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GPS等電子地図、紙地形図+コンパス、いずれもメリットとディメリットがあります。
ちなみに私は両方携行しています。
ただGPSばかり使ってしまうと、他人のログや山と高原の地図ベースの赤実線だけ追いかける、つまりは「線」としての登山、カーナビ登山しかできなくなります。
したがって電子機器はあくまでバックアップとしてザックの片隅に携行し、本当に複雑な場合のみ使用する程度にしています。
地形図を事前にカスタマイズして、山全体の地形がどういう特徴を持っているのか、
歩く予定のライン上でどんな地形の変化があるのか、そしてリスクポイントはどこでどう注意するべきなのか、を机上で把握して現場でそれらを注意深く観察する習慣が身に付けば、道迷いのリスクはほとんど回避できます。
そして地形図の予測が現場で照合したときに今まで見過ごしてきた新たな発見があり、山を「面」として捉えることができ、登山のスキルと視野を格段に上げていけるでしょう。
また他人の辿った軌跡だから大丈夫とは言えません。
他人がたとえ簡単、明瞭と書いてあったとしても、自分には難しいとか無理無謀な箇所が当然ありますので、それは力(技術)の問題になってきます。
この自身の「力」をルートグレードと相対化できないと取り返しのつかない事態に陥る可能性が格段に増えてしまいます。
それから同行するメンバー(特にリーダー的な人)のリスクマネジメント能力、パーソナリティ(自尊心の強い方、行け行けGOGOな方、根性論を引き合いに出しがちな方etc)によってもリスクは高まります。会社でもそんな方は大勢いて困っている人も多いでしょうが、街中なら直接的な事故は希薄ながらも、人間が管理できない自然の中では命に直結してしまいますので怖いものですね。まあもし同行者がそんな方なら一緒に行かない方がよいのかもしれません。
地形図をカスタマイズするということは、遭難回避の術という側面、山を観察して経験値として増やしていく側面などがたくさん詰まっている技術だと思います。
そして実際に登った箇所の心象をメモして、帰ってから清書すれば、その山行を総括できるというものです。
記憶は時間とともに経年劣化してしまいますが、記録はその時その場で当時の自分がどう感じたかが明確に残りますから。
2020/8/30に9月号に紹介した世附権現山を地図読み講習で歩きます。
雑誌で予習してご希望の方は是非実技へお越しください。
http://mt-farm.info/
(詳細はスケジュールページご参照ください)
ついでながら立て続けに『ワンダーフォーゲル2020/10月号』に1ページほど質問形式の投稿をさせていただいております。
「ソロ登山」が本書のテーマで、その計画、実践、安全対策、考え方など教本レベルの一冊になっています。
amazon、楽天などWEB上で購入もできますのでよろしくお願いいたします。
次は『岳人11月号』に丹沢での道迷い遭難について少しだけ執筆させていただきましたのでこちらも併せてよろしくお願い申し上げます。
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