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今晩のうちに。県道36号線を通って、とりあえず黒姫を越えて上越市に向かうことにした。山と高原地図でみる限り途中が入り組んだ複雑な道路のように記されているが、道は非常に走りやすい二車線の道路で、爽やかな新緑の林の中を進んでいく。途中で自家製ベーコンのお店が目に入る。車は通り過ぎてしまったが、今晩の食材を手に入れたいと思っていたところ、もう一軒、「らんぷ屋」という瀟洒なcafeにも自家製ベーコンの文字が目に入り、思わず立ち寄ることに。神告げ温泉の前の水をかなり飲んだものの、一向に喉の渇きが癒えなかったため、まずジンジャーエールを頂く。
店の中には様々なものが売られているが、気がせいていたせいか、目を留めている余裕はない。若い女性の店員さんに、この辺りでシュラフが手に入るところはありませんか?と聞くと「黒姫の駅前通りにある砂山というスポーツ用品店で手に入るかもしれません。あるいはホームセンターのコメリがあります。」
店内を出ると店の前には白い山野草が売られている・・・葉はどう見てもニリンソウであるが、花が見慣れない・・・八重のニリンソウらしい。店のガーデンには多くの花が咲いている。ここで時間を潰したいのは山々だが、少しでも早くにシュラフを手に入れて、次の登山口に向かいたいところだ。後ろ髪をひかれつつも、またいつか立ち寄る機会が遠からぬことを願い、一路、黒姫駅に向かう。家内が砂山スポーツ店に電話をすると「倉庫にあったかもしれませんから見てきます。確認してお電話します」とのお返事。電話がないままに黒姫の駅前に着いたので、店を探すと、表現は悪いが果たして何を売っているのか分からないような小さな店がある。駅前通りというには周りに何もないようだが。
店に入ると、ご主人が「倉庫から出してきたところです。」店にあった唯一のものがVaude(ファウデ)社のシュラフ Sioux500というもの快適温度は3度以上、最低使用温度は-11℃〜とのことだが、かなりコンパクトだ。しかもシュラフのサイドにはベルトが付いているので、リュックに外付けで固定出来る。ふと窓際をみるとMSRのライトニング・アッセントがいくつか。値段をみて驚いた。4万円以下で売られている・・・良心的な値段ではないか。ご主人は嬉しそうにスキー用品もかなり良いものが安いんですと。後で調べてわかったのだが、このシュラフは現在では流通していないものであるが、相当にパフォーマンスの良い佳品であった。
ご主人は勿論、妙高、火打には登山のご経験がある。午後15時頃になってしまい、この時間から火打にアプローチするには笹ヶ峰しかないのであるが、「火打山に登るのに妙高側の燕温泉から大倉山、黒沢池を越えてアプローチするのは如何でしょうか」とお伺いしてみると、「この時期、そのルートは絶対にやめた方がよい。登るなら笹ヶ峰からにしなさい」とのことであった。勿論、この時間から笹ヶ峰から登ったとしても、幕営可能な富士見平に辿り着く前に日が暮れるのは必定なのだが。
シュラフを失くしていなかったとしたら、そして高妻山から順調に午前中に降りてきていたとしたら、妙高側から登りはじめていたかもしれない。後に判明するのは、このルートは数年前の大雨で崩落して、通行不能となっているようだ。さらに冬の時期の妙高は到底、登れるような代物ではないということも。怪我の功名とも云えるかもしれないが、シュラフを失ったことよりも自然に帰さない人工物を山に遺してしまったことは残念きわまりない。改めて事前の情報の情報収集の不足を反省すると同時に、様々な人に教えていただいた情報の有り難さが身に沁みた日であった。
前日からの高妻山の山行
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1444050.html
同日の火打山の山行
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1444386.html
スポーツメイト砂山
http://www.sunayama.info/
ああー、また落し物
谷底では収集は厳しいですね。
こんにちは、yamanekoさん。
人工物を置いてきてしまった心の痛みより
金銭的なダメージの方が堪えそうです、私だと
では、気を付けて楽しんできてくださいませ。
コメント有難うございます。
次のdoiさんのコメントの通り、新しいものはとても気に入っていて、愛着が湧きそうです。
それはそうとCafeランプ屋の写真、八重のニリンソウの写真を一切撮っていなかったのが、以下に気がせいていたかという私の焦燥を反映しているようです。花が咲いたら写真をお届けしますね。
ディテールも素晴らしくユーモア豊かなレポート。コーヒーと一緒に楽しませて頂きました。
シュラフを買いに来たのに、様々な事に常日頃からアンテナを張ってらっしゃる氏の目移りする様が可笑しみを誘います。
その上、勉強にもなりました。
落としたシュラフは残念でしたが、新しく手に入ったシュラフはその経緯と共に愛着の品になるんじゃないでしょうか。
早速のコメント、有難うございます。そうですね。このシュラフ、実はかなり気に入っています。
ちなみにスノーシューは奥様とものがウィンドウに飾られていました。
気がせいていたせいか写真を撮っていなかったのが残念で、「Cafeランプ屋」も、もしも戸隠方面にいらっしゃることがあればお薦めです。
今朝は早朝から起きて、ようやく先程、火打山のレコもアップさせて頂きました。私もコーヒーで一服です。
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