今年は天候が安定しないばかりか、当日の天候急変も多い状況が続いています。
このため、今年は例年以上に慎重に天気を見極めて山行山域を選択し、山行の可否を判断しています。
このような中、皆様の参考となりそうな天気予報の収集先を、参照・活用方法とともに情報展開します。
天気の素人の自分の範疇ですので、わかりやすいと思います。
他にも良い情報があればご教授ください。
1.てんきとくらす
https://tenkura.n-kishou.co.jp/tk/kanko/ka_type.html?type=15
天気を俯瞰的に見るために、まずはこちらを見ます。
「まず間違いなく天気は安定していて大丈夫!!」と判断できる時はこれ以上は見ません。
ただし、てんくらは、全体的に予報精度は低いと感じています。
特に風向風速や気温の精度はちょっと低いかと。
雨量については、麓の市町村を参照しているだけなので、参考程度と考えるべきかと思います。
ABC判定もかなり曖昧で、この判定だけで判断するのはとても危険であり、逆に登山日和を逃すことも多々あるかと思います。
そこで詳細を見る場合は、以下を参照しています。
2.山の天気予報 Mountain Weather Forecast 日本語マップ
http://madoroming.info/mountain-weather-forecast-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%97/
ちょっと使いこなすのにコツと慣れが必要ですが、かなり重宝しています。
表示上で注意すべきは、風速と雨量です。
風速はキロ/時なので、m/s換算だと、大体3.5で割れば良いと思います。
自分は安全を見越して、より悪条件下で想定するために3で割っています。
例えば表示上風速30キロ/時であれば、10m/sと想定しています。
こちらの風向・風速は結構あてになると感じています。
雨量については、山頂における各時間帯の総雨量となっています。
例えば午後3時〜午後6時で9mmの場合、1時間あたりは3で割って3mmです。
ここの表示で、詳細表示のボタンを押すと1時間間隔での表示になるので、そちらを見た方が良いです。ちなみに3mm/hの雨量は、1時間の総量なので注意が必要です。
天候も曇り、雨、晴れだけでなく、ストーム、雷など絵で表示されているのでイメージしやすいです。ただ、ちょっと大げさな予報のことが多いような気もします。
その他、山頂で想定される最高気温、最低気温の表示もありますので、最低気温を想定した装備の準備には役立ちます。また、標高ごとの想定気温も表示されています。
凍結レベルの標高表示などもあります。例えば標高5000mで凍結するよ!!とかが分かります。当日3000m山頂だが、凍結が3500mの場合、予報よりも天候悪化したり、北風の吹込みが強い場合は、山頂の3000mでも凍結する可能性があるということも想定できます。
さらに天気図まで見ることができるので、数字だけでなく、色々とイメージした上で自分なりの想定も可能です。
次は具体的な雨雲の参照先です。
3.tenki.jp
https://tenki.jp/
こちらは雨雲レーダーを参照するのに重宝しています。
雨雲レーダーをズームすると無料で15時間先までの雨雲の動き見ることができます。
ズームも自由自在なので、自分が行く山だけでなく、これからやってくる西のどのくらい離れた場所にまとまった雨雲があるかどうかも把握しやすいです。
ただし、3時間以降の予報は、実際よりも大げさであったり、雲の動きがおかしい場合が良くあります。ですので、突然、雲の動く方向が変化するような予報となっている場合(それはちょっとあり得ないだろー!!と感じるレベルの場合)は、それまでの動きの延長で自分なりの想定をすることも多々あります。
4.その他
山テンは有料の山専用天気予報だけあって、かなり良さそうです。友人が有料会員なので見せてもらったことがありますが、可能性として天候悪化した場合についても詳細な情報が得られます。ただ、可能性が低い予報まで出てくるので、「山テンは注意するのには良いけど、あまり重視すると、マイナス感情になり嫌になる」と言われていた方がいました。でも、本当はその位の方が良いと思います。
上記以外に自分なりの天気想定ですが、天気予報は大体6時間で1回更新されることが多いようです。ですので、2~3回くらいの更新履歴を確認して、
・前回予報より今回の予報が上向きな場合は、現状の予報より明日はさらに良さそう
・前回予報より今回の予報が悪化傾向の場合は、現状の予報より明日はさらに悪そう
などと推測しています。
こういった確認をすることで、泊りの山行中でも、下山を1日早めたり、1日延長したり調整しています。
良くあるのは、予報では15時から雨と強風だったけど、12時現在で雨が降り出している・・・というような時。この場合は、頭の中で3時間天気予報を前倒しするだけでなく、一回り位、荒天となる想定で雨具などの装備や食料摂取を心がけています。荒天時は雨具も着れませんし、食料も摂取できませんので。荒天時に行動しなくてはいけない状況もありますので、事前にきちんとして装備と十分な食料を摂取して備えています。
雨に関して言えば、個人的には、1mm/h程度がまともな行動ができるMAXの目安としています。それ以上の予報や1mmがずっと続く予報では基本的に山に行きません。3mm/h以上の行動はリスクが跳ね上がると思います。強風下だと前が見えない程度かと。レインウェア全体が濡れるので、透湿機能も発揮されず、内部は汗でびしょびしょになり、あまり役にたたないと思います。夏の高山稜線上で比較的気温が高くても(10~15℃)、15m/sといった強風下、2時間以上では低体温症のリスクが高いかと思います。
あとは、強風予報の時に風向と稜線の位置、登山道の位置を確認するとか、荒天時には樹林帯に逃げ込めるコース設定にするとか工夫しています。
独立峰に関して言えば、大体、予報よりも天候悪化することが多いです。特に風は遮るものがないので予報を上回ると考えた方が当たります。対して山脈などでは地形的な影響で風向や風速は変化しますが、コルでは風が収束して、局所的に強いことが多いです。北岳山荘あたりのコルなど、両側が切り立った斜面にある場合は、下からの上昇気流が発生することが多いので、強風時は特に注意した方が良いです。上昇気流は踏ん張りようがありませんので。
風速については、森林限界においては、大体15m/s位ではハイカーや一般的な体力の方は普通の歩行ができなくなり、リスクがあがると思います。この風速だと、足を踏み出した時に、想定した場所から足がスライドして想定外の場所に足が着くようになります。ですので、やはり15m/sの予報を山行可否の一定の目安にして、あとは各自の体力、体格で経験則から判断した方が良いと思います。
対して、ある程度体がしっかりしていて慣れている方は20m/s程度までは行ける人もいます。自分の場合は20m/sの風速でピークハントや短時間であったり、向かい風でなく天候が良い時は登山をすることがありますが、最初からそのような予報となっている場合は基本的に避けます。最大風速はさらに+5mを想定した方が妥当だとおもっており、25m/sの突風が吹くと、さすがに押し倒されます。逆に常に一方方向から20m/sの風の場合は、遅いながらも重心を風側に傾けることで、意外と安定して歩けることもありますが、雨だったり、残雪期で雪の破片が目などに飛び込んでくる場合は危険です。そもそも、安定して20m/sの風なんてことは、滅多にありません。
この他、重要視しているのは、現場での観天望気です。これまでの経験を騒動員すると、大体直近2~3時間程度の天候はほぼ正確にわかるものです。荒天に関する場合は、その直感を一番大事にしてリスク低減しています。極端な例としては、一気に湧き上がるような積乱雲は、雨雲レーダーには表示されないことも多いです。こんな時は天気予報などくそくらえです(失礼m(__)m)。今、自分の目の前で起きている現象を一番大事にして、緊急の対応を考えています。
以上です。
追記
自分なりの雨雲レーダーの活用の仕方です。
雨雲レーダーの予報は3時間くらいまでは大体あうことが多いですが、それ以降は実際と乖離することが多いです。こういった場合、前回予報と実際がどの程度ずれたかを把握することで、翌日の雨雲レーダー予報と実際のずれを推測して、山行のリスク低減しています。
例えば、先日の例ですと、9/1(木)の雨雲レーダーでは、9/2(金)の中央アルプスより南側まで赤い雨雲がかかる予報でしたが、実際の9/2の雨雲はかなり北側まで伸びて、中央アルプスの北部までおおように真っ赤な雨雲がかかりました。
9/2(金)の時点で9/3(土)の中央アルプス山行も検討していたので、9/2のに9/3の雨雲予報をみたところ、雨雲はほぼかからず、小雨が短時間の予報となっていました。しかし、同様の天気が継続する様子があったため、9/1の予報と9/2の実際の雨雲の誤差と同様の事象が発生すると予測し、おそらく9/3は赤色の雨雲がかかる可能性が高いと考え、山行をやめました。結果的にこの予測はあたり、9/3は終日雨で、午前中に赤色の雨雲が2回ほど通過しました。
このように天気予報も雨雲予報も、1、2日前からの予報と実際の誤差を把握することで、翌日の天気予報と実際の誤差も把握して山行リスク低減をしています。
以上です。
ご存じの方も多いと思うのですが、私はこちらを愛用しています。
「Windy.com」
https://www.windy.com/
(スマホ用アプリあり。基本無料)
・任意の地点の各種予測値を得られる。
・「点」ではなく「面」の傾向を、視覚的、直感的に得られる。
この二点をメリットと感じています。
「今度の週末、どの辺のエリアの天候が良さそうか」
「良さそうなエリアからピックアップした山の詳細な予測はどうなっているか」
の繰り返しをシームレスに行うことができ、行く山を決めるのに重宝しています。
あと、グラフィックがきれいなので、見ているだけでも楽しい、というのもあります(^^)
そういえば、これありましたね。
見て楽しめる天気予報!
素人でも直感的にわかりますね。
しかも相当先の予報まで出てるんですね。
拡大して市町村名をクリックすると、1時間単位で詳細情報も出てきますね。
これ、現場仕事でもつかえそうです。
ただ、良くわかるだけに、この先の天気は見れば見るほど絶望的で・・・・、今だけは楽しくないですね・・・。
情報、ありがとうございましたm(__)m。
追記:ちょっと重そうですけど、電波が安定しない山でもスマホ版はそこそこ動くのでしょうか?
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