梅雨入りと山

　私の住む埼玉県を含む関東などが6月6日ころに梅雨入りしたということですが、翌日はお天気になったりして、また今日このごろは台風の影響で降ったり止んだりしていますね。気象庁でも発表のタイミングが「よかった」と安心？しているのではないでしょうか。
　山を愛するヤマレコのみなさんは梅雨入りの発表にさぞ、お心を悩ましておられるのではないでしょうか。というのも、この時期は山へ行きにくくなるからです。梅雨入りと聞いて山行の計画にブレーキがかかるからです。山へ行ってもレインウェアのテストをしにきたような山行ではすばらしい景色も見られず、カメラも防水袋に仕舞いパッナシといった仕儀になりかねません。しかし館内放送に聞き耳を立てながら自分の食事の番を待つなんて気ぜわしさからはカイホーされます。山小屋の個室を借りると割り増しをとられますが、山小屋そっくり貸し切りでも割り増し料金はかからないでしょう。ゆっくりといやさびしいくらいの山小屋ライフを満喫できるでしょう。
　梅雨の時期の山へ来た想い出にはなるかもしれませんが、最大の眼目は日常は目にすることのない景色やら花を見ることなのです。樹林帯のにおいをかぎ、登山道の傍らの岩に腰掛けて鳥のさえずりに耳を傾けたり、風の音を聴いたり、雲の動きに目をぼーっと動かしたり、ときには無音の世界に浸ることが登山の楽しみではないでしょうか。
　お天気とにらめっこしても始まりません。お天気予報も外れることだってあります。そういったときには素晴らしい自然現象に出会えるかもしれません。この時期は美しい苔を見に京のお寺を巡るのもいいかもしれません。ともあれみなさまの梅雨のひとときが充実したものとなりますことを祈念しております。
　掲載しました写真は梅雨の時期ではなく平成26年9月の槍ヶ岳山荘からのものです。追伸：濡れると道(岩も木も)は滑りやすくなるのでお互い気を付けましょう。