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杣径 を歩けたら楽でありがたいが、私が行きたい方と違うところへ行ってしまうかもわからない
さてこの杣径はどこへ行っている？と確認しながらゆっくり進むと
「フーッフーッ」と地面に響くような鼻息のような音がした
足元の笹薮からのようにも聞こえるし背中の尾根側からのようにも聞こえる
どこから？とキョロキョロしている間もずっと「フーッフーッ」と地響きのような鼻息は聞こえる
「カモシカ か？」
牛って結構重い鼻息をする
カモシカも名前は シカ だけれどあいつは 牛 の仲間だ
じゃあちょっと脅かしてやろうと 鼻に抜けるような大声で「フーッフーッ」とやったら
足元の笹がガサガサと動いて目の前２〜３ｍ先の木に黒いものが飛びついた
クッ、クマ〜ぁ！！
木に登って逃げようとする熊の背中を写すほど私は熊の真後ろにいる
熊は木に登りながら私を振り返る
その顔は、口を開き、目は「僕は何も悪いことしてないよ、ただ笹の中で寝ていただけ、殺さないで〜」と懇願していた
それを見て少し落ち着いてやっとこの写真�，鮖�ったけれど やっぱり慌てていたのか震えていたのか 写真はブレブレ
熊の横が写るほどに少し離れて木を登る熊を写した
デカイ、１ｍ５０はゆうにある
この写真�△虜顕実Δ�歩いていた 杣径
やっぱり近すぎる
さらに離れて熊も私も少し落ち着いてきた
熊は「一体お前は何者だ？」と私を覗き込んでいた（写真 ��）
そして、翌週、この尾根の先を歩いた
いかにも熊が休んでいそうな笹薮がそこかしこにある
戻りたいけど進むしかない
熊鈴なんて効かないのを知っているからもっと強烈な電子ホイッスルをビーッビーッ鳴らしながら行く
案の定、あちらさんからは「フーッフーッ」という鼻息が返ってきた
こうなるともう電子ホイッスルは鳴らせない
ハイハイ分かりました、と静かに、でも「出てこないで〜！！」と祈りながら通過していく
少し歩くとまた「フーッフーッ」の鼻息
静かに通過しようとしたらガサガサッと笹から音がして黒いものが木に飛びついた
小熊だ、しかも距離は先週の２倍以上離れた７〜８ｍ先、これなら大丈夫と思った瞬間
「ブォーッ」と大きな声で 母熊 が立ち上がった
歯をむき出しで怒っている
目は真剣そのもの 怖い顔 でこっちを睨みつけている
ヤベ〜ッ
思わず２〜３歩後ずさりをした
立ち上がって完全に怒っている 母熊 と木の上へ逃げようとしている 小熊
これは写真になる、とカメラに手をかけたけれど そんなものを顔の前にかざしたり、熊を凝視する視線を外すと 母熊 が突進してくる可能性があるのでカメラを構えることができないまま 母熊 の目を見つめ続けて後ずさりをして離れて行った
先週の 近すぎる熊 も怖いけど、母熊 はもっと怖い
熊、いろんな表情の熊の顔を見た
人を恐れ「殺さないで〜」と懇願する顔
小熊に手を出したら承知せんぞ〜と怒る母熊の顔
小熊同士じゃれあう たまらなく愛くるしい小熊の顔
熊の表情は実に豊かだ
同じく山中でよく出会う 鹿
ヤツに表情はあるのかな？
どんな時もパチクリっとした目をしている
手練れの猟師に棍棒で一瞬で脳天をたたかれ、何が起こったのかもわからぬまま死んで軽トラの荷台に乗せられ、生きていた時と同じ目で空を見ている
死んでいても同じ表情をしている
そんな鹿に言ってやらねばならない
「お前はもう死んでいる」 北斗の拳
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以上が３年前の１０月に信州の里山歩きをしているときに出会った熊の様子です
これをホームページ化してそのＵＲＬを書いた年賀状を親戚や知人に送りました
もう３年も経ちますが未だにこれが話題に上りますのでヤマレコに転記しておきます
また上記は登山とは全く無関係な人へのお話なのでこのヤマレコでは私の熊対策も書いておきます
１．熊鈴とホイッスル
熊鈴やそれより何倍も遠くまで聞こえるホイッスルを鳴らしたからと言って熊が先に移動してくれる な〜んて経験は一度もありません
逆にホイッスルに反応して「フーッフーッ」と警告されたら、ホイッスルは止め、ストックも止め、２本足だけで静か〜に歩いていきます
その時「出てこないでネ〜私はここを通過したいだけだから〜」と心の中で会話しています
牧歌的な鈴の音や意味不明のホイッスル音が効果ないのは分かります、鹿でさえも逃げないですから
同じ山域で見たクマ除けは 古い鉞（マサカリ）を金属棒で叩くというものでした
確かにこれならかなり甲高い音が出て、熊も「何かヤバいのが来たみたい」と逃げてくれそうな気がしました
２．ケブラーの軍手
藪山歩きが多いので軍手をしていますが、ケブラーの軍手というのをはめてます
ケブラーの軍手とはカッターナイフで切り付けても切れない軍手です
別にこれで熊と戦う気はないのですが（戦っても勝ち目ない 笑）襲われたとき最後に顔と頭を手で覆いますが、その手の負傷を少しでも軽くしたいという気持ちです
３．服装は黄色や白
あるいは薄いピンク色がよいと思います
母熊に「ブォーッ」と威嚇されたとき、私は子熊を襲いに来たオス熊でないと一目で識別してもらうために黒い服装ではなく薄い黄色の雨具を着ています
で実際母熊も「ン？なんじゃお前のその色は？」と一蹴緊張がゆるむ気がします（気がするだけ？？？）
４．スプレーとゴーグル
これらの経験からさすがに丸腰ではマズイと思うようになり熊除けスプレーを持ち、自分の眼をスプレーから守る作業用ゴーグルを首からぶら下げるようにしました
でもその後は熊危険地帯に入っていませんのでスプレーと作業用ゴーグルは持ち出したことはありません
せっかく買ったスプレーですが使わずに終わることを願っています
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