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https://www.asahi.com/articles/ASR7N546TR7MIIPE01D.html?iref=pc_rellink_03
以上は、朝日新聞デジタル版からの抜粋である。
この記事で重要だと思ったところは「私の持っていた物の匂いに興味を示した」という部分だ。その理由は、次のとおりだ。
日高山脈の縦走からの帰途、いつもの田園風景の中にある農家の屋敷林の雰囲気が違うので、その理由を確かめたくて聞いた。この屋敷林は大平原の中にあり、ヒグマが潜みそうな河川からは10km 以上離れている。
屋敷林には、見事な「サルナシ」(キウイフルーツの原種のようなもの=地元では「コクワ」)のツルがカラマツの樹に数メートルも伸び、たわわに実がなって芳香を放っていたのだった。
聞くと、「苗で植えたコクワの樹が育って大きくなり、実をたくさんつけるようになった翌年、熊が来て実をすっかり食べて行った。何十年とヒグマなど出たことのないところだったので、怖くなってコクワの樹を取り去った。」とのことだった。
つまり、熊の臭覚は鋭敏だということを物語る。10数キロ先の北海道の平原の中の農地にあるサルナシの実の臭いをかぎ分けられる能力を持っているということではなかろうか。登山道で、幕営地で、人様が持つ食料の臭いを嗅ぎつけてヒグマがそれを自己のものとしたい→登山者がそれを防ごうと抵抗したり、取り返そうとしたとき、どのような結果が招来するのだろうか。
1970年の日高山脈・カムイエクウチカウシ山におけるヒグマによる大学生3名の死亡事故は、ヒグマが登山者のテント内の食料を狙ったことに起因するものとのことである。
本州でも山中でマタタビの実を見かける。酉谷山避難小屋への東大演習林・大血川登山ルートの林道周辺には晩夏、たわわになった実を見かける。
酉谷山避難小屋の近くの登山道脇で、ツキノワグマに2回遭遇した。人工林のカラマツの木の上にいた。つる性の植物があったのではなかろうか。
なお、大千軒岳のヒグマによる死亡事故は大学生の単独登山の途次だったとのことで、事故の詳細は分かっていない。
参考1
ヒグマの食べ物シリーズ〜
「知床財団ヒグマ対策 ヒグマ サルナシ」で検索
参考2
カムイエクウチカウシ山でのヒグマによる死亡事故
「ヒグマによる人身事故から環境教育の課題を析出する試み
〜カムイエクウチカウシ山における遭難事故を事例として〜」で検索
参考3
ヤマレコ日記
人を喰う熊も悪いが・・・(2025)
https://www.yamareco.com/modules/diary/25396-detail-367141
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