集団強盗の実行役などは論外ですが、捕まれば一生犯罪者の汚名を着るという想像力が働かないのでしょうか。
私は学生時代に様々なアルバイトを経験しました。
当然ながら、どれも犯罪とは無縁の真っ当な労働で、その結果身に付いた技もあれば、様々な職業や企業の生業(なりわい)を垣間見ることができました。
例えば、
お中元の配達員バイトでは、質素な古家の玄関に届いたお中元が山積みのお宅があり、配送所の親方に聞いたら、「大物総会屋の家らしい」とのことでした。
毎日配達に行くそのお宅には、浴衣でくつろぐ眼光の鋭い爺さんと若くて綺麗な奥さん?が暮らしていました。
コーラ自販機の設置助手では、リフト付きトラックに積み込んだ自販機のロープ固定(ラッシング)などが身につき、後日自分の引越やキャンプなどで役立ちました。
自販機の設置では最後に販売価格を設定するのですが、同じコーラでも大手企業社食の価格と町工場休憩室の価格には差があり、福利厚生の企業格差を実感しました。
友人の兄貴が持ち込んできた、某国立大学入試の試験監視員をした時には、たまたま二浪した高校の同級生がその大学の受験生となりました。
当日の試験会場は別でしたが2日間大学まで車に同乗し、「監視員と受験生で呉越同舟だ!」とふざけながら会場入りしました。
ちなみにその同級生は見事に合格し、今でも友人です。
その友人が紹介してくれた、結婚式場のシャンデリア組み立て作業で地方都市へ出かけた時には、内装工事が遅れ、木賃宿の2階座敷で待機になってしまいました。
暇を持て余して夜になると、下の路地におばさんの引く屋台がやって来ました。
焼き鳥の匂いに誘われ、屋台で「梅割り」を初体験したところ、それまでの焼酎に対する偏見がきれいに払拭されました。
酎ハイやサワーが女性の間でも市民権を獲得する遥か以前の出来事でした。
考えてみると私の場合は、学校で学んだ事よりも、アルバイトで学んだ事の方がより実戦的で身の助けになったような気がします。
私は、若者が大人になる過程で興味のある職業を一定期間実体験(インターンシップ)する機会が、必修の教育カリキュラムになると良いと思っています。
【余談】貝問屋でのバイト
正月を挟んで真冬の時期に貝問屋でアルバイトをしました。
長靴を履き、毎朝漁港岩壁の生簀からスカリ(網袋)に入ったアサリやハマグリ、サザエなどの貝を引き揚げてリヤカーで店まで運びます。
運んだ貝は店の前のタタキに広げ、貝と一緒に大きなポリバケツへ汲んできた海水をかけて洗います。
その後、傷んだ貝を選り分け、店売り用に店頭に並べて客に量り売りします。
料理屋などからの注文には、指定の貝を量って配達しますが、サザエなどは「むき身」の注文があり、貝剥き包丁で身を取り出し、必要なら壺焼き用に殻も一緒に配達します。
ゴム手袋など無く、かじかむ手をバケツの湯で温めながらの作業でした。
この時のバイト体験は、今でも海鮮バーベキューなどをする時に役立ちます。
【写真】愛用の貝剥き包丁
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