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#朝ラン #早朝ラン #ランニング
オーディブルはアイザック・アシモフ『銀河帝国興亡史Ⅱ ファウンデーション対帝国』が今朝でおしまい。第2部「ザ・ミュール」25「心理学者の死」から26「探索の終わり」まで。
(以下、ネタバレあり)
ミュールは○○だった。ベイタはそれを見破ったが、同行していたトランとエブリング・ミスは気づかなかった。というか、気づかないように心を操作されていた。では、なぜベイタだけがミュールの魔法から自由でいられたのか。それは、ミュールの悲しい出自と無関係ではなかった。ベイタは、ミュールが心を操作しなくてもかれの存在を受け入れ、愛してくれた、唯一人の女だったから。トランターの図書館で第二ファウンデーションの存在を探索していたミスは、最後にその位置を探り当てた。だが、それを明かす直前に口を封じられた。ミュールではなく、ベイタの手によって。
「エブリング・ミスは掘り出しものだった。かれの潜在能力は高かった。そして、わたしにはかれが必要だった。ファウンデーションとの戦争が始まる前に、わたしはすでに帝国と交渉するために、使節団を送っていた。それは、第二ファウンデーションの探索をわたしが始めた時だった。当然、それは見つからなかった。当然、それを見つけなければならないと、わたしは知ったーーそして、エブリング・ミスがその答えだった。かれの精神を高能率で働かせれば、おそらくハリ・セルダンの仕事を復元できるだろうと思った。
部分的に、かれはやってのけた。わたしは極限までかれを駆り立てた。その作用は過酷なものだった。しかし、完成させねばならなかった。かれは最後は瀕死の状態だった。それでも、死なずにーー(ふたたび、悔しさがかれの言葉を妨げた)ーー最後まで生きただろうに。われわれ三人そろって第二ファウンデーションに向かって前進できただろうに。それが最後の戦いとなっただろうにーーわたしが間違いさえしなかったら」
「わたしは自分のプログラムを続けるつもりだ。このような退化した時代に、エブリング・ミスと同じくらい優秀な頭脳と教育のある、代わりの者を見つけられるかどうか、疑問だがね。さもなければ、わたしが第二ファウンデーションを探さなければならないだろう。ある意味で、きみがわたしを負かしたのだ」
「ある意味で? ある意味で、だけなの? わたしたちはあなたを完全に打ち負かしたのよ! ファウンデーションの外での、あなたのすべての勝利は無駄だったわけん。なぜなら、銀河系は今や野蛮な真空地帯になっているんだから。ファウンデーションの征服もほんの小さな勝利にすぎないわ。なぜなら、あれはあなたのような変種の危機を食い止めるためのものではなかったのだから。あなたが打ち負かさなければならないのは、第二ファウンデーションーー第二ファウンデーションーーなのよ。そして、あなたを打ち負かすのは、その第二ファウンデーションなのよ。あなたが勝つ唯一のチャンスは、あれが準備をする前に、その位置を見つけて叩くことだったわ。今はもう、あなたにそういうことはできないでしょうからね。今に思い知るでしょうよーーかれらがあなたをやっつけた時に。そして、あなたが権力を握った短い期間が終わり、あなたももったいぶって歩いた征服者の一人にすぎなかったということが、そして、歴史の血なまぐさい表面を急ぎ足で、みすぼらしく、瞬く間に横切っていったにすぎないということがわかるでしょう」「そして、わたしたちはあなたを破ったのよ、トランとわたしがね。もう死んでも思い残すことはないわ」
「きみも、きみの夫も、殺しはしない。なんといおうと、きみたち二人がこれ以上わたしを傷つけることはありえない。それに、きみたちを殺しても、エブリング・ミスが戻ってくるわけではないからね。わたしの過ちはわたし自身のものだ。その責任は自分で取る。きみの夫ときみは、行ってもよろしい! 安らかに立ち去ってくれ、わたしがーー友情ーーと呼ぶもののために」
ああ、ミュール。きみとは別の世界で出会いたかったよ。
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