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「山小屋主人の炉端話」
カバーの畦地梅太郎さんの絵に目を奪われ手にした本です。
実在する山小屋の主人を中心とした34の短編集。
というとあっさり聞こえますが…私はこの本、ハンカチ無しには読み進められませんでした…
というのも、とにかく心を動かされるストーリーばかりなんです。
多少の脚色は入っていたとしても、文字を通して伝わってくる「山のリアル」や「人が起こす奇跡」にグイグイ心をつかまれました。
それぞれの話の主人公が山小屋主人ということもありますが、描かれ方が一人称であるゆえに、あたかも自分がその主人公になったような気分で読み進められるのも良い所。
中には実際に行ったことのある山小屋も舞台になっており、私の中では現実と物語が入り混じって不思議な感覚にもなりました。
ふだん山を歩いている時はただ通り過ぎてしまうだけの山小屋もあったでしょう。ただ、そこに居る主人がいて、そこに集まる人たちがつくるドラマに、こんなにも魅了されるとは思いませんでした。
特に「こりゃあ、やられた!」と思ったのは、まさに最後の1ページなんですよね…
34の話は独立した短編であるわけですが、綴られてきたお話が最後の最後、一気にギュギュっと収束するようで、心地よい余韻を残してくれました。
山が舞台だという「ひいき」を除いても、久々に素晴らしい作品を読むことが出来て幸せな気分になるとともに、やっぱりまた山に行きたくなってしまいました(笑)
ぜひ手にとってお楽しみください。
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『定本 山小屋主人の炉端話』 工藤隆雄:著
ヤマケイ文庫
画像1:書籍カバー(ヤマケイ文庫)
画像2:甲武信小屋の山中徳治氏と 第2章「冬に咲く花」
画像3:雁坂小屋にて 本編には入ってないけど、山小屋の温かさを感じた夜でした
ありがとうござます。
早速図書館に予約を入れました。
sekihiroさん、こんばんは。
私も予約してみました。貸し出し中でしたが待ちはなかったようです。
sekihiroさん、こんばんは。
ご紹介ありがとうございます。
自分もAmazonでポチりました。
明日届くので、読むのが楽しみです。
はじめまして
紹介されているのは「定本 山小屋主人の炉端話」2020年(山と渓谷社)ですが、その前の?「新編 山小屋主人の炉端話」工藤 隆雄 著 2016年(山と渓谷社)という本と、さらに古く「山小屋の主人の炉端話」工藤 隆雄 著 2001年(東京新聞出版局 )というのを図書館で借りて読みました。2冊の内容はほぼ同じだったような・・・覚えていません。「の」が一つ多い(東京新聞出版局)の物は36話となっていて雑誌「岳人」に連載された「親爺たちの山の物語」からだそう?。いずれにしても良い本ですね、「定本 山小屋主人の炉端話」が図書館に入ったら借りて
みようと思います。著者の工藤 隆雄さんの著作「マタギ奇談」も(泣けませんけど)興味深い本でした。
あと、同じような泣ける話としては、山の雑誌「アルプ」に掲載された雲取山の「鎌仙人」の話が印象的でした。私は、ちいさな桃源郷 - 山の雑誌アルプ傑作選 (中公文庫)で読みました。おススメです。
borav64mさん
fireboltさん
MonsieurKudoさん
heinaiさん
コメントいただきありがとうございます。
そうなのです、仰る通りでこの書籍は何度かの改編を経ているようで、私が手にしたのは一番新しいものになるようです。
「新編のためのあとがき」や「文庫版のためのあとがき」などが丁寧に加えられていて、そのあたりの流れも楽しめる要因でした!
あまり書くとネタバレになってしまうのですが、私は最後の物語まで読み進めた時に大きな感動を覚えました。
山と人がつくる物語がこんなにも素晴らしいということを、私もこれからの人生で伝えていけるように頑張りたいと思いました
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