「無理偏に拳骨」と書いて兄弟子と読む、というのは相撲界のことだが、最近の報道によると、部屋の親方のことも指しているようだ。これは新しい発見だった。
新潟県出身の力士、時太山(ときたいざん)が暴行されて死んだのは、親方が見守るけいこ場でのことだった。それこそ親方から兄弟子までの「絶対的な服従」のもとに「かわいがり」が行われ、親方も弟子たちも罪に問われた。下位の者は物いえぬ相撲界の体質が生んだ悲劇だったと思う。横綱日馬富士の引退も、そのような体質の延長線上にあるのではないかと思う。
今回の事件で、私が不可解に思うのは、これだけの騒動になり、連日、これでもかというほど報道されながら、被害者の動向が一切わからないことだ。重症で相撲が取れる状態にない、というが通院しているのか、入院しているのか? 本場所は休みたくない。仲直りの握手をした。という報道もあるが、部屋には目張りされていて中はうかがい知ることもできないともいう。被害者はこんな騒動をどう思っているんだろうか。暴行した日馬富士が引退して、万々歳とでも思っているんだろうか。報道は過熱し、憶測が憶測を呼び起こす。
余計なお世話だといわれるかもしれないが、私は、貴ノ岩はこれからどうなるのかなあ、と心配している。今場所は全休だから来場所は十両だ。怪我が治ればいいが、おそらくその次の場所も全休であろう。だとすれば幕下だ。関取から取的へ陥落する。待遇は天と地の違いだ。
貴乃花親方は、相撲協会の民主的な改革を目指しているということですが、その中に弟子の「生殺与奪権」を握っているような状況の改革もお願いしたい。近い将来相撲界から「無理偏に拳骨」という言葉が消え去ることを願っています。
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