燕岳専用アイゼンとYouTubeの弊害？

雪山シーズンが近づいて来ました。

例年、来店されるお客様に質問される事があります。

例：「燕岳に行く為に必要なアイゼンはどれでしょうか？」

上記はあくまでも例なのですが、実際にこのような質問を毎年必ず数件は頂きます。

「何かを資料などを見てご来店頂いたのでしょうか？」

と言うと、

「〇〇というYouTubeを見て、その動画の中で紹介されていたので、探しに来ました」

というお返事が非常に多いです。

雪山をある程度されている人でしたら分かるかと思いますが、燕岳専用アイゼンというのはありません。八ヶ岳専用もないし、剱岳専用もありません。

そんな事は当たり前だと思う人が殆どでしょうが、一定数そのようなアイゼンがあると思い込んでいる人も実際にいらっしゃいます。

なぜそのような勘違いが起こってしまうのでしょうか？




YouTubeや短文で読み易いコラムなど、短時間で道具を紹介するような媒体は細かい説明を割愛して、視聴者が容易に、気持ちよく答えを導き出せるように作成されています。

その理由は簡単で、ダラダラと長い説明は視聴者が飽きてしまい、動画やコラムを途中で離脱してしまう為です。

つまり、YouTubeやコラムの道具紹介は、あくまでも視聴者が楽しむ為に作成されていて、適切な道具を選ぶ為に作られていない（全ての動画がそうではありません）事が、勘違いの原因かと思います。




この場で自分がどのような方法で道具を選べば良いか？という答えを出す事はできません。というか、自分も正直どうすればいいのか迷っている所です。

やはり、様々な専門店を訪れて質問攻めにしたり、雪山経験が豊富な周囲の登山者にアドバイスを求めたり、ガイドさんに動向してもらいアドバイスを貰うのが良いのではないかと思いますが、それも正解ではないのかもしれません。

また今シーズンも答えの出ないまま、自分なりに精一杯お客様のお話を聞いて、話し合い、可能な限りベストな道具を選ばせて頂く事になりそうです。

あと何年かしたら、完璧な答えを出せる接客が出来るようになるんでしょうかね_(┐「ε:)_

今のところ、そんなビジョンは見えません...