前に
購入しておいたお昼の残りを詰め込み暫し昼寝に。
1時間少々で起き出し、ヒュッテへ。水汲みと情報収集のためだ。
売店前のテーブルには、ハイカーが溢れている。ここで話しかけ
ればすぐに答えが返って来る。お互いに知りたい情報が交換出来
れば、話はどんどん広がって行く。その場に居るだけでも楽しく
なって来る。
今回のシルバーウィークは少し違っていた。客の人数が半端でな
くメチャクチャ多い。その上、新しい道具やウェアに身を包んだ
人が目立つ。登山を始めたばかりの人が多いということか。
小屋の方は観ていないが、ヒュッテでは客が入りきらず、入口の
フロアや木製ベンチの上にも毛布に包まった人が数多く寝ていた。
部屋に泊まった人に聞いた所、1畳に3人だとか･･･！
ひと度トイレに向うと、大行列で外まで溢れている。水場も大混
雑だった。
連休に人気の高い場所に来るのは考え物だなと改めて思う。
テントに戻り夕食の支度！今夜は幕場での初日で明日は北穂高岳
を目指そうと力をつけるためもあって、自家製パンと野菜･ソー
セージ･チェダーチーズたっぷりのクリームソースパスタ＆珈琲
でお腹を満たす。
北岳の時と違うのは、野菜が生から乾燥に変わったことだ。
栄養面では大分劣るだろうが、一度に食べられる量が大幅に増え
る。持参したのが、味噌汁やラーメンの具によく用いられるタイ
プだったのでワカメが混じっていたのには参った。取り除かずに
使ったため、クリームソースに絡まった状態はちょっと･･･。
9月20日(日)
その日は夜半から強風となりテントが幾度と無くバタバタと音を
立て何度もきしむ、寝苦しい夜となった。強風は翌午前中まで続
き、予定を変更して北穂を止め、テントサイトで大人しく過ごす
ことにした。･･･とはいえやることも少なく、10時過ぎには風が
弱まったことも手伝って、近くの展望台へ向うことにした。
以前聞いた或る山岳家の話から、今回下山で使おうと思っていた
ルートを途中まで辿ってみようと出かけてみることにした。
パノラマコースの下山道、前穂高岳バリエーションルートへの道
と新村橋へと続く道の分岐点、屏風ノコルだ。
屏風ノ頭へと続く道の途中に、賽の河原というゴツゴツとした岩
だらけの見晴台があってそこからの涸沢カールは一見の価値有り
なのだ。更に少し先の屏風ノ耳からは、真正面に槍ヶ岳が臨める。
昼を挟んで2〜3時間で行き来出来る手軽な散歩コースである。
前穂高岳の北尾根を撒くようにアップダウンを繰り返しながら高
度を200m程上がる。途中、屏風ノ頭へ繋がる狭い尾根に一旦上が
るのだが、そこまでのルートはやたらと気を使う楽しい行程とな
っていた。鎖場･梯子･短い岩登り等、気が抜けない。重い荷を背
負っての行軍は、我々にはちょっと大変かも･･･。下りは予定通り
往路を戻ることに決めた。
屏風ノコルT字路分岐から賽の河原までは低木と岩場の急登。
一気に登り振り返ると、涸沢カールが一望出来た。凄い！
箱庭のように涸沢カールから上に穂高連峰、右に目を移すと少し
離れた場所に槍ヶ岳が見える。真後ろに目を移すと、左から燕岳･
大天井岳･常念岳･蝶ヶ岳まで連なる表銀座が一望出来た。
右下に目を落とすと、横尾山荘らしき赤い屋根の小屋も見える。
中々良い場所ではないか。傍らに目をやると、数人分のプレート
があった。思わず手を合わせる。
14:00を廻ったので下山を始める。
ゆっくりと慎重に難所を通過し、40分程でヒュッテに到着。
途中、横尾からヒュッテまでの山道を覗き込むと、まだまだ続々
と人々が上がって来るのが見えた。今夜はもっと増えるのか！？
ヒュッテ前に戻ると、喧騒が増えごった返す人の熱で暑いくらい
だった。ここは本当にBTから6時間の山中なのだろうか。休日の
都内のようだ。
短時間のハイキングから戻り、早速重い餅を消化しようとお汁粉
を作る。とは言ってもお湯を注ぐだけの簡単なものだ。餅は、一
つ一つパック詰めされた水稲もち米100%品が4個。これが食材の
中では一番重かった。半分の2個を温かいお汁粉で消化した。
一心地付いて明日のアタック準備のための荷物整理。
今回からアタックザックを持参するのを止めた。我々が使ってい
るザックは其々35-45ℓと45-55ℓタイプ。締め方によって大きく
もコンパクトにもなる代物。20ℓ･25ℓのザックをわざわざ持参
しなくても充分使い回しが利くタイプ。
余分な荷を全てまとめ、ザックの中には必要最小限の用具のみと
した。私の45ℓザックは、来る時と比べたらまるっきりペッタン
コになった。それでも雨具やら非常用具やら食糧やら結構詰め込
んだのだが。
明日の晴れを信じて早めに休むことにする。
夕食はさんま缶を乗せたアルファ米と野菜･ソーセージたっぷり
入りとんこつラーメン＆緑茶。
具の多いラーメンは格別で、ご飯にもよく合う。
緑茶は、粉末タイプのインスタントではあったが山の中では驚く
ほど美味しく感じる。
翌日の奥穂高岳･涸沢岳山行を早めに出発しようと5:00に出かけ
られるよう3:30起きとした。
9月21日(月)
目覚めると、予定より早い3:00。まだ真っ暗である。早々にトイ
レを済ませようと外に出てみると、同じように起き出しているハ
イカーがチラホラ。ヒュッテに着くと既に出発準備をする人々で
混雑していた。トイレ前にも既に数人が並んでいる状態･･･こん
なことは初めてだった。戻るまでに40分も掛かっていた。
テントに戻るとカミさんも起き出して朝食準備を始めていた。
パン･チーズ･ちょい食べカレー･コーンスープ･珈琲。
早速かっ込んで出発準備。予定より遅れたがまずまずの滑り出し
だった。
テント場からカールを斜めに横断する雪渓の上を歩くと、冷たい
空気が顔に当たる。この時季の早朝は既に充分寒い。涸沢小屋と
の分岐点までのガレ場の急登は身体を温めるのに充分な傾斜と歩
行時間だった。1本摂るのに丁度良い。その先20〜30分程でザイ
テングラートへの取付き点となったが、ストックを仕舞うため再
度小休止。いざ奥穂への急登へと差し掛かる･･･が、少し進むと
直ぐに渋滞となり立ち止まるという状態が幾度と無く続く。
最初の鎖場と梯子が現れる手前のジグザグの岩場の登りでは、実
に1時間待ちとなった。鎖と梯子が続くその場所は、廻り込んでい
て降りて来る人が居ることを確認出来ないため、「○△人行きま
す！」「どうぞ、登って来てください！」等と声を掛け合いなが
ら交互に通過するため異常な程時間が掛かってしまうのだ。まし
てや連休の混雑が重なったことで大渋滞になったのだろう。
登山道は至る所で渋滞を引き起こしていて、ザイテングラートを
通過するのに要した時間はMAP時間の倍！
余りの長時間の登りに、私の足も限界に。穂高岳山荘手前10分位
の場所で今回は諦めることにした。
一方カミさんは元気いっぱいで歩行時間も早く私よりずっと先を
歩いていた。携帯電話でのやり取り(山道途中では携帯が通じるん
ですね。因みにウチはdocomoです。)で涸沢岳を往復して戻るとい
う。山道途中で日除けをして暫し蹲り待つことに。日差しが強く、
顔から耳の後ろまでと出していた腕が真っ黒に焼けた(今ちょうど
皮膚が剥がれ掛けている状態にある)。
奥穂へ行かず、涸沢岳を目指したのには理由がある。
カミさんからの話と、同じ時間に山頂付近に差し掛かっていた人
からの下山後の話で判明したのだが、奥穂山頂までの道も大渋滞
で身動きが取れず、誰かが登行中の不注意から直径30cmくらいの
大岩を落としたことが原因で、2名の負傷者を出したこと(一人は
顔を切って出血していたという)。事故後も何事も無かったよう
に山道に殺到する人の波を観て、恐ろしくなったことなど、敢て
混雑している山へ向わずガラガラに空いていた涸沢岳へせめて登
っておこうと向ったのだという。
往復1時間強でカミさんが戻って来たので、揃って下山を開始。
慎重に岩場の下りを通過しガレ場へと･･･途中、足を止めていた
ご年配の男女お二人の内の男性が足を痛めているらしく、振動を
与えないようにとサポート役の別の若者二人に支えられながら下
り始めたところだった。別の一人が下の小屋まで知らせに行って
いるというので、別れて先に下りて来たが大丈夫だったのだろう
か。
ヒュッテ前に戻ってみると、カミさんが山荘前に居た時刻とほぼ
同じ時刻に山頂手前を登っていた女性と話が出来た。自分の10人
くらい下の人が岩を落としたらしく、その直ぐ下の人二人の内一
人が顔を切って血だらけだったこと。渋滞していて動くに動けな
かったことなどを穂高岳山荘に伝えたことなど話してくださった。
ヒュッテの売店附近でも、居合わせた人が話に加わっていた。
程なくヘリの飛ぶ音が聞こえ、カールに目をやると、3回程旋回し
ながらザイテングラートの取付き点から少し上に登った辺りで暫
らくホバリングしてから飛び去った。
カミさんは近くで二人、私は下山最中に一人負傷者を目の当たり
にし、改めて山行の厳しさを思い知った次第。
その日の夕食は、焼き鳥を乗せた赤飯に餅入りカレーうどん。
ピークハント出来なかったのに赤飯はどうかと思うが、最後の晩
餐なのでちょっぴり豪華にした。山頂で食べなかったリンゴの残
りをデザートにする。
9月22日(火)
いよいよ最終日。下山の日を迎えた。
ピークらしいピークを踏まなかったが、結構のんびりと楽しく過
ごせた4日間だった。
列車の指定席が中々取れず遅めの列車を取っていたので、BTから
16:45に出発するバスに乗るため、ゆっくり10:00出発に合わせて
撤収を開始。昨日までの快晴が嘘のような雨模様になった。
雨の日の撤収は嫌だ。乾かしてキチンと畳める訳ではないので、
水分を含んだ重い状態のまま撤収となると、来た時より重くなる
こともある。私の荷は正にそうだった。
少しよろけながら下山道へと向う。また長い道のりを歩くのだ。
気まで重くなって来た。
横尾まで下ると、雨は何とか止んでくれた。肌寒いので、雨具は
着たまま徳沢まで少し頑張る。
ここで長めの休憩をと小屋で軽く昼食を摂る。私は山菜うどん、
カミさんはカレーそばを注文。更にソフトクリームまで。
疲れた身体に鞭打ち、あと2時間の道のりを歩き続ける。
バスの時刻まで1時間という余裕で到着。
次回に課題の残る山行を終えた。
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