私は市境縦走や「西中国山地」(故桑原良敏氏著)を終え、現在は島根と広島との県境の山や全国の主な山々などを目指して登っているが、自分にとって誇れるものはこれらの記録を大学ノート(ほとんど100頁もの)に概念図を含め45冊手書きで残している事だ。
私が山に登り始めたのは19歳の夏で今から52年前。幼い頃は武道にあこがれ中学時代は町の道場へ通い、そして高校3年間は柔道部。しかし体にもあまり恵まれず試合に出ても殆んど一回戦負け。大学に入っても好きではあったが続けられる自信はなく柔道はあきらめた。
ところがどうしたものか大学1年の夏休み、高校時代の同級生に誘われて広島県の最高峰、恐羅漢山に登ったのである。三段峡から牛小屋高原に向かい、その日は牛小屋高原(その当時、周囲には何もなかった)で露営。初めてテントで泊まるとあって気持ちはいささか高揚気味。ところがそれ以上に気持ちが高ぶったのは夕食後の夜景。月が夜空にぽっかり浮かんで周囲の景色が月明かりに照らし出され、見たこともない幻想的な世界が眼前に広がったのである。あまりにも美しい光景に、言葉を忘れてしまった。と同時に山登りの素晴らしさを改めて思い知らされ、これをきっかけに山に登り始めたのである。
夏休みが終わると早速大学の山登りのサークルへ入った。始めのうちは岩登りや冬山は危険だから絶対に行かないと自分に言い聞かせ、もっぱらハイキング程度の低い山しか登らなかった。
ところがどんどん登っているうちに低い山では物足りなくなり、いつの間にか高い山とか難しい山にも登りだした。そして2〜3年生になるとそれほど難しくはないが、剣や穂高の岩場や北アルプスや南アルプスなどの冬の山にも登るようになり、今は亡き母親を随分心配させたものだ。
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