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平成16年、厚木市が当時の小泉政権が策定した地域再生制度を活用し、山麓から大山の山頂をロープウェイで結ぶ計画を申請しました。名目は「自然学習拠点整備による再生計画」で、大山周辺の自然に触れるための施設やバリアフリーな交通路を整備して観光客を誘致、経済を活性化させるというものです。大山周辺への観光客が30%増加し、観光業や飲食業などに大きな経済効果が見込まれるとしていました。
ロープウェイへのアクセス道路となる二ノ足林道を一般車進入禁止とし、広沢寺温泉から不動尻まで30人乗りのシャトルバスを運行。不動尻に山麓駅を設け、山頂までの高低差800mを60人乗りのロープウェイで結ぶ計画でした。
狭い山頂にロープウェイの駅舎を建設したり、算定根拠も怪しい経済効果を謳ったりと、いろいろ無理があるのは素人目にも明白ですが、地域再生制度の第一回の申請で認可されています。そもそもなぜ鉄道駅からのアクセスが容易とはいえない不動尻にロープウェイの山麓駅を計画したのかと思ったら、厚木市の市域が大山の北西に細長く伸びていたからなんですね。大山山頂は厚木市、伊勢原市、秦野市の境界ですが、他の2市とは全く無関係な計画です。
結局、大山ロープウェイ計画は市民団体や自然保護団体の反発を浴び、厚木市議会は「ロープウェイ建設による自然破壊が自然に親しむ目的と矛盾する」として計画を中止にしています。「自然学習拠点整備による再生計画」自体も立ち消えになったのか、厚木市webサイトに情報は見当たらないのですが、首相官邸ホームページに記録が残っていました。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/tiikisaisei/kouhyou/040621/dai1/076toke.pdf
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