三つ峠〜笹子縦走後、どうも足裏痛が治まらず、かといってガマン出来ない痛さではないため、自己流マッサージでお茶を濁していた。
次姉になんとなく話したら、『ハヤシくんに見てもらえ』とのこと。
ハヤシくんとは、小学校〜高校までの同級生で、数少ない親友と呼べる友人の中でただ一人医者になってしまった、いわば”場違いな”友人である。
以前、膝の具合を診察してくれた経験があり、その他にも、もう一つの古傷である左肩の面倒も、ことある毎に診てもらってる、非常に使い勝手の良いが、口だけは悪い医者である。
足裏痛。
ググったらまず「足底腱膜炎」がヒットし、続いて「足底線維腫」っていう、いかにもだいじょぶじゃないじゃん、、、って感じの症名がならぶ。
シロウト診断はいかんだろ、などと思いながら、実家からそう遠くない、ハヤシ整形外科へ出かけた。
都県境にほど近いが実は立派な埼玉県南部にある、極々普通の高校に通っていた、全く普通の高校球児だった。
ハヤシくんはというと、信じられないだろうが部員3人のラグビー部で、いつも校庭のすみっこでヘッドギアを着けて、土嚢を積んだリヤカー相手にタックルの練習をしていた。
”おかしいのかな、まともなボールがあんまり好きじゃないんだよ”
いつもそう言って笑ってたが、その笑いが長く続いたことがなかったのが、寂しげでもあり、かっこよさげでもあった。
『3人じゃぁ練習試合もできんだろ、同好会にすっから』
と、いきなり運動部の顧問トップである体育教師が無理矢理決めてしまった事件があった。
確かに、試合経験も無し、来る日も来る日もタックルとキックの練習、それを披露する場も機会も無い。
同好会格下げ事件から数日経ち、突然野球部の顧問が口を開いた。
”おまぇら、たまにはでかいボールを触ってみろ”
いつも、グラウンドとはお世辞にも言えない校庭で幅をきかせていた野球部員総出で、ダイヤモンドがたちまちラグビー場へと変貌を遂げた。
といっても、ラインをほうきで消すだけだから、総出でやれば何の苦もなかった。
「試合しようぜ」
「スパイク禁止な」
「ジャージ臭せぇ!!」
「このマウンドじゃま!!」
「前に投げんなよ」「え〜〜〜〜無理ムリ!」
怒号が飛び交う。
でもどこか楽しげだった。
『まったく。。。初めてで最後の試合が野球部とか。。』
『いや、今日はおれららくびーぶだし(笑)』
『やってらんね』
ハヤシくんは捨て台詞を吐いたつもりだったみたいだが、顔は笑っていた。
ハヤシくんはその後、聡明で優秀な頭脳で、学校創立以来初の難関校に合格、さらに親思いの彼は、父上の後を継ぎ、2代目院長の座におさまった。
「えっとねぇ、ようするにぃ、歩きすぎなの」
『足裏線維ナントカ、ってぇんじゃなくて??』
「調子に乗ってさ、しかも堅いトレッキングブーツはいてさ、車道を何キロも歩いてりゃこうなるだよジャニくん」
よ、ヨカタ(息)
”名字が『藪』じゃなくてよかったなハヤシで(笑)”
と、かつて言われた捨て台詞をようやく返し、安堵しながら帰宅の途についた。
マッサージは繰り返しするように
山歩きはテーピングを忘れるな
たまにはラグビー部の飲み会もやれ
みっつの提言を胸に刻み、また今週末も歩きます。
長文でごめんなさい。
おわり
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