昨日は、訛りの話でたわいもないことを書いてしまいましたが、その後思い出したことがあったのでもう一つだけ書いてみます。今回のほうが少しはマシだと思います。
以前、長塚節の小説「土」を読んだとき、そこに明治時代の茨城の農民が話していた言葉がそのままリアルに書かれいたことに驚いた記憶があります。
教科書にも載っている有名な作品なので読んだ方も多いかと思いますが(多くはないか)、茨城県人以外、まあ隣県人くらいは別として、他地方の人があの話し言葉をどのくらい理解できたのか興味があります。もっとも薩摩弁とか津軽弁などのほうが、その点では上かと思いますが。
それは置いておくとして、この作品が発表された当時も、一部の理解のある専門家は別として、一般にはあまり受けなかったといわれてますが、まあそうでしょうね。
今なら尚更でしょうが、当時でも会話の部分を理解するのはかなり難しかったのではないでしょうか。
私はほぼ9割がた意味が分かったし、描かれている当時の農村の状況などもある程度は理解できたので本当に素晴らしい作品だと思いました。
その長塚節の生涯を描いた藤沢周平の小説「白き瓶」はその前に読んでいたのですが(「土」を読むきっかけになったのがこの本)、もしこれから「土」を読もうと考えてる人がいたら、まずこの小説を読んで長塚節の人物像を知ったうえで「土」を読むと、ずっと理解が深まるし共感できると思います。
私はこの本を読んで(最後のあたりは涙を拭いながら)長塚節という人物に惚れてしまいました。といっても歌心などはまったく持ち合わせていないので上記2作品以上に深入りはできませんでしたが。
もっと長生きして「土」に続く作品を書いてほしかったですね。
*YouTubeで「土」(内田吐夢監督作品)が見られますね。まだ途中までしか見てませんが、文章よりもかえって言葉がよく分かりません。古い映画なので音質の問題かもしれませんけど。
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