昨日のこと、76歳になる父と日帰り登山に出かけました。この敬老の日の三連休、本来は白馬岳に2泊の予定だったところ生憎の天候で諦めたのですが、どうしても行きたかったようです。日帰りでどこか探してくれとのことだったので中央線沿いの百蔵山を計画してみました。ところが父は嫌だったようで、丹沢の大山を麓から登ってみたいとのこと。日帰りの標高差1000mです。
実は3年ほど前、日帰り900mのところに同行したことがありまして、その際に父が転倒したことがあります。転び方も足が萎えたような具合で、へなへなと尻もちをついたものですから、もうこの標高差は無理と感じたことがありました。ですのでまだ暑いこと、悪名高きヤマビルのこと、大山はそれなりに傾斜があることなど伝えて説得を試みたのですがその意志固く、どうしても大山がよい。そこまで言うなら仕方がない、というか人の話を絶対に聞かない人だからなあ…ケーブルの上の駅までもそれなりにきついし、神社にお参りしてケーブルで降りてもいいか。同行することとなりました。
実際の山行はおおよそ予想通りで、数匹ながらもヤマビルの姿をみかけたり私は私で初のヤマビルキスマークをつけられたり、前々から疑問だった「ヤマビルにイカリジン系の忌避剤が効くのか」の謎が解けたり(ばっちり効きました。天使のベープ一吹きでコロリととれます)あれこれしながら、ともかく神社までは到達しました。
やはり父、かなり疲れが見えます。ケーブルが動くまでのんびりしてから下山かなあ……ところが父、なんとしても山頂まで行くとのこと。本当に大丈夫かとヒヤヒヤしたものの頑張りを見せ、山頂までの標高差1000mを登り切りました。立派だ、我が身内のことながら……と言いたいところですが、登ったら下りなきゃいけません。下山が済むまで安心はできないのです。
案の定というかなんというか、下山中に膝が痛み始めたようでさあ大変。私はヤマビルよりもかよわい山オジサン、背負い搬送ができるほど強靭ではありません。どうにか自力で歩いてもらわないと遭難事例を増やしてしまいます。アワアワしながら考えまして、膝のどこが痛むかと聞くと内側という。ならば鵞足炎?確かに父の足運びはトゥーアウト気味、太腿の前は酷使しているはず。でも鵞足って……ど、どこだっけ。
事後に調べたところ、鵞足は太腿の内側、裏側の筋肉が膝の内側で結合しているところ。縫工筋と半腱様筋、薄筋の3つに関係しているようです。ところがその時はふくらはぎに関係していると誤って理解しておりまして、ふくらはぎのマッサージを試みました。以前スポーツ整形の先生に教えてもらった、「筋肉は圧迫して動かせば柔らかくなる」との言葉を思い起こして、しかし圧迫箇所は間違えながら父のふくらはぎをマッサージします。そうしながらも、父の歩き方からして太腿は絶対に酷使しているはず。そして私もいま、内転筋をグリグリしながらO脚の矯正を試みているのだっけ。父もO脚ですし、ええい全部もんでやれ!
という具合に当てずっぽうの手当たり次第にマッサージを試みまして私、「こんなんで治れば誰も苦労しないよなあ」父「気休めだ、気休め」などといいかわしたあたりでこんなものだろう。下山を再開して具合を聞いてみたところ、なんと痛みが取れたそうな。いやそんなばかなと自分で言うのもなんですが、父はよろず我慢してしまう方。本当に痛くないならいいけど痛いなら痛い、辛いなら辛いと言ってくれる方が周りはかえって安心できると説明しても、いや本当に楽になったとのこと。うーん……
ちょっと揉んだくらいで治るほど登山中の痛みって簡単じゃないよなあと不思議ながらもともかく無事に下山を終えられたので、ひとまずはよかった。父を家に送り届けて自分も帰宅し山道具を片付けて夜、鵞足の場所を調べてみると先述の通りでした。そんなシロウトマッサージが効くはずがないよな。するとやっぱり気を遣わせたかな?
さて翌日となった只今、家のやることも済みました。ちょっと具合を見に行くとしましょうか。
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