職場に来訪した方への対応に際し、担当者が先様に差別的と取られかねない言葉遣いをしたとのことで、その方が収拾のつかないほど激昂されました。このようなときは、経験的に「上司を出せ」と言ってもらったほうが何かと解決の道筋が開けるので、応接室にお招きしてお話を聞き、次に担当者からも先様との間でどのようなことがあったかのかを先様の前で話を聞いて、担当者に非があれば担当者も私からもお詫びする、こちらが悪くなければ謝らないが、そういった感情を持たれたことについては申し訳ありませんでしたといったような感じで矛を収めてもらう算段をしたのでした。
その方は人権問題について特別に強い意識を持たれて活動されている方でしたので、ちょうど読み終わった先述の図書のことをお話しし、その本を読むに至った経緯と理解した内容についてお話しし、そのような観点で日常業務を采配していることを述べたのですが、さっと表情を変え非常に柔和な顔に戻ったのでした。
私は今、職業を替え、生産した野菜を「毎日、毎日」売っているのですが、職業を替えただけで、県庁の職員となった人より「頭脳」も「知性」も低いと見られることもあるのでしょうね。そのニュースを聞いてから、そうか、今までの仕事を離れ農民になった今は、社会的身分としてはそのような見方をする人がまだこの世にいるのだなと、ちょっとモチベーションが低下傾向にあります。
そういえば山登りもデフォルメすると、単純に両足を交互させて前進するだけのことです。だから登山を趣味とする人たちも、知性も何も持たない者の運動だと言われかねません。それが単純で考えることの必要もないつまらないものであったら、30年近くも山登りは続きませんね。
件の静岡県知事のスピーチ全文を読みましたが、その問題発言を除けば(外部にリリースされていないところにも別の差別的発言があるようですが)、平易にかみ砕いてわかりやすく説いているので、客観視すればいいスピーチだと評価してもいいものと思ったのでした。心に深く染み付いてしまっている差別意識や人を見下げる差別感情が、図らずもちょっと頭をもたげて本心をさらけ出してしまったということなんでしょう。
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