やれ打つな蠅が手を擦り足をする
といった句で知られる小林一茶である。
その生涯を描いた藤沢周平の一冊を読んだ。
黒姫山、飯縄山、戸隠山などに登るときには「道の駅しなの」や信濃町ICを利用する。その近くに一茶記念館があるのは知っていたがまだ入館したことがない。
この本も15年以上前に一度読んでいるのだが全く内容を覚えていない。眼で字面を追っていただけで心にひとかけらの印象も残っていなかった。
今回再度読み直してみて、田舎から江戸に出て俳諧の世界で名を上げようとしたものの挫折と貧困の中故郷柏原に帰ってきた弥太郎こと小林一茶の句の背景を十分理解することができた。
それは私も田舎から都会に出て40年以上苦しみながら働き、結局東京にも実家にも、いずれにも地盤がない状態が一茶の一生と被るところを感じたからである。
次の機会があれば一茶記念館に必ずや立ち寄ろうと思った。
小林一茶は、江戸時代後期に活躍した俳人です。一茶の俳諧は、雪深い柏原の自然や、生き物とくに虫や小動物といったちいさな命をテーマにしたことで有名です。また、生涯に2万句を詠んだと言われるほど、たくさんの句を遺しています。
小さく力の弱い生き物に愛情を注ぐ一茶の句は、松尾芭蕉にも与謝蕪村にも見られなかった特徴から「一茶調」と呼ばれています。身近でわかりやすい言葉づかいも、一茶の魅力を伝える役に立っています。
しかし、一茶の人生は、一茶によって詠まれた俳句とは裏腹に、苦労の多いものでした。母や祖母、父といった身近な親族が相次いで亡くなり、義弟との間で遺産相続争いを繰り広げ、最愛の妻子まで亡くし、死の直前にも火事で家を失いました。
そんな一茶が、力弱くとも懸命に生きる動物たちに眼差しを向けて詠んだ俳句は、読むものに深い感動を与えてくれます。(引用:https://rekisiru.com/3291)
雪とけて村いっぱいの子どもかな
我と来て遊べや親のない雀
青梅に手をかけて寝る蛙かな
名月をとつてくれろと泣子かな
これがまあ終のすみかか雪五尺
一茶は、有名な句を聞いたことがある、という程度です。でもなんとなく温かみのようなものを感じていました。気取らない、平易な親しみやすい感じがいい。
この日記を読んだら、藤沢周平のこの本を読んでみたいような気持ちになります。かなり先になりそうですが…
新田次郎のエッセイは読みました!読める時に少しずつ。小説を読んだ時に故郷が諏訪あたりのようだとはわかっていましたが、ご本人の故郷への愛着が感じられて良かったです。
ここ何年か、気力がわかず、夜更かししてまで本を読む事が無くなりました。
(新田次郎と山崎豊子を読んでいた時は図書館で次々に借り出し、毎日夜更かししてました!)
24cさんは山も本もたくさん!素敵ですね^_^
実は山ですが白峰南嶺山行での無理が祟り、心身共にポッキリ折れてしまっています。3日4日で予定していた山行は体調不良で取り止め、盆あけ月末に快復していたら再チャレンジすることにしました。暫くは読書でもして静養、もう少ししたら新潟の自宅に戻り静養する予定です。
ちょっと辛い毎日です。
藤沢周平は著名な歴史上の人物は殆んど書いていません。市井の人々の心を描いています。
小林一茶は継母に苛められ都会でも赤貧の生活が続き、苦しい一生のようでした。
私の新潟の自宅に近い柏原という雪国、小作百姓の生活も描かれています。
泥々とした人間の心の葛藤が描かれています。
一茶の有名な句は身近な動物達を描いていますが、自分の貧乏を吐露する品のない句も沢山作りました。
生きている間には名が売れなかった句人だということを知りました。藤沢周平が小林一茶を取り上げた理由が何となく理解できました。
ありがとうございました。
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