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この一冊には以下の方々の文が載っています。(抜粋)
・秋谷豊 ・古井由吉 ・深田久弥 ・田中澄江
・上田哲農 ・今西錦司 ・松濤明 ・西丸震哉
・本田勝一 ・長谷川恒男 ・白籏史朗 ・今福龍太
日本の名山シリーズの一冊なので、当該の山に纏わる紀行文や登攀記のみならず色々な角度から甲斐駒ヶ岳に迫った一冊になっています。
面白いなあと思ったのは西丸震哉氏の一文と本田勝一氏の一文で、興味深く楽しめました。
クライマー達の登攀記は自分とは遠い世界の物語でした。しかし黒戸尾根の両サイドに赤石沢と篠沢というとんでもない恐ろしい沢が有り、冬期凍った絶壁の岩場の沢を登ったクライマー達が居ることを初めて知りました。篠沢は死の沢と呼ばれているみたいです。黄連谷・・・この谷が恐ろしい谷のようですが、花の名前のオーレンしか知りませんでしたが同じ黄連の漢字なので恐ろしさは文字からは感じません。
まあ、甲斐駒ヶ岳に一度しか登っていない私としては余り多くを語る資格はありません。でもとても為になった一冊でした。
雪形で馬の形が出来るので駒が山名に付いた山では無く、甲斐駒ヶ岳は麓に沢山の牧場があって牧ノ原と呼ばれていたようで、馬を沢山放牧させていたから駒の文字が山名に着いた山のようです。確かに今も山梨のその地方に地名に巨摩という文字が残っています。
巨摩=駒=馬です。
そして馬の守護神として駒形権現が祀られ、そこから駒ヶ岳信仰が隆盛したようです。
なるほど、なるほどと頷くことが沢山有りました。
麓から一気に3000m近くまで盛り上がっていて、山深く遠くに見える高峰では無く、麓から山頂を仰ぎ見ることが出来る山なので素晴らしい、そう言われればその通りだなと思いました。
甲府勤務の時、町中から甲斐駒ヶ岳が良く見えていました。
中央線や中央高速道路からも甲斐駒ヶ岳の山容が形を変えながらも、ずっと長く見えていたことを思い出しました。
また違うアプローチで登ってみたい、甲斐駒ヶ岳をそう思わせてくれた一冊でした。
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