〜〜〜ヒグマに吠えられたヤンカ山(2017)〜〜〜
ラジオ放送を聞きながら歩いていると、エゾジカ?と思われるような鳴き声が耳に届く。鹿とはちょっと違うなと思いイヤホンを外すとその鳴き声は「クォ〜、クォ〜」と聞こえ、鳴き声の方向を見ると登山道脇20mほどの笹藪の中に横を向いたヒグマの成獣を見る。「クォ〜、クォ〜」という鳴き声は止むことがない。
歩きを止めることなくヒグマをやり過ごすように歩くことにするが、登山道の関係からそれほど距離を離すことができない。するとヒグマは藪の中から体をもたげてこちらに向きを変えたので、相対する位置関係となった。
ということはヒグマはこちらを正面から見ていて、その様相はというと茶色のパンダのようなおかしなものであった。そのヒグマが鳴いている(吠えている)様子はないのに「クォ〜、クォ〜」という鳴き声が続く。そうだったのか。子熊を抱えているのか。隠れて登山者をやり過ごそうとしていたのに子熊が鳴いてしまったので、子熊を守るための警戒行動を執ったお母さんヒグマということか。
状況的にはカメラ撮影のチャンスはあった。しかしウェストポーチに手を掛け、カメラを取り出し撮影に至る行動がヒグマにどのように判断されるのか分からないので、安全策を採って同じペースで歩き続け距離をあける。振り返ることも一切せず、登り返しもスピードを安定させる。
北海道の山ではこれまで、登山中に十指に余りあるヒグマを見た、出遭った。それは北海道のメジャーでない山を登るときの普通の光景であり、驚き騒ぎ立てることでもない。反って、このような野生動物が生息できているチャラチャラとしていない自然の中で遊ぶことのできる緊張感を伴ううれしさを覚えるのであった。とは言え、いったん緩急あれば多くの迷惑を掛けることになるので、十分な対策と警戒と慎重な行動が必要であるということは多言を要しない。
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そのときの記録です。
https://yamatabi-hanatabi.com/yankayama2017.html
クマの出そうな山行では「鞘付剪定鋸」をザックに外付けし、万一のときの格闘用にしています。
https://www.yodobashi.com/product/100000001003562605/
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その場にあっての冷静な判断と対応、頭が下がります。
中でも持参の武器に興味を覚えました。闘えるかどうかは別として、私もスプレーの他に、バイルを持ち歩くことがあります。登山をはじめたばかりの頃は、武器としても使う想定でトレッキングポールを購入したりとか…今考えれば愚かですが、自分を大きく見せて逃げてもらうためには有効らしいですね。
人それぞれで研究を重ねて、各々のいいと思った武器を持ち歩いていると考えると、なんだかとても面白いと思ってコメントさせていただきました☺️
こんばんは。
メッセージをお寄せいただきありがとうございました。
北海道の山では、日高山脈ではペテガリ岳からルベツネ山に向かう稜線で黒毛和牛のようなヒグマと出遭い、トッタの泉近くでは潜んでいたクマが突然現れて猛ダッシュで逃げて行ったり、八ノ沢カール稜線に上がるときに親子熊に登山道を塞がれたりと、至近距離での遭遇経験はヤンカ山をプラスすると4回になります。あとは日高の山のカールでの幕営場所とか、稜線から見下ろせる場所では毎回、複数のヒグマを目撃することとなっていました。
飛行機の関係で熊スプレーは持って行けませんが
・ ノコギリは、ヒグマとの格闘になった場合に切りつける
・ 一定程度距離がある場合でヒグマの動向が見定められない場合は、雨衣の上、アウ
ターなどを広げて大きく見せた(幌尻岳から北戸蔦別岳の帰途の斜面で)
・ 山には登らなくても沢に入って山麓に進み秘密の花園を訪れるときには、2リットル
の空のペットボトルをペコペコ(大きな音になります)鳴らして歩く(北海道の猟師の方が書いた本にヒグマよけとして紹介)
等の対策をしています。
いずれも、備えることによっての心構えができると思っています。なお、大きなカウベルは常にザックにくくり付けて鳴らしながら歩いています。普通の山道具屋には売っていませんが、札幌なら秀岳荘にあったと思います。
北海道の山は、野趣にあふれ、人情にあふれ、花々にあふれ、本当にいいところですね。
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