2015年1月7日付けの「中国新聞」を見て驚いた。31頁の社会面になんと6段抜きで
むのたけじ氏についての記事が掲載されていたのである。 見出しは「反戦訴え 命の限り」そしてサブタイトルには「ジャーナリストむのたけじさん 2度のがん治療越え100歳」とあった。
むの氏については今から50年前の学生時代、今は亡き友達の紹介で「たいまつ」（書名は間違っているかも）やら「踏まれ石の返書」などを読んで日本にもすごいジャーナリストがいるものだとひどく感動したものだ。その友達は、むの氏の影響を受けて幸い朝日新聞の記者になったもののインタビュー中に突然くも膜下出血に襲われ半身不随となった。その後車いすに乗りながら記者生活を送っていた（本にもなった）が、残念ながら若くして亡くなった。そんな事を思い出しながら記事に目を通したが、１００歳になっても舌鋒は今なお健在とのことで驚くより他はない。
私は8年前の2007年8月15日に横手市の自宅に訪れたことがある。山が好きで和賀岳に登っての帰途、横手市を通るのでかねてより訪れてみたいと思っていたのである。
いろんな人に尋ねながらやっとの思いでむの氏の自宅にたどり着き、運よく本人に会う事が出来た。今から思えばその当時は92か93歳、小柄ではあったがしゃきっとされていた。学生時代に読んだ本が今でも忘れられず、広島から来て立ち寄らせてもらいましたと言うと同じような人が年に何人か訪れて来るとのことだった。
めったとないチャンスだから何か書いて貰おうと思ってもそれなりの紙がない。結局自前の手帳に書いてもらい今でも大切にしているが、それには「希望は実在する 絶望のど真ん中に むのたけじ」と書かれている。メモに近い物であるが私にとっては大切な宝物である。
それにしても地方紙である「中国新聞」がなぜこれほどまでスペースをさいて掲載したのだろうか。むの氏を知ってるのは果たしてどれ位いるのだろうか。いずれにしてもよく 載せたものだと改めて感心する同時に一昔前の中国新聞では考えられない事だ。
cario さん、今日は。 初めまして。mesner と言います。
私も、むのさんを大変尊敬する者です。
むのさんは、戦時中朝日新聞の記者でした。朝日新聞（朝日だけではありませんが、全ての新聞）は戦争を煽り、大本営発表を、うそのまま報道しました。
それに対して、むのさんは、新聞社が反省しないのに対し、自分自身を反省して新聞社を辞められました。自分なりの責任の取り方だったのだと思います。
学校の先生その他、これに類した事で、他の分野でも沢山あったのですが、戦後は知らぬ顔で民主主義を説く人が多い中、むのさんのような人はほんの一握りの人です。
口先だけで、信用できない人間が多い中、本当に信頼できる人だと思います。
コメント有難うございます。
せっかく横手まで来たのだからむのさんに会わない手はないと思い、色んな人に尋ねてやっとの思いで会うことができました。まさに感激そのものでした。
むのさんのような生き方はなかなかできないですね。私自身、まったく個人的な趣味の世界にとどまっていますが、若いころはノンセクトでよくデモにも参加していました。また山が好きで、比良山には四季を問わず登っていました。
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