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2014年07月16日 09:29未分類全体に公開

マッターホルンは無茶雪が多い

皆さんこんばんは。
私は今、マッターホルンの付け根にあるシュワルツゼーホテルに泊まっています。
35年ぶりのリベンジのために来ていますが、今日は目も覚めるような素晴らしい天気でした。
先週続いた悪天候ために多くの雪が特にマッターホルン東壁に付着しています。北壁はあんまり着いていません。
本来の予定なら明日が登る予定日でしたが雪が多く無理という判断です。

前の日記で出発宣言をしてから随分と時間が経ちましたが、出発からの大体の行動は次の通りです。

7月10日。雨のち曇り。中部国際空港からフィンエアでヘルシンキ経由でジュネーブ入り。そのまま乗り合いバンでシャモニー入り。シャモニーではクライミングのワールドカップが開かれていました。日本からジュネーブまでの間、フィンランド上空以外はシベリアもヨーロッパのどこもここも隙間なく全部同じ高さに雲がありました。地球にはすごい水分があると思いました。

7月11日。曇り時々晴れ。モンブランに登頂するためにホテルからバスと朝一のロープウェーと登山電車を乗り継いでニーデーグルまで。登りだしてすぐに雪が現れアイゼンを装着。落石事故が多い恐怖のクーロワールは雪に埋まっていましたが、私が通過するときに上から黒い物が落ちてきたので見極めて寸前でかわそうか迷いましたが安全な場所にすぐに引き返しました。そしたら落ちてきたのはなんと上で誰かが落とした黒いグローブでした。グーテ小屋の手前はワイヤーもいちぶ雪に埋まっていましたので難易度的には4月に登った西穂高ぐらいな感じでした。
グーテ小屋はびっくりするほど快適な小屋でした。登山者はイギリス人や東欧の人が多かったです。

7月10日。晴れのち雪のち雨。朝食が2時だと喜んで寝ていたら起こされて4時だと告げられました。朝食を食べ5時に出発した時は私が先頭でした。足首程度のラッセルでしたので大した事はないと思いましたがこれが大失敗の原因でした。
時差ボケと高度順応をしていないこともありましたが途中でバテてしまいました。天気は雲の上のために下のシャモニーの街にいる人には信じられないような晴れでした。
この日は20人ぐらいの登山者でしたが、結局恥ずかしながら私が最後に登頂しました。
登頂3分前に雲行が悪くなり、登頂すぐに下山開始したものの、その後ほぼホワイトアウト。トレースが見にくくGPSがなければアウトな状態でした。
グーテ小屋に近づいた頃から天気が回復。小屋に泊まろうと思いましたが訓練のため夜間下山を決断。小屋の人に訓練の旨を伝え何事があってもいいように水と行動食を買いました。ポテチやチョコレートだけでしたが40ユーロ(6000円ぐらい)もして顔が引きつり笑いになりました。
18時に小屋を出発。天気は最初は曇りだったもののテートルース小屋あたりから雨時々曇りといった感じでした。雪があるときはトレースをたどれば良いのですが雪が消えるあたりの最後のルートあたりから非常に難しいルートファインィングになり膨大な時間を浪費しました。昼間なら全く問題ないでしょうかヘッドランプをつけた状態では厳しい状態でした。
ルート的には雪崩の心配はありませんでしたが周りの谷でときどき大きな音で雪崩が発生していました。
やっとの思いで登山電車の駅に着いたときにはヘロヘロバテバテでした。雨に濡れ、こういう時に疲労凍死が起こるんだろうと思いました。トンネルの中でビバークしようと思いましたがホテルの風呂に入りたい思いが強く登山電車の道を歩いて、ロープウェイの上の駅に着いたのは朝の5時でした。24時間の行動時間でした。心身ボロボロになりました。

7月13日。晴れ。ロープウェイが動き出すのを待ちホテルに着いたのは朝の9時。午後2時までチェックアウトを伸ばしてもらい念願の風呂に入ってから爆睡。ただ、そのまま寝たままの状態になるのを心配して1時間したら起きてしまいました。その後、電車でスイスのツェルマットに入りました。
そして、35年前にツェルマットに来たときに泊まったホテルバンホフに来ました。
ツェルマットにはその後何回か観光で来たことがありましたが、バンホフの敷居が高くやっと泊まることができました。ただ、昔の雰囲気はなく、世界のアルピニスト達の世話をし既に亡くなった女主人のパウラさんがこのホテルの全てだったのかもと思いました。
昔のようにコープで食料を買いましたが、6フラン(700円ぐらい)で買ったチーズの美味いこと美味いこと。日本だと3,000円ぐらいのチーズですね。

7月14日。晴れ。ツェルマットのアルパインセンターでマッターホルンの状況を確認すると、雪が多くこのまま天気が続いても最低1週間の晴天がなければ登山は無理だと言う情報を得ました。
この日の天気はまあまあでしたが、マッターホルンは雲の中で見えませんでした。
ホテルを出てタクシーでロープウェーの駅に行きました。背中には110リットルのザック。あと30リットルのアタックザック2つ。重さの原因は6リットルのミネラルウォーターです。何故かと言うと、シュワルツゼーで水を買うとむちゃくちゃ高いからです。まだ未確認ですが1.5リットルで1,500円位の感触です。
この日はヘルンリ小屋まで偵察をしました。今年は小屋が工事中のためマッターホルン登山のためこの小屋が全く使えません。
小屋の少し上に下から持ってきた水を岩陰にデポしておきました。
そしたら、突然、雲が消えマッターホルン北壁が姿を現しました。東壁はもうもうと雲が湧いて流れていました。それはまるで巨大な神様のような何かわからない巨大な生命のようなものを感じました。

7月15日。快晴。夜中に目が覚めてマッターホルンを見ると完全なマッターホルンが星空の中に見事にそびえていました。2008年の冬に来たときには姿を見ることができなかったので完全な姿を見たのは25年ぶりです。夜中でしたが、その姿はあまりにも美しくて見とれました。
シュワルツゼーホテルのドミトリールームは思いがけず非常に快適で、滞在は私1人だけでしたのでこのホテルを選択したのは大正解でした。
この日、再びヘルンリ稜を偵察しようと思いましたが、雪が多く無駄なことをするよりも4,000メートル峰では最も簡単なブライトホルンを登ってきました。
山頂からはモンブランを始めヨーロッパ中の山が見えるぐらい素晴らしい天気でした。
ブライトホルンはど素人の人も含め世界各国から非常に多くの人が登っていました。
高度順応のために山頂で長く滞在しておりましたが、誰もやっていませんでしたが山頂からは尻セードには最適の斜度。登り1時間のルートを4分で下りました。
そして、登山中マッターホルンの雪の変化を見ておりましたが朝と夕方でも変化はなく、この段階で直近にマッターホルンを目指すのは諦め、明後日グリンデルワルトに向かうことにしました。マッターホルンをアタックするのはグリンデルワルトの山に登ってからにしようという計画です。その段階で再び雪が降れば残念ながら今年はマッターホルンはあきらめなければいけません。ただ来年はマッターホルン登頂150周年のため、またヘルンリヒュッテが新築のためものすごい数の登山者がマッターホルンに押し寄せることが予想されます。

以上、そんなこんなで、明日は再びヘルンリ稜に偵察をしてきます。人はほとんど来ないと思うのでザイルを出して懸垂下降のトレーニングをしたいと思っています。

そんな感じですが、体調は自分でも驚くほど完璧で問題はありません。高度順応に関してはまだまだですがボチボチという感じになってきました。

写真はシュワルツゼーホテルからの今朝のマッターホルンです。

長文失礼いたしました。
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コメント

RE: マッターホルンは無茶雪が多い
おはようございます

時差はどれくらいかな?

しっかし、すごいですね

マッターホルン!!

練習で4000mですか!

とにかくご無事を祈ってます

      でわでわ
2014/7/16 10:03
ゲスト
RE: マッターホルンは無茶雪が多い
こんばんは。
時差は7時間です。
今回1番辛く感じるのは高度順応だとおもいました。
やっぱり4,000メートルは高いですね。
でも今日あたりちょっと慣れてきたかなという気がしています。
2014/7/17 9:03
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