先日大倉から丹沢山に登った
渋沢駅から大倉へ向かうバスの車窓から、途中のバス停わきに見えた看板
「米倉丹後守一族墓所」
おお、甲陽軍鑑でもおなじみの米倉丹後
こんなところに墓があったの?
と思ったものの、
後で調べたら子孫の墓らしい。
米倉丹後守自身は長篠で戦死している
武田家の滅亡後、
米倉の子孫は徳川に召し抱えられて、この地に領地をもらったらしい。
それはともかく
やっぱり米倉といえば米倉彦次郎と甘利左衛門尉のエピソードが美しい
鉄砲で腹をズドンと撃ち抜かれて、胴体内に血がたまって瀕死の状態になった彦次郎
葦毛馬の糞を水に溶いて飲めば、腹の血が下って助かるかもしれぬ
というのに、
「命惜しいとて、牛馬の糞まで飲んだとあっては部門の家の恥」
といって、飲まない
彼の直属の上司?にあたる左衛門尉
「万一命が助かれば、また信玄公のご用に立つこともできるのだから、心がけの至らぬ武士は何とでも言え、真の武勇の士であれば馬糞でも何でも飲んで、命を全うし功名を轟かせるべきだ」
こう言って、自ら葦毛馬の糞汁をふたくち飲み、
「今日のは一段と味も良い」と褒めて
手ずから彦次郎に飲ませたところ…腹にたまった血が一桶分も下って
彦次郎はすっかり傷も癒え、奇跡的に回復したという…
おや、馬糞やら何やら、ちっとも「美しい」感じではない話だったな
でも
真心にあふれたエピソードはやっぱりやさしい
昨今のマスクからトイレットペーパーに至るまでの「買占め騒ぎ」を見るにつけ
われら日本人の心がすっかり劣化して
自分さえよければ他人がどうなってもよい
という風潮が
コロナウイルスなんぞの何倍も何倍も蔓延してしまっているな…と
感じる今日この頃
山の景色はとても美しかったけれども…
ニュースを見ると 心はちょっぴり寂しい。
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